はじめに

「飲料業界ってどんな業界?」

「飲料業界の社員さんはどんな働き方をしているんだろう。」

「自分に向いている職種ってあるのかな?」

などの疑問をもっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、飲料業界の基礎となる知識や、今後の動向、どんな人が向いているか、などを詳しく解説していきます。

業界についてこれまで全く知識が無い人でもわかるように書きました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

業界研究をする前に

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飲料業界について研究する前に必ずやるべきことがあります。

「なぜ業界研究をするのか」という目的の再確認です。

業界研究はこれまで知らなかった業界のビジネスモデルや企業、業務内容を理解する事も目的の一つですが、最も大事なことは違います。

真の目的は、入社後のミスマッチを減らすことです。

ミスマッチが発生すれば、あなた自身楽しく働くことができません。

たとえ転職が認められている会社だとしても、マイナスな理由での転職はなるべく避けたいです。

そのため、自己分析も同様に大事になってきます。自己分析の結果と業界を比較しながら業界研究をするのが大切です。

もし「業界研究のやり方がわからない」「業界研究の注意点を改めて確認しておきたい」人は、以下の記事を先に読んでおきましょう。

業界研究,やり方

飲料業界とは

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まずは、飲料業界の基本であるビジネスモデルから解説していきます。

最初は原料の調達です。

飲料の原料となる香料や果実などの素材を第一次産業から商社が買い取って、飲料メーカーに流します。

そして飲料メーカーは製造工場で生産、外食業界や小売業界などを通じて販売して、最終的に私たち消費者のもとに届くという流れです。

ビジネスモデルから分かるように、様々な業界の企業との関係をもっている業界になります。

飲料業界の概要

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上記が業界の全体図です。扱っている飲料の種類によって大きく以下の3つに分けられます。

  • 清涼飲料水
  • 乳製品
  • アルコール飲料

それぞれ解説していきますね。

清涼飲料水

後ほど詳しく説明しますが、清涼飲料水は乳製品とアルコール以外の飲料です。

アルプスの天然水で有名なサントリー、三ツ矢サイダーが人気商品のアサヒ飲料などがあります。

私たちが普段口にする飲み物の多くは清涼飲料水を販売する会社が製造しているのです。

乳製品

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続いて、乳製品です。

特徴としては乳製品以外の製品も開発していることで、チョコレートやアイスが該当します。

記事の後半でお伝えしますが、これから生き残っていく企業は他事業への展開を攻略できる企業とも言えるので要注目です。

アルコール飲料

最後にアルコール飲料です。

ビールやウイスキー、缶チューハイなどを製造しています。

国内では若者のウイスキー離れもあり、今後は海外への展開を考えている企業が多い印象です。

飲料の基礎知識

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次に飲料業界に興味をもっている学生が知っておくべき基礎知識を2点解説します。

  • 飲料業界の位置づけ
  • 飲料の種類

どちらも就活を成功させるために重要なことなので覚えておきましょう。

飲料業界の位置づけ

もっと大きな視点で見た時、飲料業界はどのような位置づけでしょうか。

結論、飲料業界は食品業界に属します。

食品業界の中に、

  • 飲料
  • 菓子
  • 食肉製品
  • 水産品
  • 乾燥面類

といった業界があるのです。

ビジネスモデルや物流は似ている業界もあるので、もし生産する品目に特別なこだわりがなければ他の業界も調べてみると新たな発見があるでしょう。

補足ですが、就活では業界内の構造だけではなく外から見た業界の立ち位置を把握しておくことで、面接もしっかりした受け答えがしやすくなります。

食品業界についても知りたい方は以下の記事を読んでみて下さいね。

食品,業界

飲料の種類

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飲料業界が製造する飲料は大きく3種類に分けられます。

それぞれの違いを押さえておきましょう。

  • 清涼飲料水…炭酸飲料、果実飲料、野菜飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、スポーツドリンクなど
  • 機能性飲料…糖分を含まない茶系飲料や健康に有効な成分の入った清涼飲料
  • その他の飲料…乳製品類やアルコール

日常生活でいつもよく飲み物の多くが清涼飲料水です。

また機能性飲料は健康に暮らしたいというニーズのもと開発された飲料で、糖分を含んでいないお茶などが当てはまります。

健康意識が高い学生は飲んでいる学生も多いでしょう。

紹介した2つに当てはまらない飲料に、牛乳などの乳製品類やアルコール類があります。

飲料業界の売上高ランキング

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出所:業界動向サーチを基にシューブン編集部作成

飲料業界の売上高ランキングは上図の通りです。

先ほど紹介した企業もランクインしており、聞き馴染みのある企業が多いのではないでしょうか。

また飲料業界は私たちが生きていく上で不可欠な「水分」を提供してくれるため、生活になくてはならない業界です。

よって売上も千億円から兆円と大きい傾向にあります。

飲料業界の現状と今後の動向

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業界研究では、業界の今後について知ることも重要です。

業績が不安定な業界だと、早いうちに収入が頭打ちしたり、解雇されてしまう可能性もゼロとは言い切れません。

データを見せながら現状と今後の変化について説明していきます。

現状

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出所:業界動向サーチを基にシューブン編集部作成

まずは業界の現状から解説していきます。

業界規模の推移としては比較的安定しているでしょう。売上の構成を分解していくと、茶系飲料、炭酸飲料、ミネラル飲料という順番になります。

地球温暖化の影響で毎年猛暑が訪れるようになったのもあり、飲料の売上はじわじわと伸びています。

2020年に売上が落ち込んでいるのは、リモートワークが推進されたためオフィスでの自販機やコンビニでの販売量が減少したからです。

業界全体売上の直近は安定しているものの現状としての課題も明確にあります。

それは国内市場の激化です。

人口減少による国内消費の頭打ちや、企業統合によって業界における企業の立ち位置が変化しつつあります。

今後の動向

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国内市場での競争が激しくなる中どのような企業が生き残っていくのでしょうか。

