はじめに

「就活ではまず自己分析から」と言われます。

しかしこれから就活をはじめようとしている人は、「いつごろから自己分析を始めればいいんだろう」と悩んでいるのではないでしょうか。

また自己分析をいざ始めたとしても、そもそも何のために自己分析するのかよくわからず、何となく始める人がほとんどです。

自己分析はきちんと目的意識をもってしなければ効果が低いし、就活に活かすこともできません

そこでこちらの記事では、自己分析の目的から始める時期、自己分析のメリットや注意点まで説明します。

どれも自己分析をする上でとても大事なことなので、これから自己分析をはじめようと思っている人はぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも自己分析とは何か

自己分析とは、なりたい自分の姿をイメージしてこれまでの自分の経験を深掘り・整理することで、「何を考えどんな行動をしてきたのか」を知ることです。

これにより、自分の理想とする姿・強み・価値観・志向性などを発見できます。

特に自分の強みや価値観は意外と正確に理解できておらず、自己分析によって初めてわかることも多いのです。

だから、自己分析は企業に自分自身を売り込まなければいけない就活において、自分を知るためにとても大事な作業であるといえるでしょう。

自己分析で大事な2つの視点

自己分析とは何かについて簡単に説明しましたが、自己分析をより深く理解するために大事な2つの視点があります。

この点を理解しておくと、自己分析の目的やメリットを理解しやすくなるので、きちんと抑えておきましょう。

過去の視点

自己分析は自分がこれまで経験してきたことを振り返り、「なぜそのような行動をとったのか?」「なぜそう考えたのか?」と深掘りしていきます。

これが過去の視点であり、自己分析をする上でメインとなる重要な作業なので、時間を割いて丁寧にしなければなりません。

こうして自身の身に起きた様々な出来事から自分の持つ価値観や行動特性を知り、自分の強みを発見することができるのです。

未来の視点

過去の経験を深掘ることも大事ですが、将来なりたい自分の姿をイメージしなければ、自分に合った企業選びはできません。

そこでもう一つの重要な視点が、未来の視点です。

未来の視点は自己分析に一定の方向性を作り、企業選びの軸にもなるので、自己分析では未来の視点も持つ必要もあります。

自己分析の目的

「みんながやってるから、とりあえずやっておこう」と思って自己分析を始める就活生も多くいます。

しかし、そもそもなぜ自己分析をしなければいけないか、きちんと理解できているでしょうか?

