はじめに

昨今IT化が進む中でIT業界への注目が集まっています。

昨今のスマホの普及で本記事をご覧の学生さんの多くがスマホアプリをインストールしていることでしょう。

そのようなスマホアプリに触れて自分も作りたい、携わりたいと考えてソフトウェア業界に興味を持つ人は少なくありません。

ただソフトウェア業界といっても仕事内容は幅広いため調査なしでのソフトウェア業界への就職活動を行うことは難しいです。

そこで本記事ではソフトウェア業界についてその仕事内容や業界の動向、向いている学生の特徴などを紹介していきます。

本記事を通して業界研究を円滑に行いましょう。

業界研究をする前に

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ソフトウェア業界の業界研究をするうえで、まず業界研究の目的について理解することから始めましょう。

目的もなくただその業界の知識だけを集めていてもその業界が自分に合ったものかを見極めることが難しくなります。

そんな業界研究の目的ですが、主にその業界が自分に合う業界かを確かめて、入社後のミスマッチを防ぐことです。

自分自身に照らし合わせて業界研究をすることでより良い業界研究となります。

ただ業界研究を今回初めて行う人や、久しぶりに業界研究を行う人は自分がきちんと業界研究が出来るのか不安な人は少なくないでしょう。

そこで本サイトでは業界研究のやり方を学びたい、復習したい人向けに以下の記事を公開していますので是非参考にしてみてください。

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ソフトウェア業界とは

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ソフトウェアとは、今では生活の必需品になりつつあるスマホやパソコンなどのハードウェアを動かすためのプログラムをまとめて表したものです。

こう見るとソフトウェアはパソコンやスマホを動かすためのもと見えてしまいますがその他にも多くの電化製品にこのソフトウェアが使われています。

そのためソフトウェア業界といっても幅広いソフトウェアの開発を行っているのです。

こちらでは、ソフトウェア業界の全体図やビジネスモデルを通して、業界の概要基礎知識売上高ランキングを紹介していきます。

ソフトウェア業界の概要

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こちらではソフトウェア業界の概要としてその全体像について解説していきます。

ソフトウェア業界は大きく分けて3つのSIer企業があるとされます。

まずSIerとは顧客の要望に応じて、システムやソフトウェアの開発や運用、コンサルティングまでを請け負う企業のことです。

こちらではそんなソフトウェア業界にある3つのSIer企業について紹介していきます。

メーカー系SIer

メーカー系SIer企業はコンピューターのハードウェアを製造するメーカー傘下にある企業のことです。

ハードウェアメーカーのソフトウェア開発部門が独立したり、別企業が参加に入ったりして成り立つことが多いとされます。

主なメーカー系としては日立製鉄所系の日立システムズや富士通系の富士通ソフトウェアテクノロジーズなどです。

親会社の傘下に当たるため出向などで会社を行き来することは少ないとされるため特定の場所にとどまって仕事がしたい人にはおすすめです。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIer企業は親会社がコンピューターなどのハードウェア系以外の業種のシステム部門が独立した企業のことです。

ユーザー系企業には金融系や商社系、製造系等の企業があります。

主なユーザー系企業は新日鉄住金ソリューションズや伊藤忠テクノソリューションズなどです。

独立系SIer

独立系SIer企業は特定の親会社を持たない企業のことです。

親会社がないため独立系SIer企業はハードウェアにとらわれることなくソフトウェアの開発が行われます。

そのためソフトウェア業界の市場の大部分を占めており、主な独立系SIer企業にはオービックやサイボウズなどです。

ソフトウェア業界の基礎知識

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こちらではソフトウェア業界の基礎知識としてそのビジネスモデルとソフトウェアの種類について紹介していきます。

ソフトウェア業界のビジネスモデル

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ソフトウェア業界に限らずIT業界のほとんどが上図のようなビジネスモデルをしています。

ユーザー企業が元請けSIer企業にたいして発注を行い、その元請けSIer企業が下請けSIer、孫請けSIerに業務を流す多重下請け構造となっています。

ソフトウェアの種類

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ソフトウェア業界の基礎知識としてソフトウェアの種類について紹介していきます。

