はじめに
皆さんはメーカー業界と聞くとどのような業種をイメージするでしょうか?
メーカー業界は製品製造を行う業界です。
私たちの身の回りにある多種多様な製品を扱うメーカー業界はその製品によっても企業の特色が変わってきます。
ただ、メーカーといっても多くの業種や製品があるでしょう。
そのため、メーカー業界を目指す場合はその製品によっても業界研究の方針が変わってくるのです。
そこで本記事ではメーカー業界の仕事内容や業界の動向、向いている学生の特徴などを紹介していきます。
業界研究をする前に
メーカー業界の業界研究を始める前に業界研究の目的を理解することが重要です。
まずは本章で業界研究の目的を確認しましょう。
業界研究の主な目的は、志望している業界が自分に合う業界かを見極めて就職後にミスマッチを防ぐことです。
ただ単に業界の知識を集めるだけでは自分に合う業界かを見極めることは難しくなります。
そのため、業界研究を行う目的を意識して業界研究することが大切です。
しかし、業界研究を初めて行う人にとってはやり方が分からなかったり正しく行えているか不安になったりすることもあるかと思います。
本サイトでは業界研究のやり方について以下のような記事を出しているので、ぜひ参考にしてみてください。
メーカー業界とは
メーカー業界とは私たちの身の回りにある様々な製品の素材から加工までにわたる製品製造を主に行う業界です。
そこでこちらではメーカー業界の概要や基礎知識、売上高ランキングを紹介していきます。
メーカー業界の概要
メーカー業界はあらゆる製品の製造を行う業界で製造業界とも言われています。
製品のジャンルごとにメーカー企業が存在しているのです。
そのため、メーカー業界といっても一枚岩ではなく様々な種類の製品によって分類することができます。
メーカーの種類としては、例えば食料品メーカーやアパレルメーカー・電気機器メーカー・自動車メーカーなどと様々です。
日本のモノづくりを支える業界として関連する企業はとても多く、志望する場合はどの製品の企業にするか決めることが重要でしょう。
メーカー業界の基礎知識
メーカー業界のビジネスモデルとして上図のような製品製造工程があげられます。
素材メーカー(上流工程)
素材メーカーは製品製造工程の上流工程に位置する原材料から製品のための素材を製造するメーカーです。
メーカーの種類としては化学メーカーや鉄鋼メーカーが当てはまり、化学素材や樹脂・ゴム・鉄鋼・非鉄金属などを製造しています。
基本的に素材メーカーは部品メーカーや加工メーカーなど企業向けの素材販売が主のBtoB型が多いです。
部品メーカー(中流工程)
部品メーカーは素材メーカーが製造した素材を加工して製品の部品を作製するメーカーです。
金属部品や電子部品・車の各種部品などの製品の部品となるものを製作します。
部品メーカーも素材メーカーと同様に、作製した部品を加工メーカーに販売するためBtoB型が多いです。
また、部品メーカーは技術力が求められる場合が非常に多く、大企業の製品製造における根幹を担う部品も多く作られています。
加工メーカー(下流工程)
加工メーカーは購入した素材や部品を加工し組み立てることで一般の消費者が購入するような製品を作製するメーカーです。
自動車メーカーや食品メーカーなど多くの消費者に届けられる製品を作る会社の多くが加工メーカとなります。
加工メーカーで作製された製品は消費者である個人や企業に販売されるため、製品によってBtoB型・BtoC型となる場合が多いです。
総合メーカー
総合メーカーは製品製造の全過程を自社で行うメーカーです。
総合メーカーとしては自社で全工程を行うため大手の医薬品メーカーや化学メーカーなどが挙げられます。
自社内で素材加工や部品製作を行うため企業をまたがない分コストも少なくできるのです。
メーカー業界の平均年収ランキング
こちらではメーカー業界のメーカー別平均年収ランキングを見ていきます。
メーカー業界は様々な製品ごとに分類されており、その製品のメーカーによって平均年収も変わってくるのです。
メーカー業界の中でも平均年収が高いとされているのが鉱業メーカーで平均年収は799万円となります。
メーカー業界に興味がある方で、どの製品のメーカー企業にしようか悩んでいる場合はこちらの平均年収ランキングも参考にしてみてください。
