はじめに

就職活動のスタートは自己分析と業界研究、そして職種研究と言われます。

この中でも職種研究は何をすべきかわかりづらいという人も多くいるのではないでしょうか。

同じ会社でも職種によって働き方や年収が異なるので、企業選びと同じくらい職種選びも重要です。

職種毎のやりがいや苦労、生活スタイル等を把握しましょう。

この記事では不動産営業の職種研究をしていきます。

職種研究のやり方は以下の記事を参考にしてください。

職種研究

不動産営業とは

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不動産営業は主に5つに分類できます。

  1. 不動産販売営業
  2. 不動産賃貸営業
  3. 不動産販売代理営業
  4. 投資用不動産営業
  5. 土地有効活用

不動産販売営業はわかりやすいですね。

自社で保有する家や不動産をお客さまに販売します。新築物件を販売するときは一度自社で物件を保有するのでこのタイプになるでしょう。

不動産賃貸営業は賃貸に出したいオーナーさんの情報を不動産を借りたい方につなぐ仕事です。

不動産販売代理営業は様々な会社や個人から委託をされ、不動産を代わりに販売してあげます。中古不動産等がメインとなるでしょう。

投資用不動産は居住用ではなくお金が余っている人の投資として不動産を買いませんか、と営業をするものです。

中長期的に不動産の値段が上がれば不動産も資産運用になりますね。

最後は土地有効活用の営業です。余っている土地をマンションやアパートにしましょうという営業をしていきます。

このように不動産営業と言っても多くの種類がありますので注意してください。

不動産営業は何をする?

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不動産営業は3つの営業方法を駆使します。

  1. 問い合わせに対応する反響
  2. 営業テレアポ
  3. 新規飛び込み営業

問い合わせに対応する反響営業はインターネットやチラシを見て興味を持ってくれたお客さまに連絡をすることです。

お客さまの興味がある状態からスタートするので比較的穏やかに商談ができるのではないでしょうか。

テレアポは手元のコールリストをひたすらに上から「不動産に興味はありませんか」と連絡をしていくものです。

基本的に断られ続けるので精神的には厳しいですよね。

飛び込み営業は家に直接行って営業をします。

自分の住んでいる近くに新しく家を買うことが多いので、売りたい不動産周辺の居住者を狙うのが効率的なのです。

また土地有効活用のための営業は直接その土地を持つ方の家へ突然伺うことが多いでしょう。

不動産営業のやりがい

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何かと大変そうな不動産営業ですが、どのようなやりがいがあるのか見ていきましょう。

お客さまの人生に大きな影響を与える

購入いただくお客さまの人生に大きな影響を与える覚悟が必要でしょう。

不動産は非常に高額です。居住用の不動産購入の営業であればその人の生活の根幹を決める大切な決定となりますよね。

投資用の不動産でも数千万の買い物をするのでその運用がうまくいくかどうかで人生を大きく左右します。

お客さまの希望に合った物件を紹介できればお客さまの幸せの土台を作ることができますね。

成果に応じて高い報酬がもらえる

販売成績に応じた成果連動給となることが多く高い成果を残せば給料も多くもらえるでしょう。

不動産が好きとか相手に大きな影響を与えたいということではなく、「稼ぎたい」というモチベーションで仕事をしている人も多くいます。

高い営業力が身につく

不動産は高額の取引をするので営業力で結果に大きな差が出る仕事です。

いかにお客さまに大切な決断をさせるかを常に考え営業力を磨いていく必要があるため、営業として大きく成長できます。

不動産営業は活躍した人が独立することも多くどこでも活躍できる営業力がつくことを目指して頑張る人もいる職種です。

不動産営業の苦労

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大きなやりがいと背中合わせではありますが不動産営業には苦労も多くあります。

ここでは苦労について見ていきましょう。

ノルマがとても厳しい

不動産営業はとてもノルマが厳しいことで有名です。

例えば自社で保有する新築マンションを販売することになったとしましょう。

順調に販売が進んだが最後1戸だけ残ってしまったとします。

1戸でも数千万円が売れ残ったということになるのでプロジェクト全体の採算に大きく影響しますよね。

取り扱う1件当たりの金額が大きいのでノルマ達成に厳しい目線が向けられるのです。

ワークライフバランスがとりづらい

個人向けに営業をする場合は土日も休みが取れません。

その分平日に休めますが営業は手数が大切ですので極力お客さまとの接点を多くするよう活動を続けます。

残業も多くワークライフバランスはとりづらい職種と言えるでしょう。

顧客クレームが多い

営業でいきなり顧客に電話したりお宅を訪問したりするので、相手にされないことやクレームを言われることが多々あります。

お客さまからすれば全然意向にない提案をされるので時間の無駄と感じることも多いですよね。

精神的な強さが求められます。

不動産営業の平均年収

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厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると不動産業界の平均年収は446万円です。

