はじめに
今現在日本各地に多くの映画館がありこの記事を読む就活生の皆さんの中にも一度は劇場に足を運んで映画を見た経験があると思います。
そこで見た映画に感銘を受けて「自分も映画を作成したい」、「映画に携わる仕事をしてみたい」と思う人は少なくありません。
こちらの記事では、映画業界の基礎や今後の動向、詳細な仕事内容から映画業界に向いている学生まで紹介していきます。
「映画が好きで映画業界に興味があるけど具体的にどんな仕事なのだろう?」と考えている就活生さんはぜひ本記事を参考にしてみてください。
業界研究をする前に
映画業界の解説の前に、まずはなぜ業界研究を行うのかを考えることが大切です。
業界研究を怠れば憧れによって志望する人が多い映画業界は、入口が憧れゆえに入社後にイメージが違ったなどと後悔する危険性もあります。
業界の知識だけでは自分にあった業界なのかは判断が難しく、そのため自分に合う業界かを考えたうえで研究することが重要になるのです。
そこで本記事を読む際には、入社後に合わなかったと後悔しないためにも自分に合う業界、仕事内容かを意識して研究していきましょう。
ただいざ業界研究を行うといっても初めてでやり方がわからない、これでいいのか不安な人は少なくありません。
その場合はこちらの記事で業界研究の基本的なやり方を学んでから業界研究を行うことをおすすめします。
映画業界とは
映画業界は日本の大衆娯楽として約100年の歴史を持つ業界です。
歴史もあり多くの国民に浸透している映画業界は人気なのですが詳細な仕事内容について理解している人は多くないでしょう。
そこで映画業界とはどのような業界なのかその概要や基礎知識、売上高ランキング等を紹介していきます。
映画業界の概要
映画業界は大きく分けて以下の3部門で構成されています。
各部門の役割を理解して映画業界全体の流れを理解しましょう。
1.制作会社
制作会社は映画業界における映画の制作を担う会社です。
制作会社には大きく分けて、実写の映画を作成する制作会社、アニメを作成するアニメ制作会社があります。
制作会社を企画から制作まで行うため制作会社の中でも多くの職種が存在するため自分が映画制作の何に携わりたいのかイメージを持つことが大切です。
2.配給会社
配給会社は、映画の上映権を買い付けてそれを興行会社へ販売、またその映画を多くの人に届けるための宣伝によるプロモーションが主な仕事になります。
映画配給会社は日本で制作された映画だけでなく洋画の上映権を購入するため語学力が求められることが多いです。
映画業界において配給会社は映画を製作側から興行側へとつなげるとても重要な会社として存在しています。
そのため学歴としては大卒以上が必要で、大手の場合は倍率も高く難関大出身が多く活躍していますが特別有利になる学部はないです。
大手配給会社は、配給だけでなく制作、興行と映画業界の業種のすべてを行う会社があります。
3.興行会社(映画館)
興行会社は配給会社から購入した映画を上映する映画館の運営が仕事になります。
興行会社(映画館)は規模や経営のスタイルが多様にあるため興行会社について調べる際は各社の規模感などに注目してみてみると良いです。
上記に挙げた3部門の他にも映画製作に関われる業種として、CG制作会社、美術制作会社、芸能事務所などが挙げられます。
映画制作にこだわりたい場合は今あげた業種もチェックしておくと良いでしょう。
映画業界の基礎知識
ここでは映画業界の基礎知識として業界のビジネスモデルや収益の種類について紹介いたします。
1.興行収入
興行収入は1つの映画に対して来場者が支払ったお金の合計金額になります。
この興行収入が1映画に対する映画業界全体の売上にあたるため、これを制作、配給、興行会社で分けたものが利益となるのです。
映画業界の収益の中でもメディアが主に取り上げるのがこの興行収入で昨今では「鬼滅の刃」の映画が興行収入で歴代1位を取ったとして話題になりました。
2.配給収入
配給収入は、興行会社(映画館)が配給会社へと支払う収益のことです。
配給収入は会社によって変わってきますが興行収入の4~6割の金額といわれています。
3.制作委員会の収入
制作委員会の収入は興行収入から興行会社、配給会社が差し引いた額のことです。
