はじめに

業務量が多いと言われる営業事務は、営業マンのサブ的な立ち位置として事務仕事をする仕事です。

この記事では営業事務の職種研究をしていきます。顧客管理、社内文書作成、スケジュール管理など具体的な仕事内容や自分に合っているかなどを理解しましょう。

職種研究のやり方がわからない人は以下の記事で紹介していますので参考にしてください。

職種研究

営業事務とは

営業事務,職種研究

営業事務とは企業の営業部門において営業担当をサポートする仕事です。

営業は顧客と商談をし売上を上げるためにいかに顧客接点を増やすかを考えています。

顧客と商談が進んでいけば見積が必要になり成約すれば請求が発生します。

このように営業には多くの事務がつきものです。この事務を請け負うのが営業事務の仕事となります。

企業の営業活動をスムーズにするための重要なポジションと言えるでしょう。

営業事務は何をする?

営業事務,職種研究

具体的に営業事務が行う仕事は以下のようなものです。

  1. 見積書の作成・提出
  2. 契約書の作成・内容確認
  3. 納品書・受領書の作成
  4. 請求書の作成
  5. 顧客与信管理
  6. 電話対応
  7. 来客対応

営業が顧客と商談をし、顧客が自社の商品やサービスに興味を持った時にどれくらいのコストがかかるのかを提示するのが見積書の作成・提出の仕事です。

契約書の作成は具体的に顧客が自社の商品・サービスの購入を確定し契約をする作成します。

後々トラブルにならないように契約書作成には誤りがないよう複数人でチェックをするなど慎重さが欠かせません。

商品・サービスを納入すると「納入しましたよ」と通知をするための納品書を作成し送付します。

顧客が納品や検収をすると正式に商品・サービスの売買が終了します。最後に請求書を作成・送付し入金を確認すると一安心です。

顧客が問題なくお金を払ってくれる企業なのかをチェックするための与信管理も営業事務が担当することが多いでしょう。

こうした一連の商品の売買にかかる流れをすべてフォローします。この間に顧客とのやり取りで電話やメールの応対をします。

また顧客来訪時には顧客を会議室まで案内したりお茶を出すというのも営業事務の仕事となります。

営業事務のやりがい

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営業事務は営業組織の一員です。営業組織は基本的に目標を持ちます。

目標に向かってみんなで一丸となって頑張りますので、目標が達成できた時は一緒に喜びを分かち合えます。

正直一つ一つの仕事自体は地味で面白くないかもしれません。ただしその仕事は全て営業目標を達成するための一歩になります。

目標に向かって頑張っている人を支えたいチームとしての達成感を味わいたいという方には営業事務はやりがいを感じられる仕事かと思います。

営業事務の苦労

営業事務,職種研究

次に営業事務をしていて大変なことをまとめています。

目標に向かって頑張っていく以上それなりに大変なことも起きます。

突発的な仕事が多い

まず営業が顧客と話をする中でいきなり見積もりが欲しいと言われることもあります。

すると営業から営業事務に「お客さんの思いが熱いうちに見積送っておいて!」を依頼をされます。

するとその依頼にすぐに対応しないといけません。

営業が顧客との商談をうまくいったので嬉しい話なのですが営業事務としては突然の仕事となってしまいます。

こうした突発的な仕事が多く残業が多くなりがちなのが営業事務のつらいところです。

営業担当によって接し方が違う

営業にも様々なタイプの人がいます。優しく接してくれる人もいればきつく当たる人もいます。

営業担当それぞれがノルマを追いかけていますので、数字が悪い時には機嫌も悪くなるでしょう。

営業の方々のパーソナリティやその時々の機嫌によって仕事をしているときの居心地の良さが変わってきます。

自分ではどうしようもないことによるストレスがあるのが営業事務の現実です。

責任が重い

例えば見積書や契約書を作成する際に少しでも数字を間違えてしまうと後々に顧客とのトラブルになりかねません。

また直接顧客と接点のある仕事でもありますので顧客に失礼があるとクレームに発展することもあります。

営業事務は事務ではあるのですが責任の重い仕事であると言えます。

営業事務の平均年収

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営業事務の平均年収は352万円です。

キャリアを積んでも給料が上がっていく仕事ではない一方で仕事のプレッシャーはそこまで厳しくありません。

ワークライフバランスを重視する方にはお勧めです。

逆にしっかりと収入を手にしたいと思われる方にはそぐわないでしょう。

営業事務の1日の流れ

営業事務

ここからは営業事務の1日の流れを見てみましょう。

営業をサポートする仕事であるため所属部署の営業担当と緊密に連携をします。

基本的には定時勤務でありワークライフバランスはとりやすい仕事であると言えます。

ただ夕方に突然急な仕事が入る場合、残業が必要になることは覚悟しておく必要があります。

どんな人が向いている?