不動産営業のみに絞ると約400万円と言われています。

不動産営業は営業成績に応じて賃金は大きく左右されるのであまり平均を気にしなくともいいです。

平均が低く出るのは離職率が高く、稼げる前に退職する人がいるため全体として平均が上がりづらくなります。

成績によっては年収1,000万を超えてくる方も多くいますので、基本的には成果を出せれば高収入の業界であると認識しましょう。

不動産営業の1日の流れ

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取材を基にシューブン編集部作成

基本的にはどの営業も日中時間はお客さまの対応に当たることが多いでしょう。

お客さま対応がない時はひたすら情報収集でお客さまに提供できる情報の幅を広げておきます。

物件の下見や周辺の町の様子を把握しておくことでお客さまに家を提供する以上に暮らしを想像させることができるでしょう。

夜にはお客さまから契約内容の相談に対応したりローンを組む銀行と連携をしたりと幅広く連絡を取る仕事もあります。

帰宅できるのは夜遅くなり残業もそれなりに覚悟が必要です。

どんな人が向いている?

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不動産営業になること自体はそこまで難しいことではないですが活躍することはハードルが高いです。

どのような方が活躍する傾向があるかを見ていきましょう。

ストレス耐性が強い

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何といってもストレス耐性が強い人が活躍するでしょう。

1件当たりの売上、収益が大きいため1つ1つの営業機会に対する気合の入り方は凄まじいものがあります。

それを逃しようものなら厳しい目線が向けられてしまうのです。

それでもめげずに目標達成に向かって営業し続けなければなりません。

ストレス耐性に自信がない人は辞めておきましょう。

稼ぎたいという明確な目標がある

不動産営業で活躍する人は年齢関係なく年収は相当に高くなります。

世の中的に稼げる仕事と言えるでしょう。

厳しい仕事でも強く稼ぎたいという動機があれば耐えられますね。

将来独立を考えておりその資金を貯めたい等、稼ぎたいと強く思っている人は向いていると思います。

営業に自信がある

学生の時から営業で高い成績を残していたような方は不動産営業にチャレンジされるといいかと思います。

学生の方でもアルバイトやインターンで営業をする機会があった方もいるのではないでしょうか。

お客さまの様子を洞察しどうしたら気に入ってもらえるかを考える等のスキルはそのまま活かせるはずです。

不動産営業で求められるスキル・資格・マインド

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不動産営業は特に高額の取引を行いますのでスキルや資格、マインド等高いレベルが要求されます。

それぞれどのような力が求められるか見ていきましょう。

スキル

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不動産営業に必要なスキルは営業力全般なのですが営業力とは何か、をもう少しブレークダウンしましょう。

  1. 情報収集力
  2. 企画力
  3. 提案力
  4. 交渉力
  5. 行動力

不動産営業も必ずお客さまありきの商売です。

お客さまが何を求めているを情報収集しどのような提案をするか企画します。

それを魅力的に見えるよう提案し早く決断してもらえるよう交渉することが必要です。

このサイクルを多く繰り返すために常に行動することが求めれるでしょう。

不動産営業には高い営業スキルが求められます。

資格

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宅地建物取引士は不動産営業には欠かせない資格となります。

不動産取引には法律や規則が多く存在するため取引を安全に執行するための知識が必要です。

この資格を持った人がいないと取引をしてはいけない、と法律で定められています。

不動産業界に就職すると若いうちに皆この資格の取得を目指すことになるでしょう。

法律等の勉強は覚悟が必要です。

マインド

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必要なマインドはストレス耐性や鈍感力です。

不動産営業は非常にストレスが大きい仕事と言えるでしょう。

簡単にストレスに潰されてしまうようでは不動産営業を長く続けることはできません。

へこたれない姿勢や嫌なことを言われても気にしない鈍感力がある方が継続的にこの職種で成果を出していく人になります。

不動産営業のキャリアパスは?

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不動産営業にはどのようになるのでしょうか?

また不動産営業になった後どのように成長してキャリアを積んでいくのかを見ていきます。

不動産営業になるには?

