はじめに
就職活動を進めていく際に話題に上がるのが、OB/OG訪問です。
しかし、OB/OG訪問をお願いする際にSNSで依頼するわけにはいきません。
ゼミやサークルの先輩であったとしても、依頼はメールで行うのが基本です。
今回は社会人である先輩方に送るときに役立つメールの書き方を紹介していきます。
目次
OB/OG訪問におけるメールの構成
OB/OG訪問を含め、ビジネスの場では決まった構成があります。
間違っても「○○さん久しぶりッス!」なんて送ってはいけません。
学生のうちは使ったことがないものも多いのでここでしっかり覚えていきましょう。
宛先
宛先とはメールアドレスのことです。
メールアドレスは一文字でも間違っていると相手に届かないので可能であれば手入力は避け、コピー&ペーストで入力するとよいでしょう。
ただ、名刺など紙媒体でメールアドレスをもらう場面もあるので全てがコピー&ペーストできるわけではありません。
その際は間違わないように慎重に入力してください。
文字が抜けていたり正しいと勘違いしてしまったりすることはよくあるので、注意が必要です。
ちなみに相手に届かなければメールのシステムから届いてないことを示す内容のメールがすぐに来るので、送った後は確認してみましょう。
システムからのメールが来ていなければ届いています。
また人名などは発音だけを意識していると【shimada】を【simada】として間違えることもあるので、よく確認しましょう。
To・CC・BCCの使い方
メールの宛先欄にTo以外にもCCとBCCという項目があります。
これらはOB/OG訪問の依頼時には使うことはありませんが、念のため覚えておきましょう。
Toは件名に直接関わる人のアドレスを入力し、CCは直接ではないが関連する人物のアドレスを入力します。
宛先が複数であるときに、誰に送ったかわからないように使うのがBCCです。
OB/OG訪問ではCCやBCCを使うことはありませんが、間違ってToに入れるべき宛先をCCに入れることのないよう一応注意しましょう。
件名
件名はメールの内容を一目でわかるようにするために必要なものです。
社会人は一日に何十通とメールを見なければなりません。
そのため件名は内容がすぐわかるように簡潔に記載しましょう。
例としては以下の通りです。
- OB/OG訪問のお願い【○○大学 ○○ ○○】
- OB/OG訪問依頼に関しまして【○○大学 ○○ ○○】
上記のように何を目的としたメールなのかをはっきり記載します。
また担当者が名前や大学で検索することを考慮し、自分の大学と氏名を記載しましょう。
宛名
宛名は誰に宛てたものかを明確にするために本文の一番上に記載し、例としては【○○株式会社 ○○様】となります。
メールアドレスと違って宛名は間違っても誰も修正してくれません。
名前や企業名を間違えることは非常に失礼にあたりますので、しつこいぐらいに確認しましょう。
同じ読みの苗字でも表記が違う場合もあります。変換で出てきた漢字と実際の名前をしっかり照らし合わせてください。
どうしても変換で出てこない場合はネットなどで検索してコピー&ペーストしましょう。
相手先の部署や役職がわかっている場合は【○○株式会社 営業部一課○○様】のように部署名と相手の氏名を記載するとより丁寧になります。
本文
例)
○○株式会社 ○○部 ○○課 ○○ ○○様 突然のメールで失礼いたします。 私、○○大学 ○○学部の○○ ○○と申します。 この度、大学の紹介にて○○様のことを存じ上げまして、OB/OG訪問させていただきたくご連絡させていただきました。 不躾なお願いで恐縮ではございますが、もしよろしければ○○様のご都合のよい日時をご教示いただけますと幸いです。 お忙しいところ大変恐縮でございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
以上が一般的な例文となります。
先に説明した通り、まずは【誰宛なのか】【自分が何者であるか】から始め、大学名や名前は省略せずに正式名称で記載することもポイントです。
要件はOB/OG訪問をしたいということなので、変に遠回しにせずそのことを記載しましょう。
簡潔かつ、忙しい合間を縫って時間を作ってもらうということを意識して【相手の都合に合わせる】という姿勢を忘れないようにしてください。
ゼミやサークルの先輩であったならば【在学中にお世話になりました○○です】と書き加えてもよいでしょう。
よくビジネスシーンでは【お世話になります】という書き出しもありますが、初回は控えた方が無難です。
署名
例)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ○○大学 ○○学部○年 ○○ ○○ 住所:111-1111 ○○都○○区○○ Tel:090-○○○○ー○○○○ Mail:○○○○○@○○○.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |
署名は本文の最後に自分の情報を伝えるために記載します。
例文のように大学名からメールアドレスまでをシンプルに書きましょう。
ここでも略称は使わないように注意してください。
署名であるとわかりやすくするために線で区切っても構いませんが、そのままでも問題はありません。
ちなみに署名は就職活動中にOB/OG訪問以外にもインターンの申込み、企業とのやりとりなどで使う機会が多くなります。
可能であればテンプレとして保存しておくと毎回作らなくて済むので、この機会に作ってしまいましょう。
OB/OG訪問メール作成時に注意すること
