はじめに
友人から「大手かベンチャー企業で迷っている」という話を聞いたこともあるのではないでしょうか。
そもそもベンチャー企業って何なのでしょう。
米国では優秀な人材ほどベンチャー企業に就職するか起業をすると言われます。
そのような優秀な人材が集まるベンチャー企業とはいったい何なのかを見ていきましょう。
おすすめの優良ベンチャー企業については以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
【本当に優良なベンチャー企業ランキングTOP10】成長企業の特徴とは?入社のコツや向いている人まで解説
目次
ベンチャー企業とは何か
まずはベンチャー企業とはどのような企業のことを指すのかを理解しましょう。
ベンチャー企業の定義や特徴を解説します。
ベンチャー企業の定義
まずベンチャー企業というものは法律的な定義があるわけではありません。
よって、どんな企業であっても「うちの会社はベンチャー企業だ」と言えばベンチャー企業になりうるのです。
一般的には、新しいビジネスモデルやプロダクトで社会課題を解決する企業ということができるでしょう。
GoogleやFacebook、Amazonなどもかつてはベンチャー企業と言われていた時代もありました。
このようにベンチャー企業というのは定義があいまいです。
そのため、あまりベンチャー企業かそうでないかという点にこだわっても仕方ないでしょう。
ベンチャー企業が果たす役割
ベンチャー企業が世の中で果たす役割を考えてみましょう。
ベンチャー企業が果たす役割は、まさに新しい技術やビジネスモデルで社会課題を解決するという1点につきます。
ベンチャー企業でなくともできるよねと思われるかもしれませんが、まさにその通りです。
しかし、ベンチャー企業のほうがやりやすいこともあります。
例えば、家電のインターネット通販はAmazonが非常に強いですよね。
実店舗を持っている場合、社内で「ECに注力したい」と言うと「店舗の売り上げが下がる」という反対が出てくるでしょう。
このように既存のビジネスと競合してしまうようなビジネスは始めづらいものです。
ベンチャー企業は何もないところからスタートしますので、このようなしがらみなくビジネスをスタートできるのが強みですね。
今持っているものがないからこそ新しいものを生み出せるのです。
ベンチャー企業の特徴
ベンチャー企業の特徴としてよく言われることは「難しい社会課題に挑戦するほど成功しやすい」というものです。
例えば、テスラという米国の電気自動車メーカーは世界で最も企業価値の高い会社の1つとなりました。
脱炭素という地球規模の課題に対して取り組むため、優秀な人材が多く集まってくるのです。
難しい社会課題に理念をもって立ち向かうとその理念に共感した仲間が集まります。
素晴らしい仲間に期待して投資家が投資をするでしょう。
そのお金と優秀な人材で成功をつかみ取るということができます。
ベンチャー企業を見る時には、どれだけ大きな社会課題と向き合おうとしているかを考えてみるといいでしょう。
ベンチャー企業に就職するメリット
大手でもベンチャー企業でも、新卒で就職するには多くの選択肢がありますね。
ここではベンチャー企業に就職することのメリットを見ておきましょう。
若いうちから責任ある仕事ができる
ベンチャー企業に就職するメリットでよく言われるのは、若いうちから責任ある仕事ができるということです。
ベンチャー企業はとにかく人材が不足しがちですので、ストレッチした仕事をやることが当たり前となります。
今の自分の能力ではなかなか対応できないような仕事をいかにして対応するかを考え抜くのです。
そしてその仕事を成功に導いていくことで自らのスキルを磨くことができるのですね。
もちろん自分の能力値を超えた仕事をするのでやっている最中は非常に苦しいでしょう。
しかし、苦しい中で頑張るからこそ成長できるのです。
社会課題を解決できる実感を持てる
ベンチャー企業には余計な仕事が少なく、ビジネスの成長に集中できるのが強みです。
また多くは単一ビジネスでみんなで1つのことを成し遂げるため、世の中をよくするための仕事に直接かかわることができます。
大企業だと仕事や役割が細分化されているため、この仕事はどのように世の中に役に立つのだろうと思うことがあるでしょう。
それに比べるとベンチャー企業においては働く意義や役に立つ実感をより感じやすいと言えます。
経営の近くで仕事ができる
人数の少ない会社の場合は、すぐ近くに経営者や経営メンバーがいて一緒に仕事をする機会に恵まれます。
将来起業をしたいと考えていたりベンチャー企業の役員をやりたいと考えていたりする人は、直接経営を学ぶことができますね。