目的を意識しないと自己分析自体が目的化してしまい、いくら一生懸命自己分析をやってもそれを就活に活かすことはできません。

そして自己分析の失敗は、就活全体が失敗してしまう要因にもなるので、自己分析は就活においてとても重要なのです。

そこでまずは自己分析の目的について解説するので、自己分析を始める前にここで紹介することをきちんと抑えておきましょう。

自分の強みを明確にする

自己分析とは、先ほど説明した通り過去に体験した出来事から「あなたが何を思いその結果どんな行動をとったのか」を振り返り、強みを発見するものです。

自己分析をしっかりしていれば「わたしの強みは〇〇です」と明確にアピールすることができます。

そのため、ES(エントリーシート)や面接でも効果的に自分を売り込むことができるのです。

もしかしたら「そんなことしなくても、自分のことなんて自分が一番わかってるよ」と思うかもしれません。

では「あなたの一番の強みと、それが強みとわかるようなエピソードを一つ教えて下さい」という質問に対し、あなたは即答できるでしょうか。

おそらくきちんと自己分析していなければ、この質問に即答できないはずです。

なんとなくわかっていても、それを明確に言葉にするのは難しいもの。

そして、明確に言葉にできなければ人には伝わらないので、面接でうまくアピールすることもできません。

だからこそきちんと自己分析をして、あなた自身の強みを明確にする必要があるのです。

企業選びの軸をみつける

自己分析では、自分が将来なりたい姿をイメージして「理想を実現するためにどういう企業を選ぶか」を考えることになります。

そのため、自己分析をすることで自分のやりたい仕事が明確になり、企業選びの軸ができるのです。

企業選びの軸ができれば、自分が働きたいのはどんな仕事なのかという迷いが少なくなります。

また志望動機が明確になるので、面接で熱意を伝えやすくなるというのも自己分析の効果の一つといえるでしょう。

このように、自己分析によって企業選びの軸をみつければ、間違った企業の選択を防ぐと同時に面接での高評価にもつながるのです。

自己分析を始める時期

自己分析をしなければならないとわかっていても、いつ頃から始めるべきか悩んでいる人も多いのでないでしょうか。

そこで、自己分析をいつ頃から始めるべきかについて説明します。

自己分析は今すぐにでも始めるべき

自己分析をいつから始めるべきかという質問の答えは、「今すぐ」ということになります。

なぜなら、自己分析はやろう思えばすぐに始めることができるので、早いに越したことはないからです。

自己分析はESのように添削が必須ではないし、面接のように練習に付き合ってくれる相手も必要ありません。

そのため、思い立ったらインターネットで自己分析のやり方を調べたり就活本を買ったりして、すぐにでも始めるべきなのです。

遅くともエントリーが本格化する2月頃までにはやろう

すぐにやったほうが良いとはいえ、サークル・バイト・定期試験など、大学生も色々忙しいですよね。

そんな「すぐに始めることはできない」という人でも、選考が本格化する4年生の2月頃までには自己分析をしておくべきです。

2月頃にエントリーが開始してからは、企業研究やエントリーシートの作成に多くの時間を取られます。

そして選考が進んでくればグループディスカッションに面接と、準備しなければならないことはどんどん増えていくのです。

そのため、ゆっくり自己分析できるのはエントリー前の短い期間に限られます。

ですから、エントリーが本格化する2月頃までには自己分析をしておかなければなりません。

自己分析は何度も繰り返して精度を上げる

自己分析を早いうちにやっておいたとしても、就活の中で企業研究をしたり就活仲間やOBと話しているうちに、考えの変化が起きます。

そこで改めて自己分析をすると結果が変わることがあるので、自己分析を何度も見直し精度をあげましょう。

自己分析は一度やれば終わりというものではありません。

就活の中で何度も繰り返し更新していくことで、より就活に役立つ自己分析ができるのです。

自己分析を就活の1番初めにすべき理由

自己分析は早いうちにやっておくべきであるのは確かですが、それだけでなく「就活の1番初めにやるべき」でもあります。

なぜなら、「自己分析は就活全体の土台になる」からです。

まず、自己分析により自分のなりたい姿とそれを実現できる仕事が明確になります。

そのため「なぜその仕事をしたいか」という志望動機を考える基礎になるのです。

また自己PRにおいても、自己分析でみつけたあなたの強みをが深く関係します。

そして、きちんと過去の経験から深堀りして強みをみつけていれば、それをどう仕事に活かすかということまで明確になるでしょう。

このように、自己分析は就活で考えなければいけないあらゆる重要項目の土台になるのです。

自己分析を就活の最初にしておけば、軸がぶれることなく一貫性のあるアピールができます

だからこそ、自己分析はやはり就活土台として一番最初にやっておくべきなのです。

自己分析をする3つのメリット