メールを作成したときに注意すべき項目を紹介します。
宛名、署名を必ず書く
宛名、署名は必ず書きましょう。
メールは手紙と同様で、【誰宛で】【誰から】がなければ受け取った人が混乱します。
SNSでは入力する必要のないものでも、メールでそれらが抜けてしまうと特定するのに手間がかかるのです。
普段のくせでうっかり抜けてしまったということもあるので送る前に必ず確認してください。
特に相手の氏名や会社名の間違いには注意しましょう。
また署名を入れ忘れるとメールアドレス以外の連絡先が相手に伝わりませんので、文末に署名を入れるということを忘れないようにしてください。
誤字脱字チェック
本文ができあがったら次は誤字脱字のチェックをしましょう。
誤字脱字は書いている方は見逃しがちですが、読む方はなぜかすぐ気づきます。
大きな問題ではありませんが、正しい漢字を使って損をすることはありません。
OB/OG訪問のメールで使うことは少ないかもしれませんが、【意志】や【意思】、【確立】と【確率】などの同音異義語は注意してよく見直しましょう。
メールに関するマナー
皆さんが社会人になると様々なビジネスマナーを見聞きするようになりますが、当然メールにもマナーがあります。
マナーは人と人との関係を円滑に保つために大事なものです。
相手の負担にならないメールを送ることはその一歩といえます。
適度に改行する
OB/OG訪問で長文のメールを送ることはあまりないとは思いますが、思いのほか長くなってしまった場合は適度に改行しましょう。
目安としては3行ぐらいになったら1行空けるぐらいが読みやすくなります。
小説のように続けて書かれた文章を読みたがるビジネスマンは少ないので、あくまでも【要件を伝える】ためにメールを書きましょう。
24時間以内に返信する
もしOB/OG訪問の依頼に対して返信があった場合は極力24時間以内に返信しましょう。
メールはリアルタイムのやり取りではないため多少のタイムラグは認容されますが、2日3日と返信をしないのはマナー違反といえます。
ましてやお願いしている立場で返信が遅れることは相手の心証も損ないますので、土日であったとしても可能な限り返信を心がけましょう。
どうしても返信できない事情があった場合は遅れてしまったことをお詫びして返信するようにするとよいです。
返信が来た場合は件名を変えない
相手が送ったメールに対し返信すると、件名の部分が【Re:○○の件】というように変わります。
メールに再度返信する場合は件名部分を変更しないようにしてください。
件名を変更すると何についてのやり取りだったのかわかりにくくなり、新しいメールなのかもしれないと読み手の手間を増やします。
【Re:○○の件】のまま返すことは全く失礼ではないので、そのまま返信して問題ありません。
OB/OG訪問依頼メールの書き方
OB/OG訪問のお願いをする際の具体的な書き方を紹介します。
件名はシンプルに
先にも説明した通り件名はシンプルが一番です。
【OB/OG訪問のお願い】で十分でしょう。
相手は何十通とメールに目を通していることを忘れないようにしてください。
会社名を略さない
OB/OG訪問をしたい先輩が有名な企業に勤務している場合もあるでしょう。
その場合、普段から使っている名称を使ってしまうかもしれませんがメールのときは正式名称を使います。
上に示したようにしっかりと株式会社まで記載し、通称を使わないように注意してください。
書き出しは相手の宛先から始める
本文の書き出しは宛先・自分の名前の順に記載しましょう。
その次に本文に移りますが、本文にはOB/OG訪問をお願いしたいという内容の他になぜ依頼したいのかということを伝えるとより熱意が伝わります。
例)
○○株式会社 ○○部 ○○課 ○○ ○○様 突然のメールで失礼いたします。 私、○○大学 ○○学部の○○ ○○と申します。 この度、大学の紹介にて○○様のことを存じ上げまして、OB/OG訪問させていただきたくご連絡させていただきました。 現在、就職活動中の身でございますが、貴社の仕事内容に大変興味がございます。 私は将来は貴社のような○○の領域で活躍したいと考えておりましたので、同じ大学のご出身でいらっしゃる○○様に是非ともお話をお聞かせいただければ幸いでございます。 不躾なお願いで恐縮ではございますが、もしよろしければ○○様のご都合のよい日時をご教示いただけますと幸いです。 お忙しいところ大変恐縮でございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
以上のように【なぜ依頼したいのか】を明記すると受け取った相手も応えてあげようかなという気持ちになります。
可能な限り理由は記載しましょう。
返信メールの書き方
OB/OGの都合がついて訪問できることになったらすぐに返信をしてください。
また都合がつかなくお断りのメールを受けることもあるでしょう。
そのときの返信例を紹介します。
OB/OG訪問を承諾された場合
承諾された場合はすぐに返信しましょう。
間を空けない方が印象がよくなります。
24時間以内に返信するように心がけましょう。
例)
この度はOB/OG訪問を快諾いただきまして誠にありがとうございます。 お会いできることを楽しみにしております。 頂戴いたしました日程にてお伺いいたします。 当日は何卒よろしくお願い申し上げます。 |
OB/OG訪問を断られた場合
例)
この度は、ご返信頂きありがとうございました。 ご予定がつかない中ご検討いただきましてありがとうございます。 また機会があればお話をお伺いできれば幸いです。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 |