メーカー業界の現状と今後の動向
こちらではメーカー業界の現状と今後の動向について紹介していきます。
現状
メーカー業界の現状として以下の課題があるとされています。
- 人材不足
- 国内マーケットの縮小
- 製造業のIT化の遅れ
上記で挙げたメーカー業界の現状の課題についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
人材不足
人材不足はメーカー業界の課題の1つです。
特にモノづくりを行うメーカー業界はモノづくりの技術を担う人材の不足が問題視されており、技術継承が難しくなってきています。
日本のモノづくりの技術力は高いことで有名です。
その技術がなくなってしまわないための人材確保が多くのメーカーの課題となっているでしょう。
特に部品メーカーなどが持つ技術力は大企業の製品加工になくてはならない存在であるため、技術を守ることがとても重要となります。
国内マーケットの縮小
人口減少に伴い、国内マーケットの縮小がされていることも課題の1つです。
人口減少で国内の製品需要が低くなってきており、国外向けの新たなビジネスモデルを作ることが多くのメーカーで求められています。
これまで国内の業者向けに部品や素材を卸してきた中小企業は特に新たな顧客獲得のために動く必要が出てきているのです。
製造工程IT化の遅れ
製造工程のIT化の遅れもメーカー業界の課題の1つです。
日本はモノづくりが強いと言われています。
人の手による技術力に対する自負が強く、機械化せずに手作業で製造を行っている会社も少なくありません。
確かに手作業でないとできない特別な製品があることも事実でしょう。
しかし、人材不足の中で少しでも作業を効率化するためにもITはとても重要なのです。
ITを取り入れることで製造の効率化や品質の向上が図れるため、日本のモノづくりも今後は従来の技術力とITの共存が求められています。
今後の動向
メーカー業界の今後の動向として以下の動きが予測されます。
- モノづくりにさらなる付加価値が必要になる
- 製造業のグローバル化
- 新規事業の推進
それぞれの詳細について以下で紹介しているので見ていきましょう。
モノづくりにさらなる付加価値が必要になる
モノづくりに付加価値が求められることが今後の動向の1つです。
昨今では製品開発の技術が進み、開発のスピードが上がっています。
そのため、新製品を出しても新規性が失われやすくなっているのです。
また、新製品の登場のサイクルも短くなりつつあり、他の商品との違いとして商品そのもの以外の付加価値が求められてくるでしょう。
商品に対するサービスやブランド性を持たせるなど他の商品との違いを持たせる企業が増えてきています。
製造業のグローバル化
製造業のグローバル化も昨今のメーカー業界の動向の1つです。
生産における人件費のコスト削減や素材がとれる国に工場を置くことで運送コストを削減する目的があります。
また、国内マーケットの縮小で海外向けの製品にも乗り出しているメーカーが多くなってきているのです。
そのため、製造業のグローバル化が今後どんどん進むとされています。
新規事業の推進
新規事業の推進もメーカー業界の今後の動向の1つです。
これまでメーカー業界は製品を売って終わりでしたが、昨今では販売後に継続的にサービスを提供して収益を得る仕組みが求められています。
例えば、製品にハードウェアを追加してインターネットにつなげられるようにすることが挙げられますね。
この仕組みにより、継続的なサービスの提供を可能としているのです。
現状、製品のハードウェア化をしている分野はまだ少ないですが今後も増えていくとされるでしょう。
メーカー業界の仕事内容
こちらではメーカー業界の仕事内容について紹介していきます。
営業
営業は自社の商品を売り込むことが仕事です。
素材メーカーや加工メーカーの場合は製品を加工する企業への売り込みが主な営業となります。
加工メーカーは製品を販売してくれる企業向けに製品の提案や販売の営業を行うため、基本的に企業向けの営業のみとなるでしょう。
資材調達
資材調達は製品作製に必須の素材を国内外で買い付けて調達する仕事です。
この資材調達では従来の調達ルートとのやり取りを行ったり、新製品開発にあたる新素材の調達のための独自ルートを作ったりします。
