はじめに
就職活動でベンチャーを受けようとすると周りの人から「本当に大丈夫?」「大手にしておいた方がいいんじゃない?」と言われることがあります。
せっかく自分で自分の結論を出そうとしているのに否定されると不安になりますよね。
ベンチャーに行くなと言う人も様々な背景からアドバイスをしてくれていることでしょう。
この記事ではなぜ新卒でベンチャーに行くなと言われるのかを見ていきます。
目次
新卒でベンチャーに絶対行くなと言われる理由
新卒でベンチャーに行くなという人には主に3つの理由があると考えられます。
3つそれぞれについて見ていきましょう。
ベンチャーが正しく理解されていない
まずはそもそもベンチャーがどのようなものか理解がなく「よくわからないからやめておけ」というタイプです。
ベンチャーと一言で言うと「新しいことに挑戦する」「会社の基盤がもろい」など様々なキーワードが想起されますよね。
ベンチャーがどのような会社かをちゃんと理解している人は社会人にも少ないものです。
イメージだけで激務や会社の安全性を心配してやめておけという人もいますので、この手の人の話はあまり聞いても仕方ないでしょう。
長く会社に勤めることが良いと思っている
次に考えられるのは1つの会社に長く勤めあげることが良いという価値観の人です。
ベンチャーに行くと基本的にはどこかで転職をするのが一般的ですね。
長く勤めあげることが良いことだと思っている人にはなかなか理解されません。
これはその人の価値観から物事を言っています。
つまり、自分の価値観と照らし合わせてどうかを考えるチャンスをくれていると思えばいいでしょう。
1つの会社に勤めあげることのメリットももちろんあります。
メリット・デメリットをしっかりと自分の中で理解して判断するようにしましょう。
ベンチャーをよく知った人がその人に合わないと思っている
ベンチャーのことも自分のこともよく知っている人がベンチャーをやめておけと言っているケースもあります。
これはよく話を聞いておかなければいけません。
どうしてもベンチャーで働いてみないとわからないようなことも多くあります。
それを理解したうえでやめておけと言うのであれば、そのアドバイスをくれた人ととことん話をしてみるといいでしょう。
ベンチャーには中途でもチャレンジできますが、大手に入るのは圧倒的に新卒の方が楽なのです。
このように、アドバイスをくれる人にも様々なタイプがありますので聞くべき話と聞かなくともいい話を選ぶようにしてください。
ベンチャーに新卒で就職するメリット・デメリット
ここで一度ベンチャーに新卒で就職することのメリット・デメリットを整理しておきましょう。
メリット
まずはメリットからです。3つほど挙げておきます。
仕事に対して当事者意識がつく
ベンチャーの場合は早くから事業の責任者になることが多くあります。
また人が少ないので、自分の仕事を代わりにやってくれる人がいない状況でもあるでしょう。
そのため自分がやるしかないという意識が強くなり、仕事に対する当事者意識が強くなるのです。
この当事者意識というのは社会人にとって非常に重要なものと言えます。
「自分が何とかしなければ」と思えるかどうかで仕事の質が大きく変わると言っても過言ではありません。
この当事者意識を強く持つ癖ができるのはベンチャーで身につく大きな武器ですね。
経営と近いところで仕事ができる
経営者と近い位置で仕事ができるのもベンチャーの良いところです。
大手企業だと会社組織がヒエラルキー型となっていて、社長や役員と接する機会があまりないでしょう。
やはり経営者の考え方とそれ以外の人たちの考え方は大きく異なるものです。
将来的に起業したい、自分の事業を持ちたいと考えている人には若いうちから経営者のマインドを学べる良い機会となるでしょう。
行動力がつく
とにかくベンチャーでは行動が命です。
「こう考えていた、思っていた」としても行動に移さなければ何にもなりません。
ひたすら実践や行動することが求められますので、その分仕事のスピードやPDCAを回すスピードが速くなることでしょう。
成長したいならベンチャーと言われるのは、このように行動して成功や失敗を多く積み重ねるからですね。
どうしても行動するのが苦手、振り返りから知恵を学ぶことができないという人はベンチャーだと苦しくなってしまいます。
デメリット
次にデメリットも見ておきましょう。
社会人としての基礎教育がない
ベンチャーには社会人としての基礎を教える時間があまりありません。
とにかく実践を通じて成長するというスタイルです。
ある程度基本的なところは教えてほしいという人にとっては、放置されていると感じるかもしれません。
ベンチャーは人についても余裕がないので育成体制を整えるところまでできる会社は一握りでしょう。
スキルがつく前に仕事がなくなる可能性がある
ベンチャーは事業の回転が速いことも特徴です。
Aという仕事をやろうと思って入社をしたものの、その事業はやめて違うビジネスをすることにしたということもあり得ます。
当初想定したものと全然違う仕事をやることになったということもあるでしょう。
このような事業の方針転換が起きてしまうと、「スキルがある」と胸を張って言う前に新しいことを始めないといけませんね。
