はじめに

この記事では経営企画の仕事内容について紹介していきます。以下のような方を対象としているので、当てはまる方はぜひチェックしてみてください。

  • 「経営企画に興味がある」
  • 「企画の仕事がしてみたい」
  • 「経営に携わりたいと思っている」

最後まで読めば、経営企画のやりがいや苦労・キャリアパス・なり方まで網羅的に理解できます。職種研究に活用してみてください。

「職種研究のやり方がよくわからない」という方は、以下の記事を先に読むことをおすすめします。

研究方法がわかるとこの記事への理解も深まり、適切な形で就活を進められるようになるでしょう。

職種研究

経営企画とは

経営企画

まずは経営企画への理解を深めていくために仕事内容を確認していきましょう。

以下4点について順番に解説していきます。

  1. 経営企画は何をする?
  2. 経営企画のやりがい
  3. 経営企画の苦労
  4. 経営企画の平均年収

経営企画は何をする?

経営企画, 仕事内容

経営企画の主な仕事内容は、以上の図解のように3つに分けられます。

①企画

経営に関わる企画をする仕事です。市場の状況・自社・ライバル社の分析をして、経営方針を決めていきます。

企業全体の方向性を決めるので「社内のエース」と呼ばれるような社員が配置されやすいです。

華やかな印象があり、憧れる就活生も多いでしょう。多くの人が経営企画と聞いて真っ先に思い浮かべる仕事です。

②調整

適切に計画を進めていくため、社内の予算や人材を部門間で調整する仕事です。

企業全体の取り組みの中には、さまざまな部門での連携が必要であるものもあります。

部門同士でのやり取りだけでは利害関係の影響でうまく連携が取れないため、経営企画が全体を見渡して調整を行うのです。

③交渉

事業を円滑に進めるために取引先と交渉する仕事です。

企業にはそれぞれ得意分野があり、利害関係をもっています。それぞれの利害関係を考慮しながら交渉していくのです。

また、取引が決定したプロジェクトに関しては、推進するまでのプロセスも請け負うこともあります。

経営企画のやりがい

経営企画

仕事を選ぶ際には、あなた自身がやりがいを感じられるかどうかも気にかけるようにしましょう。

いくら待遇面が恵まれていても、やりがいがない仕事には苦痛を感じるからです。

経営企画の主なやりがいとしては以下3つがあります。

  1. 企業の未来を左右する大きな仕事ができる
  2. 管理職など優秀な人と一緒に仕事ができる
  3. 人を巻き込んで仕事ができる

経営企画は企業の方針を決めるので、とても大きな裁量をもてる仕事です。

「自分自身で意思決定をしたい」「自分で決めた仕事に取り組みたい」という人はやりがいを感じられるでしょう。

経営に関わる仕事なので、当然、社長などの管理職との関わりも深いです。

社会に影響を与え続けている優秀なビジネスパーソンとの関わりを通して、あなた自身も成長を感じられるかもしれません。

「尊敬できる人と仕事をしたい!」という人にとっては、魅力的な仕事でしょう。

また、経営企画は管理職と関わりつつ決めた内容を、他の社員に伝えていく役割ももっています。

自分が思い描いた仕事に人を巻き込んでいくと、リーダーとして尊敬されることもあるはずです。

「人に慕われる仕事がしたい」という人は、経営企画の仕事を楽しみながらできるでしょう。

経営企画の苦労

経営企画

やりがいと一緒に苦労について知っておくようにしましょう。

やりがいと苦労を知っておけば「このやりがいのためなら苦労も乗り越えられる」と感じるかどうかがわかるからです。

経営企画の主な苦労として、以下3つがあります。

  1. 大きな決断を任される重圧がある
  2. さまざまな人を取りまとめるのが大変である
  3. 学ぶべきことが多く休日を仕事に費やすこともある

経営企画は企業の未来を左右するほどの大きな決断を迫られます。

うまく決断できれば大きなやりがいを感じられますが、何を選ぼうか迷ったときには大きな重圧を感じるでしょう。

また、部門間の調整をする際にはそれぞれの利害関係を考慮しなければいけません。

会社全体が良くなるための取り決めであっても、それぞれの部門の人が納得するかどうかは別問題だからです。

決断を下すだけでなく、他の社員がやりがいをもって仕事ができる環境を整えることも必要になります。

