はじめに
コンサルティング企業は一般的に高年収で知られます。
モノを製造する原価がなく人の知恵とノウハウだけが資産なので人に対する投資が最も重要であるからですね。
コンサルティング業界を代表する1社であるアクセンチュアの給与はどうなっているのでしょうか。
初任給やポジション別の年収、福利厚生など待遇面について見ていきましょう。
目次
アクセンチュアで年収1,000万円もらえるのか
多くの人が意識をするのは年収1,000万円という節目ではないでしょうか。
実際にアクセンチュアで年収1,000万円もらえるのか、それは限られた人しかもらえないのか、多くの人がもらえるのかなど見ていきましょう。
年収1,000万は労働者全体で5%しかいない
統計によると年収1,000万円稼ぐ人は全体の5%しかいないとのことです。
これは全年齢で見た時の数字ですので20~30代で年収1,000万に到達するのは、より限られた人でしょう。
いわゆる高収入であると言える層です。
ちなみに男性は8%、女性だと1%となっていますので、特に女性で年収1,000万円もらう人は非常に少ないと言えます。
多くの社員が30歳で1,000万円で到達している
アクセンチュアではもちろん活躍度合いによりますが、多くの社員の方が30代で1,000万円を超えていると言われます。
若いうちから活躍できるのがコンサルティング業界、そして外資系の特徴です。
一般的な高年収である1,000万円に多くの方が30代で到達できる会社は日本でも数少ないでしょう。
昇格すれば2,000万円超もありうる
マネジング・ディレクターというポジションにまでなると、年収2,000万円を超える人もいると言われています。
2,000万円を超えるのは労働者全体の0.6%のみということで非常に高い給与水準であると言えるでしょう。
やはりコンサルティング業界を代表するアクセンチュアですので、優秀な人材を惹きつけるために高い処遇を用意していますね。
アクセンチュアの給料制度の特徴
ここからはアクセンチュアの給与制度の特徴について見ていきましょう。
年棒制
まずアクセンチュアは年棒制です。
プロ野球選手などが年棒いくら、というニュースを見たことがあるのではないでしょうか。
その人の実力に応じて年収が決まるというものですね。
なので基本的に賞与・ボーナスというのものはあまりありません。
大変なプロジェクトで活躍するなどがあった際に付与されるものです。
基本的には年棒を12等分した金額が月給として振り込まれます。
up or elsewhere
多くの外資系でよく言われるのが「up or out」という仕組みです。
昇格するか退職するかという厳しい外資の文化を反映したものと言われます。
アクセンチュアは会社の規模も大きく、部署も多岐にわたることから「up or elsewhere」という昇格か異動かということを言われるようです。
他の外資だと専門職の集まりになるので、その職業で活躍できなければ外に活躍の場を求めるしかありません。
アクセンチュアのように業務が多岐にわたると社会でより活躍できるポジションを探すことができます。
外資らしくないかもしれませんが、長く働きたい人にとっては良い環境と言えるでしょう。
実力次第で給与差は大きい
コンサルティング業界全般そうなのですが、人の力量によって大きく成果に差が出ます。
よって実力や成果次第で大きく昇進昇格のスピードに差がつき給与差がつきやすいのが特徴です。
実力主義の方にとっては成果を出した分だけ認めてもらえるので心地の良い環境と言えるでしょう。
コンサルティング業界は他のコンサルティング会社に行っても通用するスキルが身につきます。
実力のある人を社内にとどめるためには相応の評価と報酬が必要になるのですね。
退職金がない、はウソ
よく外資系の会社は退職金がないと言われますが、実際には確定拠出年金という形で会社が拠出をしてくれていてこれが実質退職金となっています。
給与の5%を毎年会社が拠出をしてくれるので、年収が1,000万であれば毎年50万円の退職金が積みあがっていくでしょう。
色々な情報がありますので気を付けてください。
アクセンチュアの初任給はどれくらい?