早く成長したい、スキルをつけたいと思っていた人にはデメリットになるでしょう。
予期せぬ配置転換もありうる
急成長するベンチャーにおいては急な配置転換も覚悟しておかなければいけません。
組織が速く大きく変わっていきますので、その時の会社の状態に合わせた仕事をやっていく必要があります。
外資などは基本的にジョブ型採用で決められた仕事以外をやるということはあまりないでしょう。
ベンチャーも入社時はやることが特定できているかもしれません。
ただ、会社が速く形を変えていくので入社時の仕事をずっとできるかどうかはわからないのです。
ベンチャーのデメリットの1つと言えるでしょう。
大手に就職するメリット・デメリット
なぜ大手の方が良いとされているのか、大手のメリット・デメリットも見ておきましょう。
メリット
大手にするメリットも3つほど考えておきましょう。
しっかりとした人材育成の仕組みがある
まず大手企業は長年の積み重ねで人材を育成するための仕組みがしっかりとできています。
特に日本企業では入社してから人を育てる文化であるため、入社後に丁寧な新入社員研修があることがほとんどです。
しっかりと社会人としての基礎を学び、少しずつ実践をして自分のものにしていきたいと考える人にはメリットになるでしょう。
比較的落ち着いて仕事ができる
ある程度事業基盤がしっかりしている大手企業であればベンチャーほどに目の前の仕事に追われることもないでしょう。
大体の会社は短期的な成果と中期的な成果の両方をもって評価するという評価体系になっています。
その意味では、大手の方が比較的先を見据えて落ち着いた仕事ができると言えるのではないでしょうか。
中途では入りづらいので大手にいること自体が特権となる
中途では日系の大手企業は入りづらいです。
新卒で採用してその会社用に教育をしていますし、離職率も高くないため欠員もあまり出ません。
そうするとなかなか中途採用をするという話になりづらいわけです。
実際に感じることができないメリットではあるでしょう。
しかし新卒で大手企業に入ること自体、日系大手に所属するというメリットととることができます。
デメリット
次にデメリットも見ておきましょう。
その企業以外で使えるスキルが身につくと限らない
日系大手の場合はその企業で使用するスキルを多く研修で学びます。
そのスキルは他の業界へ転職をしたり起業したりするときに使えるスキルばかりとは限りません。
難しい社内用語を一生懸命覚えたとしても、他の企業では使いようがないですよね。
日系大手は新卒文化であるがゆえに独自の文化を発展させやすく、その文化に順応するためのスキルの習得に時間がかかるのがネックです。
特定の分野のスペシャリストになりづらい
日系大手の場合は総合職という形での採用が多いですよね。
マーケティングの部門にいたと思えば次は経理のように、ある程度希望を聞きながらも会社都合で本人の意向にそぐわない異動も出てきてしまいます。
そうすると特定部門でスペシャリストになるというよりも、会社の色々な部門で活躍できるゼネラリスト型の人員になっていきますね。
その会社に骨をうずめる覚悟という話であればそれでいいのでしょう。
一方で転職などを考えると、結局自分は何ができるのかがあいまいになることはあまりプラスにはならないのです。
一緒に働く人を選べない
ベンチャーであれば経営者を見て、その経営者と働くために入社しようと思えますね。
一方で大手だと面接やインターン、説明会で会った人と一緒に仕事をすることがほぼないでしょう。
部署の異動は会社の意向で決まるものでもあり、その部署にどんな人がいるのかは自分ではわかりません。
誰と働くかを大切にしている人は多いでしょうが、大手では一緒に働く人は選べないというのがデメリットですね。
ベンチャーに向いている人の特徴
メリット・デメリットを整理できたところで、ベンチャーに向いている人の特徴を考えておきましょう。
是非自分の自己分析に照らし合わせてみてください。
やることを自分で見つけて動き続ける
ベンチャーでは他の社員から丁寧に教育を受けるということはありません。
やるべき仕事を自分で見つけて自ら行動することが求められます。
行動をしなければ結果が出ることはありませんので、行動が非常に重要です。
指示を待つのではなく、自分から進んで仕事を見つけて実践できる人はベンチャーに向いていると言えるのではないでしょうか。
失敗から多くを学び次に活かせる
多く行動をすればその分、成功も失敗も多くの経験がついてきます。
ベンチャーに向いている人はその経験から学びを抽出し、自分の知恵にできる人ですね。
外から知恵を与えられるのではなく、自ら作り出すことができるという素養はベンチャーで最も生きてくるものでしょう。
ワークライフバランスは気にしない
ベンチャーは時に激務になることがあります。
深夜や土日も勤務をすることが必要な時期もあるでしょう。
この時にプライベートを優先して仕事を後回しにすることはできません。
ベンチャーに就職するからには、ワークライフではワークを優先してバランスを保つと覚悟をすることが大切でしょう。
大手に向いている人の特徴
ベンチャーに向いている人を見てきましたので、ここでは大手に向いている人も見ておきましょう。
教えてもらうことを実践し成長していく