上記のように都合がつかなかったとしても自分のために検討してもらったということに対しての感謝の気持ちを伝えましょう。
もらった日程に訪問できない場合
もらった日程で訪問できない場合は辞退する旨を早めに連絡する必要があります。
社会人であればピンポイントで日程を送ることは少ないと思いますが、どうしても外せない用事があるなどの場合はお断りすることも必要でしょう。
その際は訪問できない理由を説明すると丁寧です。
ただし、プライベートの遊びやアルバイトなどの理由は相手の心証を損ねるので、家庭の事情など無難な理由にするのがおすすめです。
お礼メールの書き方
OB/OG訪問後にお礼のメールをするのは言うまでもありません。
お礼メールを送るタイミングや内容を紹介していきます。
訪問当日
お礼のメールは早ければ早いほど印象がよくなります。
概ね24時間以内に送ると好印象に繋がるといえるでしょう。
どうしてもメールが遅れてしまった場合は遅くなったことに対してのお詫びの一言を加えて送ります。
例)
お世話になっております。 本日訪問させていただきました○○大学の○○です。 ○○様にはお忙しい中貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。 ○○様から仕事の内容を始め、働くということの厳しさと楽しさ、またプロとしての意識を詳細にご教示いただき大変参考になりました。 ホームページでは伺い知れない細かな部分も丁寧に解説いただき、感謝の意に絶えません。 ○○様を目標にともに働ける日を目指し、努力する所存です。 本当にありがとうございました。 今後ともどうぞよろしくお願い致します。 |
以上のようにOB/OGに対してどこが参考になったのか感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。
大学の後輩の励みになったとすればOB/OG訪問を受けた甲斐もあるというものです。
就職活動終了後
就職活動を進めていく中で必ずしもOB/OG訪問先の企業の内定をもらえないこともあるでしょう。
例え他の会社に行くことになったとしても、時間をかけてもらったこと、気にかけてもらった事実は貴重なものです。
親身になってアドバイスしてくれた先輩に一言メールを送ることはとても大事なこととなります。
例)
お世話になっております。 ○月○日にOB/OG訪問でお時間を頂きました、○○大学の○○です。 その節は貴重な機会を賜りまして誠にありがとうございました。 実はこの度、○○会社から内定をいただきまして就職活動を終えました。 せっかくお時間をいただいたにも関わらず、○○様とともに働くことはかなわなかったのですが、○○様に教えていただいたことが自分の中で非常に大きな糧となりまして、仕事に対しての志望動機を明確に持つことができました。 ○○様のお話を聞いたことで就職活動の軸を決めることができたこと、感謝申し上げます。 お忙しい中お時間を頂きまして、また、お気にかけていただき本当にありがとうございました。 もしお仕事でご一緒する機会がございましたら、その際はまたいろいろとお話を伺えると幸いです。 ○○様のますますのご活躍を祈念しております。 |
質問や問い合わせメールの書き方
OB/OG訪問の前に質問したいことが出てくる場合もあるでしょう。
そのときもメールの書き方の基本は同じで、件名に質問内容を記載し簡潔に本文を書いていきます。
内容を件名に入れる
件名には質問内容を簡潔に記載します。
例えば当日の待ち合わせ場所について聞きたいとしましょう。
その場合は、【OB/OG訪問当日の待ち合わせ場所に関しまして】というようにすぐに内容がわかるような文面が望ましいです。
簡潔に書く
本文には件名の質問内容をわかりやすく書きます。
例)
○月○日のOB/OG訪問に関してお伺いしたくご連絡させていただきました。 待ち合わせ場所に○○駅と伺っておりましたが、調べたところ北口、南口と離れているようです。 どちらの改札で待ち合わせかご教示いただけますでしょうか。 お忙しいところ恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
ビジネスシーンのメールでは疑問文であっても【?】は使わないことに注意しましょう。
社内では使うことはありますが、外部の人とは基本的に使いません。
質問文なので使ってしまいそうになるかもしれませんが、【。】で終わることに注意が必要です。
まとめ
以上、OB/OG訪問をお願いするときや返信するときのメールの基本を紹介してきました。
宛名を書いたり、署名を使ったりとLINEなどのSNSでは使わないものばかりだったのではないでしょうか。
しかし、皆さんが社会人になるとこんなやり取りが当たり前になります。
特にメールは相手の顔も声もわからない状態でのコミュニケーションです。
名前を間違えたり、宛名を入れ忘れたりすることは大変なマナー違反として認識されてしまいます。
もし作ったメールに自信がない場合は慣れている人に一度添削してもらうといいでしょう。
ただしテンプレはあくまでも参考です。
自分の言葉を普段から使うようにすると自然なメールになりますので、まずはメールを送ることに慣れていきましょう。
OB/OG訪問以外にも就職活動のスケジュール感など下記の記事も参考にするとより就職活動が理解できます。
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