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営業事務に向いている人の特徴を見ていきましょう。

献身的である

まず営業事務は営業をサポートしていく仕事です。

自分が結果を出すより人が結果を出せたときが嬉しい。頑張っている人を献身的に支えられる人は活躍できるでしょう。

すぐ近くにいる営業から感謝されると嬉しいですよね。こうしたマインドの方には営業事務は向いていると思います。

どんどん仕事を終わらせる

事務処理能力高く次から次へと仕事を終わらせる人は営業事務に向いています。

突発的な仕事や急ぎの仕事が多いのでいつも自分の時間に余裕を持つことが大切です。

時間に余裕を持つには仕事を早く終わらせることですよね。こうした方は営業事務で活躍できるでしょう。

環境に適応する

営業にはそれぞれの組織に独自のカルチャーがあります。

どんな文化の組織でも適応できる力が重宝されるでしょう。自分で自分の居場所を作る力があると早く組織になじめると思います。

営業事務で求められるスキル・資格・マインド

営業事務,職種研究

次に営業事務になるにあたって必要となるスキル・資格・マインド等をお伝えします。

スキル

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まず営業事務の方が身に着けておくといいスキルは以下の3点です。

  1. 事務処理能力
  2. PCスキル
  3. コミュニケーションスキル

事務処理能力というのは非常に抽象的な表現ですよね。ここでいう事務処理能力というのは正確性とスピードを両立することです。

例えばカフェでアルバイトをするときにお客さんの注文を正確に速く提供する、というのと同じような話ですよね。

レジの打ち方、メニューの作り方等ルールをしっかりと覚え間違えやすいポイントをメモする。

次にどうすればより正確に速くできるかを考える。こうした積み重ねで事務処理能力はつきます。

次にPCスキルです。仕事でエクセルやワード、メールを使用することが多くあります。

特にエクセルでは集計や計算のための関数を使えるようになっておくと重宝されるかと思います。

最後はコミュニケーションスキルです。営業事務は一つの仕事のミスが大きなトラブルに発展しかねない重要な仕事です。

正確に仕事をするためには営業と正確なコミュニケーションをしておくことが大切です。

わからないことをわからないと言える等謙虚なコミュニケーションを心がけましょう。

資格

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営業事務にはこの資格がないと仕事ができない、というものはありません。

いくつか仕事をする上で役立つ資格がありますのでご紹介します。

  1. MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
  2. 簿記
  3. TOEIC

MOSはパソコンで仕事をするにあたって基本的な使い方を知っている、とアピールできます。

実務的にもきれいに資料を作成したいときやエクセル集計の効率的なやり方を学べるので実用的です。

Word、Excel、Powerpointあたりを抑えておけるといいでしょう。

次に簿記です。できれば2級までは取得しておきたいところです。

顧客先の与信管理等も営業事務の仕事ですので会計の知識があるというのは武器になるでしょう。

最後はTOEICです。海外の情報が欲しいけど英語が苦手という営業メンバーもいるでしょう。

英語が苦手なメンバーをサポートしてあげたり上司が英文メールを作成するのをサポートをしてあげたりします。

どんな企業でもビジネスで英語を利用することは増加しています。英語力は重宝されることと思います。

マインド

営業事務

次に営業事務として必要なマインドをご紹介します。

  1. 環境に適応する
  2. 責任感がある
  3. 柔軟性がある

環境に適応するですが先ほど営業事務の苦労で出てきた通り営業は部署によって様々なカルチャーがあります。

場合によってはストレスの大きい職場となる可能性もあります。どんな環境でも仕事をして行ける適応力があると長く活躍できるでしょう。

次に責任感です。一つ一つの仕事がとても大切な仕事となります。

細部にまで仕事にこだわる必要がありますので責任感の強い人が活躍できる職種と言えるでしょう。

最後は柔軟性です。営業の動きに併せて必要な仕事の優先順位を考え行動することが求められます。

言われたことだけをやるのではなく柔軟に自分で考えて行動することが求められます。

営業事務のキャリアパスは?

営業事務,職種研究

営業事務のキャリアパスを考えましょう。

営業事務としてキャリアを築いていくとどのような仕事があるのかを見ていきます。

営業事務になるには?