一般的に社員と経営では見ている視座の高さが違うと言われます。
自分が問題と思っていることは、経営からすると小さな話でしかないということはよくある話です。
より大きな枠組みで物事を考えるようにすると問題の本質を捉えることができるようになるでしょう。
経営者から学べるものはたくさんありますね。
ベンチャー企業に就職するデメリット
一方で新卒でベンチャー企業に就職することならではのデメリットもありますので、メリットと併せて見ておきましょう。
社会人基礎の教育は少ない
ベンチャー企業は通常、社員の教育に割ける時間は少なくなります。
人の育成は長期的な会社の課題なのですが、ベンチャー企業はより短期の成果にこだわる必要があるためです。
懇切丁寧に仕事のやり方を教えてほしい、何をしていいかわからない環境だとストレスを感じてしまうという人には向かない環境と言えるでしょう。
自分からやるべきことを見つけて取り組むことができる人でないとベンチャー企業での活躍は難しいですね。
成果を出せないと転職しづらい
新卒でベンチャー企業に入り、そこから転職しようとした場合は仕事で成果を残せていないと転職がしづらくなります。
大手企業から転職する場合はその企業に在籍をしていたというだけで、「しっかりした社員教育を受けている」というラベルを手にすることができますね。
一方でベンチャー企業の場合は「あまり社会人としての教育を受けていない」というラベルを張られてしまいます。
つまり、実績で自分をアピールするしかないという状況になってしまうのです。
在籍しているベンチャー企業でどこまで実績を残せるか次第で転職のしやすさが変わるでしょう。
日系大手企業には入れない
新卒でベンチャー企業に入るとそこから日系の大手企業に転職をするのは難しくなります。
日系大手はまだまだ新卒文化のところが多く、中途採用に積極的なところは多くはありません。
一部不動産営業のような人材の入れ替わりが激しい分野においては転職しやすいでしょうが、それ以外は難しくなります。
大手企業に入りたいと考えている人は新卒でまず大手企業を選んでおくべきでしょう。
スタートアップとベンチャーの違い
ベンチャー企業自体が定義のあいまいなものであるという話をしました。
しかし、似たような意味を持つスタートアップとは何が違うのでしょうか。
ベンチャーとスタートアップの違いを見てみましょう。
ベンチャーはより広義の意味
ベンチャー企業は新しい技術やビジネスモデルで社会課題を解決する企業であるという話をしました。
スタートアップに比べるとベンチャー企業のほうがより広義な意味で使われます。
一切資金調達をせず自分たちのお金だけで運営していてもベンチャー企業ですし、上場を目指していなくてもベンチャー企業と言えるのです。
スタートアップはベンチャーの一種
スタートアップはベンチャーの中でも特に急成長を目指す企業群を指します。
1つのビジネスにフォーカスをしてそこに多くの経営資源を一気に投入するのです。
社会課題を解決する新しい技術やビジネスモデルを用いること自体はベンチャー企業と全く同じですね。
おそらくベンチャー企業と聞いてイメージをしやすいのはこのスタートアップではないでしょうか。
スタートアップは調達が基本
スタートアップはベンチャーキャピタルのような投資家から資金を調達し、多くの人材を採用します。
それにより、一気に投資を進めていくスタイルの経営です。
将来的には上場または大手企業への会社売却を見据えた戦略をとっていきます。
競合が出てくる前に市場を押さえることでシェアを獲得し、一気に収益性を高めることができるのですね。
日本だとメルカリなどが一気に資金調達をし、フリマアプリという市場をほぼ独占したことがわかりやすい例でしょう。
ベンチャー企業の中でも、このような特殊な経営スタイルをとるのがスタートアップであると押さえておいてください。
中小企業とベンチャーの違い
次にいわゆる中小企業とベンチャーがどう違うのかを見ていきましょう。
明確な違いはない
中小企業というのは明確に中小企業法というもので定義がされています。
業種によって資本金の大きさや従業員数で中小企業と区分がされるのです。
上場したベンチャー企業などは大企業となることもありますが、多くのベンチャー企業は法律上の区分でいくと中小企業となります。
ベンチャー企業は「うちはベンチャー企業だ」と言えばベンチャー企業なので、多くは中小企業兼ベンチャー企業ということでしょう。
ベンチャーのほうが若いイメージがある
一般的にはベンチャー企業というと比較的若い人たちの会社というイメージがありますね。
勢いとパワーのある若い人たちが自分たちのビジネスを成長させるために頑張る会社というイメージです。