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不動産営業になるには新卒でも中途でも多くの求人があり、職に就くのは比較的容易です。

仕事の厳しさから離職率が高い一方、不動産市況は悪くないので求人がいつもあります。

大手ディベロッパー等は採用が少ないですが不動産営業を採用する住宅販売会社や中古流通会社は採用も多いので機会は多くあるでしょう。

不動産営業のキャリアパス

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取材を基にシューブン編集部作成

入社後どのようにキャリアを積んでいくかを考えていきましょう。主には以下の4つほどの道があるかと思います。

営業のマネージャー職になる

まずは不動産営業としてずっとキャリアを積んでいくというものです。

営業所の担当から課長になり、部長、所長と職位を上げていきます。

自分に営業力をつけ営業を指導・管理することで大きな成果を出すことが期待されるでしょう。

他の営業職に転職する

不動産営業から他の営業職になる方もいらっしゃいます。

営業力がつくと売るノウハウがつくので、商品が変わっても高い成果を残すことができるようになるでしょう。

不動産でなく生命保険等の高額な商品の営業になる方も多くいらっしゃいます。

独立する先輩についていく

仲がいい先輩が独立するときに一緒についていき新しい職場で同じような仕事をする方も多くいらっしゃいます。

社長と近い距離で仕事をするのでノルマや目標も話し合いながら決められますし納得感の高い仕事ができるでしょう。

自ら独立する

営業力がつくということは稼げるということなので自分の腕一本で生きていくこともできますね。

独立して不動産関連の会社を作り仲間を集めるという方も多くいらっしゃいます。

不動産営業は活躍できる営業力がついてしまえば他の職種に比べてキャリアの選択肢は広いと言えるでしょう。

不動産営業の最新動向

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不動産営業がこれから直面する機会や課題についてお話をします。

顧客からの評判が大切になる

最近は顧客からの評価がインターネットサイトを通じて誰でも見られるため、顧客からの評判がより重要になりました。

良い物件の情報を持っていても評判の悪い会社から高い買い物をしようとは思わないですよね。

物件情報を同様にお客さまと向き合う姿勢を大切にする必要があります。

専門知識の重要性が高まる

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お客さまもインターネットを使って簡単に不動産に関する知識を取得できるようになりました。

ある程度の知識をもってから相談に来ることも増えています。

だからこそプロとして専門的な知識を提供することが付加価値となるでしょう。

自分がプロとして成長し続けることでお客さまに信頼されるようになります。

独立したい人の登竜門に

キャリアパスでも出てきましたが不動産営業は独立しやすい職種です。

世の中的に副業解禁も進む中、1つの会社に所属しなくとも独立や副業で稼ぐ方法が増えてきています。

不動産営業で営業力をつけ将来に独立する、という選択がより選びやすくなってきていると言えるでしょう。

不動産営業志望者におすすめの入門書

不動産営業,職種研究

不動産営業を志望する学生におすすめの本を3つほど紹介します。

新人不動産営業マンが最初に読む本

具体的な業務内容についてイメージをつけたいという方はこちらの本が分かりやすいかと思います。

不動産営業経験者が実際にどのような業務をやっていたかを解説してくれており不動産志望の方には役に立つでしょう。

この本が気になる方はこちら

知りたいことが全部わかる!不動産の教科書

より実践的に不動産営業がやるべきことをまとめてくれています。

様々な不動産取引についてのケースを紹介してくれるので不動産販売や賃貸等興味を持った分野の仕事内容を知ることができるでしょう。

不動産企業の社長が書いている本なのでその会社を受ける人は要チェックです。

この本が気になる方はこちら

図解即戦力 不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

業界研究がメインの本です。不動産業界で今後起きることや不動産業界の仕組みをよく理解できます。

後半には不動産営業のリアルな職場環境の話等もあるので不動産営業の現実を把握することができるでしょう。

この本が気になる方はこちら

まとめ

不動産営業,職種研究

不動産営業の職種研究をしてきました。

稼ぎが大きい分ストレスも大きいというのが不動産営業の特徴でしょう。

将来的に独立を考えている人やアルバイトやインターンで営業に自信のある人はおすすめの職種です。

ワークライフバランスはとりづらいのでガッツリ仕事がしたい人以外は避けておいた方が無難でしょう。

不動産業界の理解を深めたいという方は不動産の業界研究も参考にしてみてください。

不動産,業界

それでは職種研究頑張ってくださいね。

この記事を書いた人mike