はじめに
インターンシップに申し込むときや選考を受けたいとエントリーシートを書くときにその企業のことを知らないと申し込みづらいですよね。
就職活動において必ず必要となるのがこの企業研究です。
ただほとんどの学生が企業研究をしたことがありません。
どのように企業の情報をまとめたらいいのか、今回は企業研究ノートの作り方について説明していきます。
目次
企業研究ノートを作るメリット
スプレッドシートやエクセルでなく、あえてノートで作成するメリットがいくつもあります。
なぜ企業研究ノートを作成するのか、そのメリットを見ていきましょう。
企業研究の成果を1か所にまとめておける
企業研究の成果をノート1冊にまとめていけるというのが利点の1つです。
受ける会社の数にもよるのですが、数十社受ける学生もいるでしょう。
その際にエクセルでファイルを分けるなどしているといちいち管理が煩雑です。
また、スプレッドシートでシートが何十個もあると探すのが大変になります。
ノートでインデックスをつけておくことで、さっと作成した企業研究を取り出すことができますよね。
アナログですがこれくらいの情報量であればアナログでも十分に検索性を高めることができます。
企業毎の差を見比べやすい
同じフォーマットで書くことによって企業毎の差をわかりやすく見ることができるでしょう。
自分の書いたことを改めて見ていると競合他社との違いなどが分かりやすく見えてきます。
自分がどんなことを感じたのかなどによって企業の優先順位を確認することもできるのです。
選考直前に重要なポイントを確認できる
ノートの一番の強みは楽に携帯できることでしょう。
選考前の少しの待ち時間でバックからさっと取り出して内容を確認することができますね。
PCを起動してエクセルを立ち上げるなどしていたらそれだけでも時間がかかってしまいます。
最終的に最後まで選考に活用しようとするとノートであることの強みが生きるのです。
自分なりの解釈で話ができるようになる
ノートに自分の言葉で自分の思いや考えを書くことで、頭の中を整理することができます。
「書く」という行為は記憶力の定着にも効果があると言われいるのです。
自分の手で書くことによって、より自信をもって自分の言葉で話すことができるようになるでしょう。
企業研究ノートを作るための準備
実際に企業研究ノートを作成するために必要な準備を見ていきましょう。
自己分析を深めておく
企業研究ノートを作成する前にやるべきことは、まず自己分析を深めておくことです。
企業研究をする目的は、より自分に合った企業を見つけることにあります。
自分自身を理解しないまま企業研究をしても、何の情報を読み取るべきかということが変わってしまうでしょう。
安定性を重視するのか成長性を重視するのかでも分析のポイントが変わってきますよね。
就職活動の順番としてはまず自己分析からです。
自己分析を最初にやる理由は以下の記事に掲載していますので参考にしてください。
【就活における自己分析の目的とは】なぜ就活の1番始めに自己分析をするべきのか?始める時期や自己分析のメリットまで解説!
業界研究をしておく
次に業界研究をしておくことです。
例えば、自動車会社を企業研究しようと思うと各社ともに「脱炭素」というキーワードが出てくるでしょう。
地球規模の課題に対してそれぞれが対応を迫られているわけですが、これは1社の研究をしてもなぜそれをしないといけないのかがよくわかりません。
個社の戦略や方向性は基本的に業界全体の流れや方向性に従うのです。
ですので、大枠で業界がどうなりそうかを知らずに1つの会社を深堀しても理解がしづらくなります。
業界研究についてはこちらに多くの業界を分析していますので参考にしてください。
A4の大きめのノートを準備する
企業研究は情報量が多くなります。
見開き1ページに情報をまとめられるよう網羅性がほしいところです。
そうでないと選考直前にパッと見て確認するということがしづらくなってしまうでしょう。
そのため、少し大きめのA4サイズノートを使用することをおすすめします。
コンサルティング会社でパワーポイントを上手に作成する人などもA4のレポートパッドやノートを使用していることが多いですね。
情報をきれいに整理するにはA4サイズが使いやすいです。
企業研究ノートのテンプレート
それでは、具体的にどのような企業研究ノートを作成するかを見ていきましょう。
1.自分の意見が左上に来るように開けておく