今後企業が力を入れていく方向性として以下の2つが挙げられます。

  • 海外での事業展開
  • 他事業への展開

海外への事業展開

人口の減少に伴って現状のままでは業界縮小の恐れのある飲料業界にとって海外への展開や拡大は欠かせません。

海外展開において主力となる飲料がアルコール飲料です。

海外では日本よりもアルコールの需要が高く、日本製品の品質、豊富なラインナップは海外においても期待できると言われています。

またウイスキーや日本酒は特に外国でも人気である事実から、海外展開はアルコールが鍵を握っているでしょう。

他事業への展開

さらに事業を展開するとなると他事業への展開も避けられません。

以前に比べても生活者のニーズも多様化しているため、ニーズに即した商品を提供する必要があります。

飲料と比較的関連のある健康食品や加工食品等、食品業界への進出を検討している企業が多いです。

また大企業であれば食品メーカーをそのまま買収したり統合を図ったりなどの動きも見られます。

いずれにせよ、業界縮小に対してどの企業も様々なチャレンジを続けていくことになるでしょう。

飲料業界の仕事内容

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飲料業界の全体像が分かったら、実際にどんな職種があるのか、またそれらの仕事内容を押さえましょう。

飲料業界で一般的な4つの職種を紹介します。

自己分析と比較しながら、自分に合った職種を探してみて下さいね。

開発職

開発職は新商品の開発や、既存商品の改良などを行う職種です。

そのブランドの人気商品の開発に携わったりまだこの世に出てない商品の生産に関わったりできるので、人気の職種の一つと言えます。

ただ専門領域の仕事なので、多くの企業が理系大学の卒業を入社条件にしている場合が多いです。

製造職

製造職は研究、開発で生まれた商品を生産製造する職種です。

商品を安定して生産、製造するために生産管理を行います。

また、商品の品質チェックは製造職にとって重要な仕事のひとつです。

飲料は私たちがそのまま口に入れる物なので、特に安全が求められます。

時には実際に飲んでみて、味を確認することも多いです。

企画職

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企画職はマーケティングが主な仕事です。

どんな商品が売れるのかを徹底的に考えて形にします。

具体的には、他社の商品をこまかく分析したり競合の飲食店に足を運んで食べ歩いたりすることも珍しくありません。

味という抽象的な感覚を論理的に分析する力が求められるので、華々しい印象を受ける職業ではありつつもかなり地道な作業が必要な職業です。

味覚や嗅覚に優れていたり、言語化して人に伝えるのが得意な人は向いているでしょう。

営業職

営業職は商品を様々な企業や業者にセールスする職業です。

飲料のほとんどが小売店を仲介して世の中に出回るため、セールスがうまくいかなければ良い商品でも企画開発した意味がありません。

人とコミュニケーションを取ることが好きな学生や、高い向上心をもっている学生に向いている職種だと言えるでしょう。

飲料業界に向いている学生

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次に、どんな学生が飲料業界に向いているのか解説していきます。

モチベーション高く仕事をする上では、好き嫌いは大事ですが、向き不向きも大事です。

好きで向いている職業が一番楽しく働くことができ、結果も残しやすい職業と言えます。

そのようなことも踏まえ以下の3つを見てみて下さい。

  • チャレンジ精神
  • 世のため人のために行動する
  • 体系立てて人に伝える

チャレンジ精神

チャレンジ精神がある学生は飲料業界に向いています。

先ほども少し解説したように、これまで比較的大きな変化がなかった飲料業界にも変化が求められているのです。

海外進出や新規事業の開拓をするには強い好奇心とチャレンジ精神が必要になります。

学生時代に自分なりに何かにトライしたり、またリーダーシップを発揮した経験がある人には向いている職種です。

世のため人のために行動する

世のため人のために行動する誠実さは飲料業界で重要視されます。

誰もが口にする商品を取り扱うためコンプライアンスは徹底して守り抜かなければなりません。

販売した商品に大してのクレームが来て騒動が大きくなった場合には、企業として大きな損害を被ることもあります。

ですので世の中と人を思って行動できる人は向いているでしょう。

例えば、学生時代にボランティア活動をした経験は志望理由を強化するのにぴったりかもしれません。

体系立てて人に伝える

飲料業界はいわば味という実態が捉えにくい感覚を追求する業界です。

そのため商品を分析するにしても、分析を基に売れる味を研究職や開発職に伝えるにしても言語化して体系立てる力が求められます。

営業では顧客に対して、どこがなぜどのように良いのかをわかりやすく説明しなければいけません。

飲料業界を目指す学生は常日頃から物事の言語化に意識的に取り組んでみるのがおすすめです。

まとめ

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以上で飲料業界についての解説は終わりです。

私たちが生きる上で欠かせない「飲み物」に携われることから非常にやりがいのある仕事といえるでしょう。

メーカー職であるため理系と文系双方の職種を募集している企業が多いので、多くの学生に人気の業界になっています。

しかし、業界全体では少子高齢化やアルコール離れに伴う、業界規模の縮小といった大きな課題があるのも事実です。

注目している会社は、業界内でどのようなポジションをとっているのか目を向けてみると良いでしょう。

自分自身の性格や、もともと関心のある分野も考えながら企業のことを調べていくのがおすすめです。

最後にまだ自己分析に不安がある人は以下の記事もぜひ読んでみてくださいね。

【就活における自己分析の目的とは】なぜ就活の1番始めに自己分析をするべきのか?始める時期や自己分析のメリットまで解説!

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