はじめに
就職活動を始めると必ずと言っていいほど自己分析の壁が立ちはだかります。
自己分析には正解がないため「本当にこれでいいのかな」「何かおかしくないかな」と不安になりますよね。
ここでは自己分析をする際に有用な整理の仕方、いわゆるフレームワークを紹介します。
フレームワークを使用することの効果や注意点等を解説していきますので、自己分析はどうやったらいいのか悩んでいる方は是非ご覧ください。
自己分析を今から始める、という方はこちらの記事も参考になるかと思いますので確認してみましょう。
【就活における自己分析の目的とは】なぜ就活の1番始めに自己分析をするべきのか?始める時期や自己分析のメリットまで解説!
目次
フレームワークとは
フレームワークの目的は「複雑な自己分析を単純化する」ことです。
単純化しますので、どうしてもフレームワークを使うと抜け漏れが出てきたり、大切な情報を漏らしたりするようなことも出てきます。
あくまで自分を理解すること、理解した自分をできる限りわかりやすく説明することを助ける「補助ツール」であるということを忘れないでください。
「自己分析をどうやっていいかわからない」「自分のことを伝えるときに相手に伝わらない」等の悩みを持つ人には有用なツールだと思います。
最終的には自分だけのストーリーをしっかりと作り上げてください。
フレームワークを活用するメリット・デメリット
ここではフレームワークを活用することのメリット・デメリットを紹介していきます。
メリットをうまくとりつつ、デメリットを回避できるようにしましょう。
メリット
まずはメリットから解説していきます。
容易に可視化できる
フレームワークを使用することのメリットは、自分の考えをわかりやすく可視化できることです。
フレームワークにあてはめながら自分の思考をまとめていきますので自然とカテゴライズができ情報が整理されていきます。
複雑に散らばっていたものがいくつかにまとめられていくと自分が何を考えていたかを整理しやすくなるでしょう。
相手に分かりやすく伝えることができる
面接のときなどにこのフレームワークを意識しながら話をすると効率的に相手に伝えることができます。
目の前の面接官も同じように就活をし自己分析の時にフレームワークを活用した可能性が高いからです。
共通の言語で話をするように共通のフレームワークで話をすることで相手に話を伝えやすくすることができるでしょう。
他人からのアドバイスを受けやすい
自己分析に対して自分の周りの人やOBOG訪問でアドバイスを求める機会も多いかと思います。
ある程度まとまった話ができると時間を有効に活用でき、相手からのフィードバックを多くもらうことができるでしょう。
効率的に自己分析を進めるためにもフレームワークはうまく活用できるといいですね。
デメリット
反対にフレームワークを使うことのデメリットもあります。
デメリットをしっかり把握し回避するようにしましょう。
作成すること自体が目的になりがち
慣れないフレームワークを活用するのは大変な作業です。
情報を整理していくと言いましたが1つ1つの情報をどのようにカテゴライズしていくかも最初はよくわからず都度悩みます。
するとフレームワークを作成しただけで満足してしまうのです。
大切なのはフレームワークをまとめた後自己分析を深めていくことなので、作成すること自体が目的になるのは避けましょう。
フレームワークは万能ではない
フレームワークは「単純化する」ためのツールです。
自分の考えをすべて網羅できるとは思わない方がいいでしょう。
フレームワークを完成させたから自己分析は大丈夫だ、と思ってしまうと面接本番で何も話せなくなってしまうので注意してください。
活用するのに一定のスキルが必要
フレームワークをうまく活用にするにはフレームワークを使い慣れないと難しいため、何度も挑戦して作り上げることが大切です。
最初からうまくフレームワークを活用できる人はいませんし、フレームワークは処方箋ではありません。
うまくいかなくともがっかりする必要はありませんので、できるまで努力しましょう。
過去・現在の自分を理解するフレームワーク
ここでは具体的にどのようなフレームワークがあるかを紹介していきます。
フレームワークにも目的別に2種類あり、ここでは過去・現在の自分を理解するためのフレームワークを見ていきましょう。
モチベーショングラフ
初めはモチベーショングラフです。人生曲線とも呼ばれますね。自分の感情の傾向を知るのに役立ちます。
どのようなときにモチベーションが上がりやすく、どのようなときに下がっていく傾向があるのかを可視化するのに役立つツールです。