この収入がどれだけ制作費を上回っていたかによってその映画が赤字になるか黒字になるかが決まります。
映画業界の売上高ランキング
こちらでは映画業界の売上高ランキングについてみていきましょう。
映画業界の売上高ランキングを見てみると売上高の多くが上位3社で占められています。
これは上位3社は映画の制作から配給、興行まで自社で行うことが出来ることが大きな要因です。
特に東宝や東映の映画館は全国的には劇場数が多いためそれだけ多くの来場者を動員できるので売上高を圧倒しています。
映画業界の現状と今後の動向
業界研究では自分に合う仕事なのか考える他にその業界が現状どうなっているのか、今後どう展開していくかを分析することも重要です。
特に映画業界は昨今のコロナによる影響を強く受けている業界の一つとされています。
映画業界の現状と今後の動向についてこちらで理解して業界研究に役立てましょう。
現状
現状映画業界は昨今のコロナによる影響で売上が大きく下がっています。
特に緊急事態宣言の影響で映画館への来場者が大幅に激減してしまったのです。
それだけでなくコロナ対策として席を空けて座る影響で一つの劇場に入るキャパシティーも少なくなっていることがさらなる打撃となっています。
これらが重なり2020年の映画業界の興行収入は1,432億8,500万円と2019年の半分ほどしかありませんでした。
コロナの影響はこれだけでなく、感染による映画製作の延期、中止なども大きな影響の一つとされます。
今後の動向
映画業界はコロナの影響だけでなく昨今はスマホの普及や動画配信サービスの台頭によって映画を見に行く人が少なくなっている傾向にあるのです。
そんな中で映画業界が今後再興するためにもどのような観点が大切なのかを見ていきます。
1.新たな興行スタイルの確立
映画業界の再興のためにも今後新しい興行スタイルを確立することが大切です。
映画業界はこれまで制作された映画を映画館で見ることで得る興行収入で成り立ってきました。
しかし昨今のコロナ禍の影響で大打撃を受けコロナが続く限り今のビジネススタイルだけでは映画業界の衰退も時間の問題とされています。
だからこそ映画業界の従来の興行スタイルを見直すことが必要なのです。
2.コロナに寄り添った経営
コロナが収束する見込みは薄く、今後もコロナ禍の状況で経営していくしかありません。
そのため制作、配給、興行において徹底したコロナ対策が重要になってきます。
制作において誰かが感染することはそれだけで制作の延期、中止につながるため本番撮影以外での徹底した感染予防が求められているのです。
映画業界の仕事内容
映画業界の業界研究をする際に、具体的な仕事内容について理解しておくことはとても重要です。
こちらでは制作会社、配給会社、興行会社に分けてその仕事内容と職種について紹介していきます。
制作会社の仕事内容
制作会社では主に以下のような仕事があります。
映画監督
映画監督は映画撮影における全決定権と責任を持つ立場の職業です。
脚本家との打ち合わせや、俳優への演技指導等映画に関わる多くの指示を行います。
映画監督になるためには下積みを経て、助監督から監督になることや、フリーで映画を作成したり、映像制作の実績を積んだりすることが必要です。
プロデューサー
プロデューサーは映画製作プロジェクトのトップとなります。
仕事として、作品の企画や資金の調達、主要スタッフの選定、製作工程全般の管理とプロデューサーの仕事は多岐にわたるのです。
こちらの職も入社してなれるわけでなく経験と実績を積むことでなることが出来るしごとになります。
ただプロデューサーは映画制作のすべてに関わることのできる重要な仕事のためやりがいは大きいです。
制作スタッフ
制作スタッフは主にカメラや音声、照明の仕事となり作品の雰囲気を演出する重要な役割となっております。
主に映像関連の専門学校からの就職が主となるため、映画制作スタッフになりたい場合は制作の技術が必須です。
配給会社の仕事内容
配給会社では主に以下のような仕事があります。
映画の買い付け
映画の買い付けとは、映画制作会社で作成された映画の上映権やテレビ放映権、DVDなどパッケージにする権利を購入することです。
映画業界の流通を握る業務のため映画業界において重要な仕事になります。