1.OS

OSとはオペレーティングシステムの略称でスマホやPC等のハードウェア全体を制御するソフトウェアのことです。

後述で紹介していくソフトウェアの土台や環境になるソフトウェアで例えばキーボードで文字入力をするシステムやマウスを操作するものがあげられます。

OSの代表格としてMicrosoftのWindowsやAppleのMacOSなどがあり触れたことがある人が多いです。

2.アプリケーションソフトウェア

アプリケーションソフトウェアとはOS環境下で動作するソフトウェアのことで特定の目的で設計・開発されています。

デジタル化に伴う様々なハードウェアの普及によってアプリケーションソフトウェアは無数に開発されているのです。

MicrosoftOffice等のソフトやゲームなどがアプリケーションソフトウェアに該当します。

3.ミドルウェア

ミドルウェアとは、アプリケーションとOSの間に存在してお互いを補助する役割を持つソフトウェアです。

OSの機能だけではアプリケーションソフトウェアの機能をカバーしきれない場合があり、それらの補助を担うのがミドルウェアです。

ミドルウェアの代表的なソフトウェアとしてWebサーバーやアプリケーションサーバー、データーベース管理サーバーがあげられます。

4.デバイスドライバ

デバイスドライバとは、ディスプレイモニターやマウスなどのパソコンやスマホに接続されるハードウェアをOSで制御するためのソフトウェアです。

デバイスドライバはハードウェアに付属されることが多いですが、共通化の進む昨今はパソコンに接続するだけで自動的にデバイスドライバがインストールされます。

5.ファームウェア

ファームウェアとは、ハードウェアに内蔵されているハードウェアを制御するためのソフトウェアです。

基本的にファームウェアはハードウェアの基本制御を行うので更新は難しく強引に更新するとハードウェアが故障してしまう可能性があります。

ソフトウェア業界の売上高ランキング

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出所:業界動向サーチを基にシューブン編集部作成

こちらではソフトウェア業界の売上高ランキングについて紹介していきます。

ソフトウェア業界の売上高を見てみると上位の多くが独立系SIer企業が多いことがわかるのです。

これは独立系の特徴である、親会社に縛られない幅広いハードウェアでの開発が出来ることが要因として考えられます。

ソフトウェア業界の現状と今後の動向

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業界研究を行う上でその業界の現状と動向について理解することはとても大切です。

こちらではソフトウェア業界の現状と今後の動向について紹介していきます。

現状

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世界的なIT化の流れの中でソフトウェア業界は大きな繁栄を見せています。

そんな中で日本のソフトウェア業界には現状いくつかの課題があるのです。

こちらではソフトウェア業界の現状の課題について紹介していきます。

1.人材不足

ソフトウェア業界をはじめとしたIT業界は人材不足が問題になっています。

特にソフトウェア業界は今多くの業界で用いられるソフトウェアの販売、運用を行うため仕事は非常に多くあるのです。

プログラミング言語が多様にありかつ、人気言語の移り変わりもあるため技術者の育成に時間がかかってしまいます

そのため多くの会社で人材確保の競争が激しくなっています。

2.多重下請け構造による収益低下

ビジネスモデルについて紹介したようにソフトウェア業界は多重下請け構造をしています。

そのため多重下請けの下層に行けば行くほどその収益が少なくなってくるのです。

収益の低下はエンジニアの収入にもつながってくるため優秀なエンジニアが残らず悪循環となってしまいます

そのため現状のビジネスモデルでも稼働していますが今後もそうとは限らないのです。

もし通用しなくなった場合にソフトウェア業界の多くの下請け企業は大打撃を受けるとされています。

今後の動向

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こちらでは現状の課題や世界の流れを受けてソフトウェア業界の今後の動向について紹介していきます。

1.デジタル化のさらなる推進

今後多くの業種、業界にソフトウェアが取り入れられるとされております。

少子化による人手不足の中で生産性を維持、向上するためにもどんどん機械化が進みソフトウェアの需要が高まるでしょう。

またスマホの普及でアプリ開発の需要があるためスマホアプリによく利用する言語について勉強しておくと就職活動の幅は大きく広がるためおすすめです。

2.SIer企業の海外進出

日本の人口減少の影響で様々な業種の需要が下がる中、大手SIer企業をはじめとしたソフトウェア業界は海外進出を推進しています。

そのため大手SIer企業での就職を視野に入れている場合は語学力も身に着けておくと便利です。

ソフトウェア業界の仕事内容

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業界研究においてその業界で具体的にどのような仕事があるのかを理解することは重要です。

こちらではソフトウェア業界の仕事内容について紹介していきます。

1.プログラマー

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プログラマーはプログラム言語を使い、システムやソフトウェアを作る仕事です。

スマホや家電などの電化製品はこのプログラマーが作ったプログラミング言語によって動きます。

そのためIT化が進んだ現代でも重要な技術職といえるでしょう。

多くのプログラマーは開発環境さえ整っていれば場所を選ばないため自由な働き方が可能です。

2.アプリケーションプログラマー(業務系)