自分の成長スタイルとして、しっかりインプットをして理解してからアウトプットをするという人は大手の方が向いているでしょう。
大手の良いところは人を育てる研修が充実しているところです。
学びを活かし、実践して成果を出していくというスタイルの人には大手の教育や研修スタイルとの相性が良いと考えられますね。
ワークライフバランスを重視したい
仕事とプライベートのバランスをとりたいという人も大手向きでしょう。
大手の方が労働環境に関して周りの目が厳しいですよね。
その分、大手企業も社員の働き方についてはしっかりと対応をしないといけないという意識が強くあります。
仕事の時間もプライベートの時間も大切にしたいという人は大手にしておきましょう。
やりたい職種がなく今後探していきたい
今現在、特にやりたい仕事が見つかっていないという人も大手が良いでしょう。
大手は自分で仕事を選べない代わりに会社が自分の適性を見て部署を決めてくれます。
まずは決められた部署で一生懸命仕事をしてみて、それが自分に合うかどうかを見極めていくことができますね。
社会人になると学生の時以上に職種毎の特徴が理解できるようになるでしょう。
それから自分がなりたい職種を決めるというのでも遅くありません。
今やりたいことが明確でないという人は大手に向いていると言えるでしょう。
大手の方が良いと言われる理由
メリットやデメリット、向いている人を整理してきました。
これらを踏まえて大手の方が良いと言われる理由を考えてみましょう。
ベンチャーに向いている人は少数派である
多くの人がベンチャーに向いている人の項目に当てはまらなかったのではないでしょうか。
ベンチャーに向いているという人は正直少数派であると言えるでしょう。
行動力も失敗から学ぶ力も社会人で身につけていくスキルです。
学生の方が持っている特徴ではないこともあり、ベンチャーに向いている人がそもそも少なくなります。
アドバイスする側も確率論として、大手の方が無難であると考えるのも仕方がないでしょう。
優良なベンチャー企業がまだ少なく苦労をした人も多い
ベンチャーは基本的に激務となる傾向があります。
もちろん、そうではない会社も中にはあるでしょう。
しかし全体としては優良なベンチャーはまだ少数であり、ベンチャーで苦労をした人も多くいます。
大人の中でも苦労した人が多いということは、ベンチャーに対して前向きなコメントをしてくれる人がそもそも少ないということですね。
適性を活かすために異動する部署がある
大手は仮に1つの部署で活躍できなかったとしても、別の部署でまたチャレンジすることができます。
ベンチャーで一度仕事ができない人という評価をされてしまうと、なかなかそこから這い上がるのも難しくなるでしょう。
若い社会人のポテンシャルを信じて教育するのは大手企業の方が優れているところです。
皆さんのポテンシャルをつぶさないためにも、大手の方が良いよという話をする人もいるでしょう。
ベンチャーに反対する人を説得するには
大手の方が良いと言われても、それでもベンチャーに行きたい場合はどのように反対する人を説得すればいいでしょうか。
ここでは簡単に3つほどその方法を紹介します。
期限を設けたチャレンジにすると約束する
1つの方法はベンチャーに挑戦する期限を設けるということです。
3年でチャレンジを一区切りとし、その時点でまたキャリアに関して見直しを行うとしておくことで周りも納得しやすくなるでしょう。
もちろんその3年の間にベンチャーで生き生きと仕事をし、結果を出せば周りも文句が言えなくなりますよね。
その期間内にしっかりと成果を出せるよう頑張りましょう。
明確なキャリア設計を提示する
次は自身のキャリア設計を明確にすることです。
「自分はこのようなキャリアを描いていきたい、そのために最初のステップとしてベンチャーのこの職種をやる」と言えると良いでしょう。
ベンチャーに就職するのではなく、自分なりに生きていく力をつけるための選択をするのですね。
長く勤めることが良いと考えている人に対して、転職を重ねることやスペシャリストとして生きることを説明するのは難しいことです。
できればそのキャリアのモデルとなるような人を併せて提示できると良いですね。
大手の資本の入ったベンチャーを探す
最後はベンチャーはベンチャーでも、大手の資本の入ったベンチャーにすることです。
大手の資本があることでその会社の事業基盤は格段に安定するでしょう。
また人材の交流があれば大手で働く機会もあるかもしれませんね。
事業基盤を心配してベンチャーに行くなと言っているのであれば、このような話で対応できるでしょう。
まとめ
なぜ新卒でベンチャーに行くなと言われるのかを見てきました。
ベンチャーも大手もそれぞれにメリット・デメリットがあります。
アドバイスをする大人や友人もベンチャーについてどれだけの知識があるのかわかりません。
相手が何を意図してベンチャーに行くなと言っているのかを正しく理解し、自分なりの意見を持てるようにしましょう。
本サイトでは就活のノウハウに関する情報を他にも多く発信していますので、是非参考にしてみてください。
それでは就職活動頑張ってくださいね。
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