資材調達ではいかに資材調達のコストを抑えることができるのかが重要です。
生産管理
生産管理は生産計画に則って生産ラインや製造量を管理する仕事です。
生産管理において生産スピードを向上させるために、現状の生産ラインからどのようにして効率を上げられるかなどを考えます。
また、製品の品質の管理もこの生産管理で行うためメーカー業界にとっても重要な役職の1つです。
商品企画
商品企画は既存の商品の改良や新商品を企画する仕事です。
商品の企画の際には市場動向の調査や分析を行い商品の試作品などを作ることもします。
企業によっては商品企画だけでなくマーケティング企画まで行う場合もあり、やりがいも多く花形とも言われている役職の1つです。
開発
開発は製品製作のための技術開発や商品企画をもとにした商品開発を行う仕事です。
技術開発に関しては素材加工や部品開発の技術などが挙げられ、場合によっては自分の研究した技術が特許を取る可能性もあります。
開発では製品を形にするための役職でもあるためやりがいも大きく、会社に与える貢献度も高いです。
製造
製造では商品企画や開発されたものを基に工場の生産ラインで製品を製造する仕事です。
この製造では生産管理部門と連携して製品製造効率を高めるためにも働きます。
技術者として製造現場で製造を行う仕事となるため、直接モノづくりに関わることができるでしょう。
広報
広報は企業や製品の宣伝を行うための活動を行う仕事です。
一般の消費者向けのイメージアップ戦略や、商品を企業に売り込むための製品PR活動を行います。
商品宣伝のためにSNSやインターネットの分析を行い戦略を練る役割を担うでしょう。
メーカー業界に向いている学生
最後にメーカー業界に向いている学生について紹介していきます。
淡々と物事を進めることができること
淡々と物事を進めることができることは向いている学生の特徴の1つです。
製造現場では製造作業など細かくこつこつとした精密な作業が多くあります。
多くの作業を行う上でもしっかりとタスクを設定して1つずつ着実にこなしていくことが重要です。
また、製造業界は新製品のサイクルが早いため商品開発にも効率が求められます。
メーカー業界はやるべきことも多いため、淡々と物事を進めることができることが向いている素質と言えるでしょう。
好奇心があること
好奇心があることも向いている学生の特徴の1つです。
メーカー業界の早い開発サイクルを回していくためにも、新製品開発のたびに様々なアイデアが求められます。
そのため、世の中のトレンドや最新技術について興味関心を持っていると新製品開発に大きく役立てることができるでしょう。
モノづくりを生業にする場合はどんな役職であれ好奇心を持つことはとても重要な考え方と言えます。
クリエイティブな思考力があること
クリエイティブ思考力があることも向いている学生の特徴の1つです。
特に商品企画や開発において役に立つ特徴と言えます。
商品企画や開発の仕事をしていると、商品の機能性やデザインについて考える場面に多く出くわすでしょう。
そんな時クリエイティブな思考力があると、今までになかったようなアイデアにたどり着くこともできるはずです。
モノづくりにおいてとても重要な素質でしょう。
まとめ
本記事ではメーカー業界について網羅的に紹介してきました。
メーカー業界は日本のモノづくりを支える業界として様々なメーカーが存在しています。
そのため、メーカー業界といっても一概にひとまとめにできず、製品の種類ごとにメーカーも分かれてくるのです。
昨今ではIT化に伴う業務の効率化が目指されており、メーカー業界も例外ではありません。
モノづくりを支えてきた技術力とITが組み合わさって今後もどんどん進化していく業界と言えるでしょう。
自身が手掛けた商品が社会に流通する可能性があるため、やりがいも十分にあります。
メーカー業界を目指す場合はぜひ自分の興味のある製品のメーカーを調査してみてください。
本サイトではメーカー業界以外の業界研究もしてみたいという方向けに様々な業界研究に役立つ記事を紹介しています。
本記事を通してメーカー業界に興味・関心を持った方はぜひメーカー業界を視野に入れた就職活動に取り組んでみてください。
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