そのため、売れると思われる映画作品を発見するセンスが問われる仕事です。
映画の宣伝
映画の宣伝では多くの人に映画を知ってもらい、映画館に足を運んでもらうためにPR活動を行います。
ポスターや予告CMを作成したり、出演俳優による舞台挨拶の設営、主題歌をタイアップしたりすること等方法は様々です。
宣伝方法はアイデア次第になるため映画の宣伝の仕事は発想力も重要になります。
映画の営業
映画の営業では買い付けた映画を興行会社に卸すことです。
映画館は全国規模のものからミニシアターまであり、映画の営業でどの映画館で上映するかを決定して交渉するまでが仕事になります。
興行収入を増やすためにも多くの映画館で上映されることが重要になるため、地道に営業していくことが大切です。
興行会社の仕事内容
興行会社では主に以下のような仕事があります。
映画館の運営
興行会社は映画館を運営することが主な仕事です。
映画館の運営として清掃やチケット係、売店の運営等があります。
運営業務が主体のためバイトの求人募集も多く行われているので映画業界の中で仕事がしやすい業種です。
映画業界に向いている学生
最後に、映画業界に向いている学生について紹介していきます。
映画業界に向いている学生の特徴として以下のものがあげられます。
①映画が大好きなこと
まず大前提として、映画業界は映画が大好きでないと良い映画を来場客に提供することが出来ません。
制作会社においても好きだからこそより良い作品を作ろうと多くのアイデアが生まれるのです。
また特に配給会社は、映画の買い付けでその映画に魅力を感じないと来場客に喜ばれる映画も選べません。
なので映画が大好きという気持ちがあることが最も重要な特徴といえるでしょう。
②企画力があること
映画業界では企画力があることはとても重要です。
映画制作において、売れる映画を作るために世間が求めているものを分析して企画する必要があります。
配給会社は制作された映画を世間の人に興味をもってもらえる宣伝方法が大切です。
このように映画業界のどの側面をとっても企画力があることはとても重要になってきます。
③コミュニケーション能力があること
映画業界のビジネスモデルである「制作・配給・興行」にはとても多くの人が関わってきます。
制作では現場でのコミュニケーションが必須です。
配給に関しては制作された映画の上映権を買い付けて、それを興行会社に販売する際に交渉の場が必ず設けられます。
そのため相手との関係性をよくすることがこの映画業界ではとても重要です。
円滑に映画制作を進めるうえで重要になってくるのでコミュニケーション能力が高いことも向いている学生の特徴といえるでしょう。
④海外経験が豊富でグローバルな視点があること
映画業界の中でも配給会社は国内だけでなく国外の映画祭に参加して国外の映画の上映権を買い付けます。
また反対に日本の映画を海外へ輸出することもあるため海外でグローバルな視点で映画を選定できることが重要なのです。
そのため留学などの海外経験が豊富なことは映画業界でも強みになります。
まとめ
映画業界について紹介してきました。
映画業界は現在、コロナによる興行収入の減収によって大打撃を受けております。
そんな現状を打開すべく多くの映画業界関連の企業は配信サービスを始めたり、より徹底した感染予防対策をしたりと動いているのです。
映画業界はこれまでのビジネススタイルを見直し、コロナ禍の現状に即したスタイルが求められるなどの大きな転換点を迎えているといえるでしょう。
本記事で映画業界に興味を持った人や、多くの人に魅力的な映画を届けたいと考えた人はぜひ映画業界を視野に入れた就職活動に取り組んでみてください。
既に志望している業界が決まっているとしても、自分の志望している業界以外のものと比較することでもより深い業界研究が出来るのです。
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業界研究を通して、自分の進みたい道を確立し本記事を見てくださった皆様が納得のいく仕事に出会えることを願っております。
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