アクセンチュアの初任給はどれくらいでしょうか。
会社ホームページに記載がありますので見ておきましょう。
職種別初任給
アクセンチュアでは募集時に様々な職種毎の採用を行っています。
職種によって初任給が若干変わりますので気を付けてください。
職種 | 初任給 |
データサイエンティスト | 480万円 |
アナリティクス・コンサルタント | 455万円 |
ビジネスコンサルタント | 430万円 |
デジタルコンサルタント | 430万円 |
ソリューション・エンジニア | 430万円 |
クリエイティブ/デザインコンテンツデザイン | 430万円 |
データサイエンスなど、市場価値の高い職種については他の職種よりも高い給与が設定されています。
地域別の初任給
アクセンチュアは様々な地域に支社を持っています。
都心部と地方では家賃が違うなど物価が全然違いますよね。
この物価を調整して実質的な賃金をそろえるために、地方で採用する社員に対しては都心部の社員よりも若干低い給与設定になります。
日本企業ではあまりないのですが、合理的な価値基準を持つ外資ではこのような仕組みなのです。
札幌会津若松は380万円、福岡・熊本は390万円になっています。
地方はビジネスコンサルタントとソリューション・エンジニアしか採用がないので注意しましょう。
日系大手に比べても高い
例えばサントリーホールディングスだと初任給は23万円、ボーナスが5か月分ついたとしても391万円程度ですね。
三菱UFJ銀行は20.5万円なので、ボーナス5か月分を含めても348万円です。
三菱商事は25.5万円、ボーナス5か月相当で430万円と、ほぼ同じというのが初任給のレベル感となります。
日系大手と比べると高く日系のトップクラスの企業と同等程度と考えられるでしょう。
アクセンチュアのポジションと年収
アクセンチュアで昇格していくとどれくらい給与がもらえるようになるのでしょうか。
ポジションと年収を見ていきましょう。
アナリスト
アナリストは新卒で入社した方やまだ1人前になるにはトレーニングが必要と考えられるポジションです。
年収は430~600万円くらいと言われます。
ほとんどの人が20代の方なので、給与水準はそこまで高くはありません。
入社後3~5年で次のステップに進むことを期待されます。
コンサルタント
コンサルタントは1人で様々な分析ができ、マネージャーの右腕としてプロジェクトを一緒に完遂する戦力として期待されるポジションです。
年収は600~900万円くらいであり、相応の水準になります。
20代後半から30代前半でこのポジションを卒業していくことが期待されるでしょう。
マネージャー
マネージャーは実際に顧客やプロジェクトを担当する責任者です。
アクセンチュアの顧客は基本的に大企業ばかりですので、それなりの立場の人間が責任者となる必要があります。
マネージャーになるとその資格を持てるようになるのです。
年収は900~1,200万円程度となり1,000万円の大台を超えていくでしょう。
また、30代でマネージャーになる人が多い傾向です。
冒頭の30代で年収1,000万円というのは、マネージャークラスの方が30代で多く構成されているということになります。
シニアマネージャー
シニアマネージャーは特に重要な顧客やプロジェクトを担当する上級職です。
年収水準は1,200万円~1,800万円と幅が大きく開きます。
プロジェクトの新規獲得や成功へ導く手腕など成果次第で大きく年収が変動することが特徴です。
マネジングディレクター
マネジングディレクターは企業の役員レベルの方となり、アクセンチュアの経営に近いポジションです。
年収水準も2,000万円を超えると言われており、非常に高い年棒を手にすることができます。
アクセンチュアの中でも誰もがなれるポジションではなく、非常に限られた実力者だけがこのポジションまで上り詰めることができるでしょう。
アクセンチュアと他社の年収水準の比較
高い年収水準であるアクセンチュアですが、コンサルティング業界の中でいくとどれくらいの年収水準なのでしょうか。
他のコンサルティング企業と比較をしてみましょう。
コンサル業界内での比較
他のコンサルティング企業と比較をすると平均年収の860万円はそこまで高い数字とは言えません。
マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループなど非常に年収の高い企業もあります。
一般的には高い給与水準ではありますが、コンサルティング業界には上には上がいるということですね。
平均年収が他コンサルよりも低い理由
アクセンチュアの平均給与が低い理由は、システムエンジニアが多く在籍しており給与水準はコンサルタントよりも若干落ちることが挙げられます。