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まずどのように営業事務になるのかをお伝えします。営業事務は主に2つのなり方があります。

一つは正社員の一般職として入社することです。一般職の採用は近年少なくなっていますがまだ一般職を採用している会社はあります。

次は派遣社員として登録し営業事務として派遣される方法です。最近は派遣で営業事務になる方が多くなっています。

営業組織はそれぞれ独特のカルチャーがありますので、雰囲気が合わないと仕事がつらくなります。

比較的容易に職場を変えられる派遣社員のほうが営業事務として働きやすいでしょう。

営業事務のキャリアパス

営業事務

営業事務として経験を積んだのちに考えられるキャリアパスは以下の通りです。

  1. 営業事務を突き詰める
  2. 貿易事務等専門性の高い事務職に就く
  3. 職転して営業になる

まず営業事務を突き詰めるはわかりやすいですね。そのまま営業事務としてのキャリアを積んでいきます。

事務職なので管理職になることは基本的にありませんが、職場に何人も営業事務がいる場合はリーダーとして周りの面倒を見ます。

次に貿易事務等の専門性の高い事務職に就くです。営業で貿易関係の事務をやっている場合は貿易に特化することも考えられます。

ドキュメントは英語ですし海外との取引ならではの煩雑な事務があります。

事務職として専門性を高めていくこともキャリアの選択として考えられます。

最後は営業に職転することです。営業の方々と一緒に仕事をすることが多いので「自分ならこうする」と考えることが増えてきます。

すると自分で営業にチャレンジしてみたくなる方もいらっしゃいます。事務職から営業職への職種転換も実際にある選択肢です。

営業事務の最新動向

営業事務,職種研究

営業事務の方がおかれている現在の状況をお伝えしていきます。

派遣やパートでの仕事が増える

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最近は派遣やパートでの仕事が増えています

営業という独特の文化を持った組織に合う合わないというのがどうしてもあります。

容易に仕事を変えられる派遣やパートの方が好ましい、と考えることが背景のようです。

一方で容易に職を変えられるということは容易に仕事を失う可能性もあるということです。

派遣やパートで働くことを選択するのであればそのリスクも考えておく必要があるでしょう。

正社員募集は減少傾向

営業事務,職種研究

AIによって人の仕事が代替されるという話がでてからしばらく経ちました。

実際に今まで毎年数百人単位で事務職を応募していた企業がその採用を辞める等の動きが出てきています。

今後も営業事務職の新卒で正社員という募集は減少傾向になるでしょう。

新卒で営業事務になるには競争が激しくなる、と言えそうです。

中途での有効求人倍率は厳しい

営業事務

新卒だけでなく中途採用市場でも非常に倍率が低くなっています。

こちらは東京都の正社員の求人倍率ですが5名の求人に1しか応募しない、というのが現在の状況です。

倍率でワースト5に入るほど求人がない状態です。

中途だとより派遣やパートとなりやすい職種であることを知っておきましょう。

営業事務志望者におすすめの本

営業事務

営業事務を目指していかれる方にお勧めの本をご紹介します。気になった方は是非ご覧ください。

たった1日で即戦力になるExcelの教科書

営業事務をするにあたって必要なエクセルの基礎知識を習得できます。

実践で使える内容が多く記載されていますので、勉強してすぐに実践できるのが特徴です。

基礎的にPCスキルの習得を目的として読んでみてはいかがでしょうか。

この本が気になる方はこちら

最新ビジネスマナーと今さら聞けない仕事の超基本

こちらは社会人として仕事をしていくにあたって必要な心構え等を教えてくれる本です。

営業事務は顧客応対もありますので、ビジネスでの常識を学ぶ必要があります。こちらで基礎的なものはカバーできると思います。

この本が気になる方はこちら

世界で一番やさしい資料作りの教科書

営業から資料作りを依頼されたときに重宝する一冊です。

あまり機会は多くないと思いますが自分でプレゼンテーションの準備をする際にはこちらの内容を踏まえると効率的に資料を用意できます。

この本が気になる方はこちら

まとめ

営業事務,職種研究

ここまで営業事務の職種研究をしてきました。

責任も重くやりがいのある仕事ではありますが、その分組織の文化になじむ適応力や仕事に対する柔軟性が求められます。

ワークライフバランスを重視する方にはいい職種かと思いますが、将来的には雇用の安定性にリスクがあることは理解しておいてください。

営業事務は営業の多い会社で採用が多く金融、不動産、商社あたりで活躍される方多いのでこちらの業界研究も併せてご覧いただければと思います。

金融,業界
不動産,業界
商社,業界

それでは職種研究頑張ってくださいね。

この記事を書いた人mike