それに対して中小企業というと、ある程度安定して現在のビジネスを続けている会社というイメージに近いでしょうか。
イメージの違いだけであり、中小企業の中にもベンチャー企業に負けないくらいの成長をしている会社もあります。
ベンチャーのほうがチャレンジをするイメージがある
ベンチャー企業のほうが社会課題を解決するための会社であり、チャレンジ精神があるというイメージがあるのではないでしょうか。
これもイメージの話であり、ベンチャーでない中小企業でも多くのチャレンジをしている会社は複数あります。
あまり中小企業であるとかベンチャー企業であるとかを気にする必要はないということですね。
なぜベンチャー企業に優秀な人材が集まるのか
ベンチャー企業で働くことの魅力の1つは優秀な人材と一緒に働くことができるということでしょう。
ではなぜベンチャー企業に優秀な人が集まるのでしょうか。
その理由を見ていきましょう。
どこでも活躍できる人材は大手もベンチャーも選ばない
特に創業して間もないようなベンチャー企業は会社がうまくいくかどうかわからないですよね。
会社が倒産して職を失う可能性もあるわけです。
そのような環境に飛び込んで来れる人材というのは、いつでも自分の力で職をつかむ自信のある人ということでしょう。
外資系のコンサルティング企業や公認会計士などどこでも通用するような人材が多く集まります。
このような人たちにとっては自分がどれだけ社会に貢献できるかが重要であり、働く企業や場所は問わないわけですね。
ベンチャー企業は理念で人を惹きつける
ベンチャー企業は社会課題を解決するために新しい技術やビジネスモデルを立ち上げていきます。
この仕事が世の中をより良くするのだと考えると純粋にワクワクしますよね。
経営者が語っている実現したい世界観というものに共感することで優秀な人材が集まってくるのです。
優秀な人材はより大きな社会課題を解決し、大きなインパクトを出したいと考えます。
そのため、大きな理想であるほど多くの人を惹きつけられるでしょう。
面倒な社内政治などが不要
ベンチャー企業では余計な社内政治などもなく、経営陣と話をしながら仕事を進めていくことができます。
スピードが非常に速いと同時に余計なストレスが少なくて済みますね。
自分たちの目指したい世界観を最短距離で突っ走ることができるというのがベンチャー企業で仕事をすることの魅力です。
新卒ベンチャーからのキャリア戦略
新卒でベンチャー企業にチャレンジするのであれば、将来的にどのように自分のキャリアを描いていくべきかも併せて考えておきましょう。
ここではベンチャー企業から転職をする際の考え方を3つほど紹介しておきます。
コンサルティング業界への転職
新卒でベンチャー企業に就職するからには「どこでも通用できる人材になる」という意識があることでしょう。
それに近しい思考を持つ業界はコンサルティング業界です。
様々な企業のお手伝いをすることで成功例・失敗例を多く学びます。
その知恵をもって、また事業会社の成長の役に立つことができるのですね。
コンサルティング業界もベンチャー企業で自ら考え推進をしていくような経験のある人材を求めているので相性はいいでしょう。
外資系への転職
ベンチャー企業で実績を残したら外資系への転職を視野に入れてもいいかもしれません。
外資系の特徴はスペシャリスト採用です。
例えばベンチャー企業においてWebマーケティングで成果を残したなら、その実績をもって外資に転職するなども考えられるでしょう。
まずはベンチャー企業において任された仕事でしっかりと成果を出すということが前提にはなります。
日系大手は第二新卒のみ可能
日系大手に転職するには第二新卒の機会を利用するしかありません。
日系は新卒で採用して、ゼネラリストとして社内で育成するというスタイルです。
ベンチャー企業に就職して合わないと感じ、大手に就職したいと思ったらすぐ行動が必要となります。
第二新卒であればほぼ新卒と同等の扱いとなり、社内ゼネラリスト候補として採用してもらえるでしょう。
まとめ
ベンチャー企業とは何かということついて見てきました。
ベンチャー企業という明確な定義はないため混同しがちです。
ただ、あまりベンチャー企業かどうかや中小企業なのかとかは気にせず、1つの会社を好きになれるかどうかをより重視してください。
ベンチャー企業だからいいとか、スタートアップのほうが優れているということはありません。
企業研究のやり方については以下の記事で紹介をしていますので参考にしてください。
それでは、就職活動頑張ってくださいね。
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