はじめに
みなさんはインフラ業界をご存知ですか?
「インフラ業界ってどんなことをする業界なの?」「インフラ業界は自分に向いているのか?」と疑問に感じる人は多いのではないでしょうか?
私たちの生活基盤を支えているインフラ業界ですが、その裏側で何をしているのかほとんどの人は仕事の概要を知ることはなかなかありません。
そんな人のためにこちらの記事ではインフラ業界の概要や基礎知識、実際の仕事内容など徹底解説しています。
インフラ業界に興味がある方はもちろん今まで関心がなかった人にも参考になるような情報もあるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
業界研究をする前に
業界研究をする前に、まずその目的を明確にしておきましょう。
業界研究とは自分の人生の軸やビジョンとマッチしている業界、業種を探すことを目的とした活動のことです。
業界研究を十分にしておくだけで入社後に自分には向いていなかったと後悔することが少なくなり、より充実した社会人生活を送ることができるようになります。
しかし、何も調べてない状態だとそもそもどのような業界が存在するのかということもわかないと思いますので、最初の方は業界を絞らずに幅広く調べる方が良いです。
それでもなかなか業界研究を進めることができないという人はこちらの記事で業界研究の基本的なやり方を学んでから業界研究を行うことをおすすめします。
インフラ業界とは
そもそもインフラとは「インフラストラクチャー」の略で日々の生活の基盤のことを意味します。
例えば、私たちの身の回りのガス・水道・電気・道路・鉄道など普段何気なく使っているものなので、イメージはしやすいかと思います。
なので、私たちが経済活動を行なっていく上で極めて重要な設備に関わっているのがインフラ業界になります。
インフラ業界の概要
インフラ業界といっても様々な業種に分けることができ、その業種ごとにビジネスモデルが異なってきますが、共通して「ヒト・モノ」を活用するという特徴を持っています。
インフラ業界は「生活インフラ」と「交通インフラ」に分けることができ、どちらも「ヒト・モノ」を活用することで、顧客に可能な限り高いサービスを付加価値として提供します。
ヒトやモノがなくなることは基本的にないので、高いニーズを維持できる業界になります。
インフラ業界の売上ランキング
こちらは電力・ガス・石油・鉄道・航空機・物流などのインフラ業界の売上をランキング形式にしたものになります。
このランキングからはインフラ業界の平均売上は他の業界よりも高い水準にあることがわかります。
1位はENEOSで、3位は出光興産となっており石油業界には特に高い需要があります。
3位には東京電力、5位には関西電力がランクインしており電力業界も全体的に売上は高いです。
4位は日本郵便で、交通インフラ業界ではトップの売上を出しています。
これらのことからエネルギー系インフラの需要が安定しており、特に石油資源が多く利用されていることがわかります。
交通インフラでは公共交通機関よりも物流の方が使用する人や頻度が多いため、売上も高くなる傾向にあります。
インフラ業界の基礎知識
インフラ業界は大きく2種類の業界に分けることができ、それぞれ業界内の業務や企業が異なるのでここで確認しておきましょう。
生活インフラ
電力・ガス・石油などのエネルギー系、電話・インターネットなどの通信系、テレビ・ラジオなどを扱う業界になります。
国民のライフラインとしてインフラ業界の中でも特に国民の生活に直結して関わっている業界になります。
他の業界よりも需要が継続して続くことから、業界の安定性が高いという特徴も持っています。
さらに、スマホの普及によって通信網の整備など通信業種の需要が高まっている傾向があります。
主な電力会社としては東京電力・関西電力・中部電力などがあります。
主なガス会社としては東京ガス・大阪ガス・東邦ガスなどがあります。
主な石油会社としてはENEOS・出光興産・コスモエネルギーなどがあります。
交通インフラ
鉄道・バス・航空機などの公共交通機関や道路・物流などを扱う業界になります。
公共交通機関は特に老舗企業が市場を独占している状態になります。
道路に関しては主に交通道路などを扱い、地域の道路は地域で担当を任されている各都道府県が土木企業に受託し、整備等を行います。
主な鉄道会社としてはJR東日本・JR東海・JR西日本などがあります。
主な航空会社としてはANA・JALなどがあります。