目的意識をもって正しい自己分析ができれば、就活を進めていく上で大きなメリットになります。

ここでは、そんな自己分析のメリットを3つ紹介するので参考にしてください

企業選びで失敗しない

自己分析によって企業選びの軸ができていると、自分に合った仕事を正確に選ぶことができ、企業選びで失敗するリスクを減らせます。

例えば、きちんと自己分析をせずになんとなく「テクノロジーの時代だからIT企業を受けよう!」と考えたとします。

しかしあなた自身に社会貢献的な志向性があり、公益性の高い仕事が向いていれば、NPO法人などの方が理想に近い仕事かもしれません。

それなのに安易にIT企業を選んでしまえば、内定をもらっても「こんなはずじゃなかった…」となり、すぐに辞めてしまうこともあり得ます。

企業選びでこういった失敗をすることがないよう、自己分析はきちんとして自分の仕事選びの軸を明確にしましょう。

そうすることで、あなたが本当にやりたいことを実現できる企業を選べるのです。

ESや面接で高評価を得られる

自己分析によって自分の強みが明確になっていれば、ESや面接の内容も明確で説得力が出るので高評価を得られるようになります。

例えば自己PRを書く場合、単に「わたしの強みは決断力です」というだけでは「本当に決断力があるのかな?」と思われてしまうかもしれません。

そこで、自己分析を活かして上記の自己PRに「なぜなら学生時代こういう経験をして…」というようなエピソードを交えてみましょう。

こうした実体験に基づき自分の能力をアピールできた方が、自己PRに説得力がありますよね。

また、自己分析できちんと就活の軸ができると、面接でもうまく相手にアピールできます。

なぜなら、自己分析で自身の強みや志向性をしっかり言語化していれば、面接でもそのことをスムーズに伝えられるからです。

このように、過去の経験を振り返って自分の強みや志向性を言語化しておけば、ESや面接での高評価につながるのです。

選考全体で一貫性をもったアピールができる

自己分析は就活全体の土台になるため、選考全体におけるアピールに一貫性を持たせることができるというのもメリットの一つです。

自己PR・志望動機・ガクチカ(学生時代に力を入れた経験)など、それぞれ個別に考えていくとまとまりがなくなります。

そうすると、採用担当者の印象にも残りにくい内容になってしまうこともあり得るのでしょう。

しかし、きちんと自己分析をしていればそれが土台になってアピールでき、内容に一貫性を持たせることで信頼性が生まれます。

信頼性のあるアピールができれば、企業の採用担当者からの印象も良くなりますね。

自己分析は、一貫性のある印象の良いアピールにもつながるのです。

自己分析をするときの注意点3つ

自己分析は大事な作業ですが、やり方を間違えると上手くいかないことがあります。

ここでは自己分析をするときの注意点を3つ紹介するので、自己分析をするときはこのことも忘れないようにしてください。

自己分析は一度やって終わりではない

自己分析には終わりがなく、就活中に多くの社会人や就活生に会うことで、自分の考えはどんどん変わっていくものです

そのためはじめに考えた自己分析が完璧にできているということはまずありません。

途中で分析内容に漏れがあることに気づいたり、きちんと深堀りできていないということが見えてきたりします。

就活を進めていくうちに自分の考え方や志向性も変わっていくので、自己分析は就活の中で何度もやり直すようにしましょう。

自己分析をやり過ぎない

自己分析を一度きりにするのは良くありませんが、やりすぎも逆効果なので注意が必要です。

自己分析の手法は調べるといろいろ出てくるので、「いくつか試しておこう」と思いがち。

しかしあまりたくさんやるのは時間が掛かってしまうし、色々なものに手を出すとかえって軸がぶれる危険性もあります。

自己分析は確かに大事ですが、内定を勝ち取るためにはES対策や面接対策も同じくらい重要性が高いです。

そのため、自己分析をやり過ぎて他のことを疎かにしないよう気を付けましょう。

自己分析をする目的を見失わない

自己分析は、あくまで就活のためにやっているということを忘れてはいけません。

自己分析を突き詰めていくと、「自分とは何なのか?」「人生の目的は…」など難しい話になってくるので、深入りは禁物です。

就活では自分の強みや向いている仕事、そして志望動機や強みの活かし方などがわかれば良く、そこまで深い自己分析は必要ありません。

あまり手を出し過ぎるとわけがわからなくなってしまい、やはり軸がぶれる要因になります。

目的を見失わず、自己分析そのものを目的化しないよう注意してください。

自己分析は就活の第一歩

自己分析は思い立ったらすぐにできるので、とにかく始められる時に始めたいですね。

そして、自己分析を始めるときは今回紹介した目的を忘れずに、正しく効果的なやり方を意識してください。

自己分析は就活の第一歩です。就活は色々不安になることが多いですが、まずはできることから始めていきましょう

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