横軸に過去に自分に起きた出来事を並べ、その時の自分のモチベーションのレベルを縦軸に置いていきます。
モチベーショングラフの具体的な使い方については以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
モチベーショングラフの書き方・作り方を6ステップで解説!作成におすすめのツールとは?具体例や実際に使えるテンプレも紹介
自分史
自分史もモチベーショングラフ同様に自分の過去を整理するためのツールです。
自分の感情がどのようなときにどうなるかの共通事項を探していくことで、重要としているものの傾向を理解できるでしょう。
1列目に勉強や部活等自分が取り組んできた項目を入れ、1行目に小学校、中学校等の時期を入れます。
それぞれの表のマッピングの中に自分がどのような感情を持ったか、に色を付けていきわかりやすくしましょう。
以下の記事で自分史の具体的な作り方を紹介しています。
自己分析に使える自分史を徹底解説!具体的な作り方・書き方とは?作成した後の3つの活用方法から自分を深掘る質問項目まで紹介
他己分析
自分に対する印象を他人から評価をしてもらうのが他己分析です。
親しい友人や家族から自分に対する評価を聞くことで、相対的な評価を手に入れることができます。
自分のことを絶対評価をするのは難しいですよね。
自分の特徴をいくら考えても出てこない、という人は他人との比較から自分らしさを抽出することが近道でしょう。
【就活に使える他己分析のやり方を解説】そもそもやる意味ってあるの?メリット・注意点・おすすめの他己分析ツールも紹介!
将来の方向性を考えるフレームワーク
次は過去・現在の自分の自己分析から将来の方向性を考えるフレームワークとなります。
過去を整理するだけでなく、自分が将来に向かってどうありたいかを考えるためのものです。
SWOT
SWOT(スウォット)は企業の分析等によく使われる手法なのですが、これを就活に応用したものですね。
自分の今の強み弱みと、考えうる機会や脅威を結びつけることで将来の方向性を考えるフレームワークです。
S=Strength(強み)、W=Weekness(弱み)、O=Opportunity(機会)、T=Thread(脅威)の4つの象限に考えられる情報を入れていきます。
例えば「Webマーケティングのインターンの経験(強み)」を活かし「EC事業会社のマーケティング職(機会)」に挑戦する、等が考えられますね。
Will,Can,Must
Will,Can,Mustも将来の方向性を考えるフレームワークです。
Will=意志=やりたいこと、Can=能力=今自分ができること、Must=職種の理想像=あるべき姿を結び付けていきます。
例えば「Will=多くの人と関わる仕事がしたい、Can=コミュニケーションが得意、Must=正確性を要する経理職」ではWill,CanとMustがずれますよね。
この3つの重なりを大切にして自分の進めたい方向性を考えていく方法がWill,Can,Mustです。
自己分析1000問
「メモの魔力」という本の付録としてついているのがこの「自己分析1000問」です。
自己分析から自分の将来を考えるのに役立ちます。
1000問の問題に答えることで自己分析が圧倒的に深まるのです。
そして自分のやってきた事実を抽象化しそれを転用するという、将来の設計図を描くところまでできるのがポイントとなります。
自己分析1000問の具体的な使い方は以下の記事で紹介していますのでご覧ください。
【メモの魔力で自己分析する方法を解説】メモ書きが就活に使える理由とは?自己分析1000問のPDF・エクセルシートまで紹介
フレームワークを効果的に活用するには
次にフレームワークを効果的に活用する方法について考えていきましょう。
フレームワークを使う順番を間違わない
目的別に2つのフレームワークを紹介しましたが、このフレームワークを使う順番を間違えないことが大切です。
最初にやるのは過去・現在の自分を理解するフレームワークからですね。
自分の現在地がわからない限りは未来を描けません。野球をやったことない人がプロ野球選手にはなれないのと同じです。
次に将来の方向性を考えるフレームワークとなります。
今の自分の延長線上にどのような未来を描くかを考えていくようにしましょう。
20年生きてきた自分をこのタイミングでいきなり変えることはできませんので、この順番を守ってください。
1つのフレームワークにこだわらない
様々なフレームワークがありますので1つに固執しないようにしましょう。
人によって使いやすいもの、そうでないものがあると思います。