人の心はとても複雑で繊細であり、多くの人を取りまとめることは苦労も多いです。

多くの人をまとめるためには心理学などの勉強が必要になるケースもあるかもしれません。

休みの日もいてもたってもいられなくなり、仕事に時間を費やす日もあるでしょう。

経営企画の平均年収

経営企画

経営企画の年収は勤める企業や年齢によっても変動しますが、平均的には620万円ほどです。

社会人の平均年収が430万円ほどであることを考えると、かなり高年収であることがわかるでしょう。

大きな責任が伴う仕事なので年収も高い傾向にあるのです。

大企業であればあるほど年収が高いことが多く、中には1,000万円以上受け取っている人もいます。

高年収を目指したい人にとっては魅力的な仕事と言えるでしょう。

経営企画の1日の流れ

経営企画

経営企画は大きな仕事なので、業務時間が少し長くなる傾向があります。

もちろん、ここで紹介しているのはあくまで一例ですので、参考程度にとどめてください。

帰宅後の時間の使い方については個人の自由です。必ず仕事に関する勉強をしなければいけないわけではありません。

ただ、経営に直接関わっている管理職の仕事量を目の当たりにすると「自分ももっと努力しなければ!」と感じるケースも多いでしょう。

どんな人が向いてる?

経営企画

続いて、経営企画に向いている人の特徴を3つ紹介していきます。

  1. 倫理観が強い
  2. 責任感が強い
  3. 目標に向かう道筋が見える

①倫理観が強い

倫理観が強い人は、経営企画の仕事に向いています。経営をする際には企業イメージを大切にする必要があるからです。

ただ、倫理観が強いあまりに、納得いかないことに関してはモチベーションがわかない傾向があります。

納得いく状態を作るよう努力したり、モチベーションがわかない仕事は他の人に任せたりするなどの工夫が必要でしょう。

②責任感が強い

経営企画

責任感が強い人は経営企画を行う人材として重宝されます。経営企画は大きな決断を迫られる仕事だからです。

責任感が強い人は信用されやすいので、事業をスムーズに進めやすくなるでしょう。

ただ、「なんでも受け入れる=責任感が強い」わけではありません。

あなたができる範囲のことに精一杯取り組むことが、結果として周囲のためになることを忘れないでくださいね。

③目標に向かう道筋が見える

目標に向かう道筋が見える人は、経営企画の仕事にやりがいをもって取り組めるでしょう。

間違った方向に進んでしまうことを防げるからです。

チーム内の誰かが方向を間違えたときもうまくチームをまとめられるでしょう。

ただ、目標への道筋が見える人は、目標以外のことに関する意見に対して興味が薄い傾向にあります。

目標にまっすぐ向かっていくことも重要ですが、周囲への心配りも意識してみましょう。

経営企画で求められるスキル・資格・マインド

経営企画

前章で経営企画に向いている人の特徴を紹介しました。

さらに踏み込んで具体的に経営企画で求められる人物像を探っていきましょう。

この章では以下3点について紹介していきます。

  1. スキル
  2. 資格
  3. マインド

スキル

経営企画の仕事には以下のようなスキルが求められます。

  • リサーチ能力
  • 分析能力
  • コミュニケーション能力

まず、企画を立てるために市場の状態を適切に把握するリサーチ能力が必要になります。

企画のもとになる情報をうまく集められないと、企画を作れないからです。

また、集めた情報をもとにして「いま何が求められているのか」などを分析する力も求められます。

さまざまデータを持ち出して客観的に考えるほど、成果の上がる企画が思い浮かぶでしょう。

最後に、出来上がった企画を他の社員や取引先に伝えるコミュニケーション能力が必要です。

企画を実行するためには、多くの人の協力が必要になります。

相手が納得する形で企画を伝えられるように、コミュニケーション能力も磨いていきましょう。

普段の友人や家族との関わりの中で、相手の立場になって考える癖をつけるだけでも能力を磨けますよ。

資格

経営企画

経営企画になるために必要な資格はありません。

しかし、仕事をする上で大きな武器になる資格はあります。たとえば、以下のような資格です。

  • 公認会計士
  • 中小企業診断士
  • 経営学修士(MBA)