一番見やすい左上に、自分がこの会社に対してどう感じたのか、どう思うのかをまとめて書いておくようにしましょう。
自分の言葉で話せるようになるのが大切ですので、一番大切なことは一番見やすいところに記載をしておきます。
2.業界の情報を記載する
次は業界の分析です。
準備で見た通り業界の分析もしておかないと企業の方向性や将来性がわかりづらくなってしまいます。
業界分析の項目は必ず入れるようにしましょう。
3.企業の情報を左下に入れる
企業に関する情報を入れていきます。
自分が重要だと思うものを基本的に入れていけば問題ありません。
わかりやすく整理したい方は、代表的な3C分析などのフレームワークを使って記載をするといいでしょう。
フレームワークはSWOT分析や5Force分析・7S分析など使いやすいものを使ってください。
大切なのはどのフレームワークを使うかではなく、自分なりの会社の将来像を描くことです。
4.選考に関する情報を右に入れる
大切な情報として、選考に関する情報も記載しておきましょう。
特に面接直前で見返すのであれば、会社が求める人物像のような記載があると確認できて便利です。
5.自分の選社軸と比較をする
自分が企業を選ぶ際の基準と企業研究の結果を対比させておくことが重要です。
自分がどのような企業に入りたいのか、それに対してこの企業はどのような企業なのかを整理しておきましょう。
自分のストーリーと企業の求める人物像を結び付けやすくなります。
6.競合比較を入れる
他企業との比較は自分の選社軸と照らし合わせてマトリックスにするとわかりやすくなります。
細かい比較はこのノートではせず、本当に大切なポイントのみを押さえにいきましょう。
1社だけだと恣意的になってしまいがちなのでできれば3社くらい並べてみるようにしてください。
7.余白を残しておく
後から付け足しできるように余白を残しておくようにしましょう。
選考を重ねるたびに新しい情報が出てくるようであれば都度記載をしていき、ノートをupdateしていくことができますね。
選考を受けたときの印象などをつけ足していってもいいでしょう。
企業研究ノートを作成する5step
テンプレートを確定させたら具体的にノートを作成していきましょう。
1.自身の選社軸を記載する
まずは事前の準備でもあった、自己分析の結果を記載しておくようにしましょう。
テンプレートで言うと右側のパートになります。
事前に準備したものをノートの中に書き下ろしていきましょう。
2.業界研究の内容を記載する
自己分析の情報をノートに書きこんだら次は業界研究の情報を入れていきます。
業界研究の情報があまりに膨大になる場合は自分で要約をして大切なものを入れてください。
業界研究では将来性や安定性を中心に見るといいでしょう。
3.企業の情報を整理する
企業研究のメインは企業の情報を入れていくことですね。
売上や利益などの定量情報を入れてもいいです。
加えて、会社のポジショニングや強み・弱み、顧客にどう思われているかなどの情報も入れるようにしてみましょう。
4.自己分析結果とのすり合わせを競合他社との比較をする
自己分析とのすり合わせを行い、それを基に競合他社との比較をしていきます。
競合の分析もしていないと記載ができないので、自己分析と企業研究のすり合わせができたところで一度他企業の企業研究を行って構いません。
他の企業を同じようにここまで分析をして、そこでわかったことをまとめるようにしてください。
5.自分の意見をまとめていく
企業研究で最も大切なのが自分の言葉で分析することです。
事実を集めて満足するのではなく、自分の言葉で会社を語り自分の基準と照らし併せてどう評価をしているのかを明記しましょう。
企業研究ノートの見返しやすいまとめ方
企業研究ノートは後から見返すことが多くあります。
選考は何度かのフェーズに分かれますのでその都度ノートを見返すことでしょう。
見返す際のポイントについて触れておきます。
重要なポイントをサマリーしておく
テンプレートでは左上に自分の思ったことや意見をサマリーする欄を設けています。
また、それぞれの項目においても自分の考えや意見を記載できる欄があることに気づきましたでしょうか。
企業研究の際には情報を並べるだけでなく重要だと思ったポイントをこのように抜き出しておくようにしてください。
重要なポイントがぱっと見でわかりますね。
質問項目や不明点も記載しておく
企業研究をしていると必ずわからないことや不明なことが出てきますのでまとめておいてください。