とりあえず使ってみて何度か修正してみて、それでも使えないようであればフレームワークにこだわる必要はありません。
あくまでツールですのでどれが使いやすいかは人それぞれです。
先輩が行ったものを見せてもらう
まずは先輩が実施したフレームワークの例を見せてもらうのが早いでしょう。
フレームワークを使いこなすには一定のスキルが必要という話をしました。
しかし悠長にスキルをつける時間もありません。
特に自分と同じような経験をしている先輩のものは参考になると思います。
注意しないといけないのは「使い方」を参考にするのであって「内容」を参考にしないことです。
簡単なのは先輩の自己分析の内容に自分のものを重ねて修正することなのですが、それをすると自分のストーリーがごちゃごちゃになってしまいます。
フレームワークを活用するときの注意点
フレームワークの活用の仕方を見てきました。
次にフレームワークを活用するときの注意点を見ていきましょう。
リラックスして楽しむように行う
自己分析はあまり根詰めてやるものではなく、好きな音楽を聴きながらリラックスしてやったほうがいいです。
自分の過去に思いをはせながら思い出を味わうようにノートに記していきましょう。
楽しかったこともそうでなかったものも、今の自分を形作る大切な1ページです。
1つ1つを丁寧に思い出して書き出していきましょう。
手書きする
フレームワークは手書きのほうがおすすめです。
何度も修正する必要がありますし、きれいに分類のできない情報がたくさん出てくるでしょう。
物によっては曲線を描いたりするものもあるので、自由度高く記載のできるノートのほうが使いやすいかと思います。
エクセル等でフレームワークのフォーマットを作成し、プリントアウトして手書きする方法でもいいでしょう。
自分に嘘をつかない
自己分析をしていくとどうしても矛盾が生まれるときがあります。
矛盾が起きるとフレームワークにはめづらくなりますので、本当の自分を無視してフレームワークを完成させに行ってしまうのは仕方のないことです。
しかし、その難しい矛盾を乗り越えるからこそ自分だからこそのストーリーを作ることができます。
フレームワークを完成させることを優先するのではなく、あくまで本当の自分をすべて出し切ることに集中しましょう。
フレームワークがどうしてもうまくできない時は
フレームワークを使うのはなかなか難しいものです。
どうしてもフレームワークをうまく使えない時に何をすべきかも考えておきましょう。
思ったことや考えたものを書き留めておく
フレームワークにうまくまとめられなくとも、思いついたことや考えたことをしっかりとノートに書き留めておきましょう。
アウトプットがない限りはフレームワークに落とし込むこともできません。
無理に最初からフレームワークの形にしていく必要はありませんので、まずはしっかりと情報を表に出しておくようにしましょう。
自分一人でやらなくともいい
フレームワークをまとめにいくのはスキルが必要です。
1人でできなければキャリアセンターや先輩、友人の力を借りて完成させていきましょう。
その際にしっかりと自分の情報を見えるように表に出しておくことが大切です。
その情報がないと他の人も力になれません。
一人で仕上げることに意味はなくあくまで完成したフレームワークをいかに活用するか、というポイントに集中しましょう。
過去をほじくり返しすぎない
フレームワークを埋めるためにはたくさんの情報が必要になりますが、あまりに情報が薄くて不安になることもあるでしょう。
それはフレームワークを使用する以前の、自分の過去の棚卸ができていない状態です。
フレームワークを埋めるために過去の情報をほじくろうとするとフレームワークを完成させやすい情報ばかり集めるようになります。
一度フレームワークを使用することを辞め、リラックスして自分の過去を思い出すフェーズに戻りましょう。
まとめ
自己分析は難しいものです。
今まで正解のあるテスト対策をしてきたのにいきなり「自分らしさ」を求められ、そのための自己分析が必要になりました。
初めてやることですのでうまくいかなくて当然です。
フレームワークはこの作業を単純化してくれる有用なツールではありますが、これをやれば自己分析が完成するというものではありません。
大切なことはしっかりと自分自身と向き合うことです。
自己分析のやり方についてはこちらの記事で紹介していますので参考にしてみてください。
それでは自己分析頑張ってくださいね。
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