エンジニア・SEの方々の給与水準は入社時点では同じでも、その後給与やポジションが上がりづらいのが特徴です。
全体としては他のコンサルティング企業よりも低くなってしまうということですね。
他業界でアクセンチュアと近い年収の企業
ちなみに、他企業でアクセンチュアと給与水準が近い企業を紹介しておきます。
三菱商事
まずは日系でトップクラスの人気を誇る三菱商事です。
初任給で見た通り同じくらいの初任給からスタートしていき、30代前後で年収1,000万円を超えるというのはほぼ同じようなカーブを描いています。
アクセンチュアの給与水準は総合商社と同等程度と考えておけばいいでしょう。
トヨタ自動車
トヨタ自動車は初任給はアクセンチュアや三菱商事には及びませんが、給与の上り幅が大きいのが特徴です。
30代前半ではまだアクセンチュアの方が高いかもしれません。
しかし、30代後半から40代になるとトヨタ自動車の管理職となり、高い年収を得ることができるようになります。
三井住友銀行
三井住友銀行はメガバンクの中で給与が最も高い企業で、総合商社に近しい賃金形態となっています。
ただ昇進昇格の争いが厳しいので、アクセンチュア同等の年収を手にするには厳しい社内競争に勝つことが前提となるでしょう。
その他日本企業ならではの福利厚生もあり、見た目の年収以上に実質的な所得が大きいのがメガバンクの特徴となります。
アクセンチュアの福利厚生の特徴
アクセンチュアの福利厚生について見ていきましょう。
高い育児休業取得率
育児休業の取得率は男女ともに高い数字となっています。
アクセンチュアの平均育児休業取得率は男性で37%、女性で100%であり、いずれも全国平均を大きく上回る数字です。
男女ともに長く活躍するためにはプライベートでの大きなイベントもしっかりと対応できることが重要ですね。
充実したe-learning
コンサルティング企業の特徴の1つでもある「ナレッジの共有」が優れている点もアクセンチュアの特徴です。
社員向けのe-learningシステムでは数万というコンテンツが利用可能となっています。
学びたい時に学べる環境があるというのは社会人にとってみると非常にありがたい環境です。
カフェテリアポイント
給与とは別に使用できるカフェテリアポイントが45,000円分発行されます。
何に使えるかはある程度限定されるのですが、その範囲内で生活をより豊かにするためのジムや旅行などに活用すれば実質給与と同等と言えるでしょう。
柔軟な働き方
多くの社員がテレワークで働いていますし、働く時間もある程度柔軟に対応できるようになっています。
顧客のある仕事ですので、どうしても仕事の納期は顧客の事情によって左右されるでしょう。
コンサルティング企業は基本ハードワークの業界です。
そうした状況も踏まえて、フレックスに働いたり柔軟性を持てるようにしていたりするのがアクセンチュアの特徴と言えるでしょう。
アクセンチュアに内定するには
アクセンチュアに内定するにはどのようにすればいいのでしょうか。
ポイントを見ておきましょう。
採用人数は相応に多い
リクナビをみると2022年卒の採用人数は300名とかなりの人数を採用することが分かります。
その前の年も300名超であったため、一時的に採用が増加しているのではなく毎年安定して多くの学生を採用しているのが分かりますね。
上位の大学についてはリクルーターが就職を支援してくれるようにもなっています。
大学によっては門戸はそれなりに広いと言えるでしょう。
ストラテジーは狭き門
多くの採用人数の中でほんの一部だけ戦略コンサルタントを採用しています。
いわゆる戦略ファームであるマッキンゼーやボストンコンサルティンググループに対抗する採用チームとなっているのです。
受ける予定のある人は、情報を注意して集めるようにしてください。
採用実績大学
大学通信onlineの調査によると採用数のうち慶應義塾大学・早稲田大学・東京大学がトップ3であり、この3つで150名を採用しているようです。
全体の半数近くとなっていますね。
それ以外も名だたる有名校が並んでいます。
学歴でいくとMARCHや関関同立レベルが最低限必要とされるでしょう。
まとめ
アクセンチュアの年収・給与制度についてまとめてみました。
高収入と言われるコンサルティング業界らしい高い給与制度の会社です。
高収入の一方で昇格できなければ退職というわけでもなく、働き方に柔軟性もあります。
外資と日系をうまく合わせたような会社ですね。
一定の学歴があればリクルーターもついて採用される可能性もありますが、それ以外だと苦戦はしそうです。
企業研究のやり方については以下の記事で紹介していますので、確認してみてください。
それでは、就職活動頑張ってくださいね。
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