OB/OG訪問の際に確認するかインターンシップに参加した際に聞いてみるといいでしょう。
企業の理解をより深めていくことができますね。
自分の考えたことや思いを記載しておく
大切なのは事実をまとめるだけではなく、自分がその時にどう思ったか、感じたかを一緒に記載しておくことです。
就職活動は忙しいことに加えて普段慣れていないことをするストレスもあります。
頭がうまく整理できなくて当然なのです。
だからこそ、その時に感じたことや思いを見える形にしておくことが大切になります。
カラーのボールペンで補記するなど工夫して自分の考えや思いを記載するようにしてください。
企業研究ノート作成時の注意点
企業研究ノートを作成する際の注意点を見ておきましょう。
自己分析と業界研究をしていないと十分に研究できない
企業研究は就職活動のステップでいうと、最初にするべきものではありません。
先に自己分析や業界研究があり、それから企業研究という順番です。
この順番を間違えてしまうとせっかく企業研究をしたにもかかわらず、あまり有意義なメッセージを得られなくなってしまいます。
必ずこの順番を守るようにしてください。
情報をつけ足せるよう余白を残しておく
ノートを作成する際に必ず余白を取るようにしましょう。
企業研究は1度まとめたら終わりというものでなく常にupdateをしていくものです。
インターンシップに参加すれば新しい情報を得られますし、OB/OG訪問で不明点を聞くこともできるでしょう。
最初からページいっぱいに情報を詰めてしまうと後から追加ができずに必要な情報全てを網羅できなくなってしまいます。
余白を保ちながら作成していきましょう。
どこから情報を得たかを記載しておく
どこから情報を得たのかということを記載しておくといいでしょう。
誰に聞いた話だったか、どこで見た情報なのかを整理しておくと面接などでも伝えやすくなります。
「御社の●●さんという方に伺ったのですが」と一言入れるだけでも相手に与える印象は大きく変わるのです。
「実際に社員に会ったことがある」=「企業研究をしようとしている」=「本気で受けようとしてくれている」と相手に思わせることができます。
情報ソースは大切です。
企業研究ノートをよりよくするためには
企業研究ノートをよりよいものにしていくためにはどのような工夫が必要でしょうか。
ここでは3つほど紹介します。
インターンシップに参加して理解を深める
1つ目はやはりインターンシップに参加することでしょう。
企業が自分たちの業界や企業のことを説明してくれる貴重な機会です。
事前に自分で企業研究をし、その企業研究の理解とインターンシップで受けた印象を比較して感じたことをノートにまとめていきましょう。
インターンシップに関する情報はこちらを参照ください。
OB/OG訪問で疑問を解消する
次はOB/OG訪問です。
企業研究をしているとよくわからないことが多く出てきます。
学生は企業研究をしたことがないのでこれは当然のことであり、みんな同じように不明点がたくさん出ていることでしょう。
就活生の間で差が出るのは企業研究がうまくできるかではなく、企業研究で出てきた疑問を1つ1つ解消していけるかどうかです。
OB/OG訪問を活用し、疑問点を整理してノートに足していくようにしましょう。
キャリアセンターに相談する
OB/OGをうまく見つけられない、なかなか怖くて勇気ができないという場合は大学のキャリアセンターに相談してみましょう。
何もしないのではなく、まずは自分にできることをやっていくことが大切です。
大学のキャリアセンターであれば就職活動をサポートしてくれます。
慣れないことをやっているのですから、できる限り頼れる人は頼りましょう。
まとめ
企業研究ノートを作る方法について見てきました。
企業研究ノートは企業の情報をまとめるだけでなく、自分の意見や感じたことをまとめていくことが重要です。
企業の情報だけですべてを埋めてしまわないように気を付けてください。
また企業研究は難しいだけでなく学生にとっては慣れない作業です。
自分で集められる範囲で行うのではなく、人に見聞きしながら情報を集めていくようにしましょう。
シューブンでは企業研究に役立つ情報をお伝えしていますので参考にしてみてください。
それでは企業研究頑張りましょうね。
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