アプリケーションプログラマー(業務系)は企業の業務系のシステム開発を行うプログラマーを指します。

これから多くの業界でデジタル化が進むことが予想されており多くの業務がプログラミングによる自動化、簡易化がなされるでしょう。

そのためアプリケーションプログラマー(業務系)の需要はどんどん高まっているのです。

そのためプログラミング言語だけでなく業務知識についても学ぶ必要があります。

3.システムエンジニア(SE)

システムエンジニア(SE)はソフトウェア開発において設計、プログラミングを行う仕事になります。

特に設計では顧客の要望を聞いてそれをプログラミング言語で再現することが必要になってくるため顧客とのコミュニケーションが重要です。

そのためプログラミング能力だけでなく、聞く力が必要になってきます。

4.ゲームプログラマー

ソフトウェアとして皆様になじみ深いものの一つとしてゲームがあります。

ゲームプログラマーは文字通りプログラミング言語を用いたゲーム開発をするプログラマーです。

据え置きゲーム機からスマホゲームまでと幅広く存在するゲームの市場は今後多くの企業や個人が参入するとされます。

ゲームプログラマーとして働きたい場合はプログラミング能力だけでなく発想力やコミュニケーション能力が重要になってきます。

5.ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアはコンピューター同士をつなげるネットワークシステムの構築、運用、保守を行う仕事です。

プログラミング言語だけでなくコンピューターやスマホに関する専門的な知識が必要になってきます。

ネットワークエンジニアを目指す場合は、ネットワークに関する専門的な知識を学んでおくと便利です。

6.営業

営業は自社のソフトウェアを売り込む仕事です。

売り込む際にはそのソフトウェアがどのようなものかを一般化して説明する必要があるため、IT関連の知識やスキルを高めることが重要になります。

7.ITコンサルタント

ITコンサルタントはIT活用して顧客に最適なIT戦略を提案することにより企業の経営をサポートする仕事です。

経営側の視点とエンジニアとしての知識の両方が必要な仕事のためある程度経験が必要になります。

ソフトウェア業界に向いている学生

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最後に、ソフトウェア業界に向いている学生について紹介していきます。

自分に向いている特徴があるか確認してみましょう。

1.問題を見つけ出す

問題を見つけ出す力があることはソフトウェア業界ではとても重要です。

なぜならソフトウェアの開発において、様々な場面でこの力が活きてくるからです。

例えば設計の段階であれば、現状のシステムや業務の問題点を探してそれを改善するソフトウェアを設計します。

開発の段階であれば、プログラミングの際にエラーや想定外の動きをしないかを探さなくてはいけません。

エラーやバグのあるソフトウェアを納品してしまうとそれだけで会社の評判が落ちかねないのです。

なので問題を見つけ出す力はソフトウェア業界はじめとしたIT業界全体で重要な力といえます。

2.じっくりと人と関係を築く

エンジニアはあまりコミュニケーションをとらなくてよいと考える人がよくいますが、ソフトウェア業界の開発の多くは分業制やチームでの開発が主流です。

そのためチーム内でのコミュニケーションは必須となります。

コミュニケーションを怠って原因不明のエラーが出たり、納期に間に合うかのチェックをしたりと多くの弊害が出てしまうのです。

コミュニケーションが苦手な人でもじっくりと人と関係を築く力が必要なのです。

3.新しいスキルをどんどん学ぶ

どの業界でも重要なことですが特にソフトウェア業界では新しいスキルをどんどん学ぶことはとても重要です。

ソフトウェア業界は今も進化し続けています。新しいプログラミング言語や新しいサービスがどんどん生まれているのです。

開発言語の流行も変わったり、ユーザー企業の要望言語が新しいものだったりする場合もあるのです。

多くのビジネスチャンスをつかむためにも新しいスキルをどんどん学ぶ意欲を持っていることは向いている学生の特徴といえるでしょう。

まとめ

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本記事ではソフトウェア業界について紹介してきました。

ソフトウェア業界は昨今のITデジタル化や技術の進歩によって注目度の高い業界へと成長したのです。

成長と同時に多重下請け構造のビジネスモデルや人材不足という課題が浮き彫りになり、成長と同時に変革も必要になっていくことが予想されます

将来性も高くソフトウェアにも種類があるため自分の携わりたい分野を見つけて今後の業界研究を重ねていきましょう。

本サイトではソフトウェア業界以外の業界研究に役立つ記事が充実しております。

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業界研究を通して、よい仕事に皆様が出会えることを願っています。

この記事を書いた人muramasa