公認会計士は会計の知識が身につくので、企業を存続させるために必要なお金を適切に扱いやすくなります。

また、中小企業診断士や経営学修士は経営に関する網羅的な知識が身につく資格です。

知識をもっていればさまざまな視点で経営について見ることができるため、実務にも役立つでしょう。

どの資格も取得が難しい資格ですが、その分だけ就活で大きな武器になりますよ。

マインド

経営企画では以下のようなマインドが求められます。

  • チームワークを大切にする
  • 成長意欲がある
  • 世の中の仕組みを変えていきたい

企業の経営は複数の人と協力して行うものです。企画の立ち上げから実行まで、チームで取り組む意識をもつようにしましょう。

また、チームワークを大切にするとは言っても、人に任せきりの態度ではリーダー的な存在である経営企画は務まりません。

自分自身が誰よりも努力して成長する意欲が必要です。

努力している人はそれだけ周囲の人へよい影響を与え、信頼を勝ち取れるでしょう。

信頼関係を築ければあなたの企画に意欲をもって取り組んでくれる仲間が増え、成果もあげやすくなります。

「努力したい」「成長したい」と思うには何かしらの動機が必要です。

世の中の仕組みを変えていきたいと感じるなど、大きな志をもつようにしましょう。

そういった志は人の心を動す力があるので、あなたの周囲の人も成長しようと努力し、チームワークが高まります。

いくらスキルがあってもマインドがなければ人はついてきません。

学校の勉強やサークル活動などを通して、マインドを育むことを意識してみてくださいね。

経営企画のキャリアパスは?

経営企画

前章までで、経営企画に必要な素質について理解できたと思います。

続いて気になるのが「どうすれば経営企画の仕事に就けるか?」でしょう。

この章では、経営企画になるためのルートと経営企画になった後のキャリアアップついて解説していきます。

経営企画になるには?

経営企画は企業のリーダ的存在であり、実際に職に就くためには実力を認めてもらう必要があります。

社内での評価を上げて昇進を目指すか、転職によって経営企画になる道が挙げられるでしょう。

どちらの道を選ぶにしても、社内で高い評価を得ることが必須です。

企画職の経験を積んでおくと、経営企画へのキャリアアップが目指しやすくなります。具体的には事業企画や営業企画です。

事業企画は事業単位での企画、営業企画は製品単位の企画をする仕事であり、経営企画よりもミクロな視点での企画を担当します。

営業企画については以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてくださいね。

営業企画

経営企画のキャリアパス

経営企画

経営企画は経営に関する知識と経験が得られるので、CEOなどの経営陣に昇進することができます。

CEOは最高経営責任者であり会社のトップ的な存在です。その下に最高執行責任者であるCOOと最高財務責任者であるCFOが続きます。

COOとCFOは担当分野が異なり、どちらも会社のナンバー2に位置するポジションです。

また、経営企画からは経営陣以外にもコンサルティング会社への転職を目指すこともできます。

自分自身で裁量をもって仕事をしたいか、知識と経験を活かして人を手助けする仕事をしたいかによって選ぶことになるでしょう。

経営企画の最新動向

経営企画

日本の経済は低迷状態にあります。

これを脱却するために新規事業を立ち上げたり、海外進出をしたりするなど新たな戦略を打ち出す企業も多くなってきました。

こういった戦略を立てるのが経営企画の仕事です。

そのため、経営企画の仕事は需要が高くなっています。目指しやすい状態にあると言えるでしょう。

また、AI技術を使って市場の分析などの効率化も進んでいます。AIに詳しい人材が経営企画に必要とされているのです。

AI技術についても学びを深めることで、経営企画の仕事に就きやすくなるでしょう。

日頃から関連するニュースに関心を向けてみてくださいね。

経営企画におすすめの本

経営企画

経営企画について知識を深めたい方におすすめの本を紹介します。

これから経営企画への就職を目指すなら、山口周著『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』という本がおすすめです。

この本は、さまざまな問題が複雑に絡み合っている現代においては、意思決定に美意識が大切だと説いています。

従来は経営判断には論理的思考がとても重視されていました。しかし、すでに論理だけでは経営判断が難しい時代がきているのです。

本の中ではどうして美意識が大切なのかを具体的な事例を交えて解説されています。

これからの時代を生き抜く経営企画職を目指したい方は、ぜひ読んでおくとよいでしょう。

この本をもっと知りたい方はこちら

まとめ

経営企画

経営企画の仕事について紹介してきました。

経営企画は企業の未来を左右する決断を下す仕事です。

責任が重いので新卒ですぐになれる職業ではありませんが、営業企画などの職からキャリアアップしていけば十分狙えるでしょう。

時代の流れが早い現代では経営についても難しい判断が必要とされており、適切な判断ができる経営企画の需要が高まっているからです。

「経営に携わりたい」「大きな仕事をしてみたい」という人はぜひ目指してみてください。

経営企画の仕事はどんな業界にもありますが、これからAI技術が取り入れられていくことを考えるとIT業界への理解が必要でしょう。

IT業界については以下の記事で解説しています。興味があればあわせて読んでみてくださいね。

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この記事を書いた人あっしー