主な道路会社としてはNEXCO東日本・NEXCO西日本・NEXCO中日本などがあります。
主な物流会社としては日本郵便・日本通運・日本郵船・商船三井などがあります。
インフラ業界の魅力
インフラ業界は他の業界にはない魅力がいくつかあるのでここで紹介します。
福利厚生や待遇面の良さ
他の業界よりも市場の独占が強く、企業規模が大きいことが経営の安定につながっています。
そのため、福利厚生や待遇面がしっかりしている企業が多くあります。
例えば公共交通機関への乗車賃が無料であったり、直営ホテルに格安で泊まれることもあります。
年功序列で給与が上がる
元国営であった名残で終身雇用や年功序列の制度がまだ残っている企業が多くあります。
勤務年数と共に給与も上がっていき、役職につければさらに給与をアップさせることができます。
業界の安定
インフラは生活に不可欠なサービスであるため、需要が今後も継続していくことが見込まれています。
人の生活に密接に関われる
インフラは生活の中でも頻繁に触れることがあり、その業務をになっていることによって必然的にやりがいを感じやすい業界になります。
インフラ業界の現状と今後の動向
本章ではインフラ業界の現状と今後の動向について見ていきます。
自分に向いているかどうかだけではなく、業界全体の将来性についても理解するようにしてください。
インフラ業界の現状
インフラ業界ではそれぞれの業界で経営状況が変化しているところがいくつかあります。
電力・ガスの小売全面自由化
電力業界が2016年4月から電力の小売の全面自由化が実現され、新電力の事業者や契約者が急増しています。
ガス業界でも同様に2017年から都市ガスの小売の全面自由化が進み、電力会社がガスを売り、ガス会社が電気を売るなどで市場は混戦状態となっています。
様々な資本力のある異業種が参入し、電力とガスの同時契約や料金の割引など他社との差別化をはかる新たなサービスが積極的に提供されるようになりました。
国内で電気・ガス市場が激化し、経営状況が難しくなっている中で世界の電力・ガスの需要は増加し続けていることから、日本のエネルギー会社の世界進出が期待されています。
交通機関の経営縮小
近年の少子高齢化の他にも新型コロナウイルスの感染防止に伴ったテレワークやオンライン会議などの働き方の変化から鉄道やバスなどの交通機関の使用頻度が減少しています。
他にも交通インフラ系の業界では都市の道路混雑やドライバー不足、地方の高齢化による交通サービスの縮小などの問題があります。
こうしたことから、鉄道・バス業界では駅や交通機関の魅力を高めて効率的で総合的なサービスの提供を行うようになってきています。
例えば、駅ナカビジネスとして駅内に幼稚園・ハウスクリーニング・宅配取次サービスを設けたり、敷地内にはスーパーや書店などを設置しテナントを充実させています。
他にも交通系ICカードとグループ会社のクレジットカードを一体化したり、公共交通機関の効率化システムやバスやタクシーに対するAIや人工知能の活用なども考えられています。
インフラ業界の今後の動向
現在のインフラ業界では環境に対する意識が高まってきています。
例えば、2015年9月にはSDGs国連サミットで国連加盟国が2030年までに達成するための17個の持続可能な開発目標が採択されました。
その目標の一つには「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」というものがあり、インフラ業界はこの目標をもとに再生可能エネルギーの研究・開発が必要になります。
実際に電力・ガス会社では主力電源化に関する研究を行っており、さらに洋上風力発電の普及や2018年には「再エネ海域利用法」の成立がありました。
他にも、太陽光パネルの設置や電力使用量を減らすなど環境に良いエネルギーを循環させるという観点から新たなビジネスを模索する傾向が見られます。
インフラ業界の仕事内容
インフラ業界と一括りに考えても、仕事内容は業種や所属する会社によっても大きく変わります。
事務
事務職では一般事務・経営企画・料金企画・人事・総務・情報システムなど幅広い業務があります。
どの会社を機能させるのにも必要不可欠な仕事が事務職であり、他の職務よりも比較的新卒で志望しやすい職務でもあります。
中でも経理などは簿記などの資格で就職に有利になることもあるので、余裕のある人は取っておくと便利です。
営業
営業職では電気やガス会社などが一般家庭はもちろん事務所や学校、病院、飲食店など幅広く契約を結ぶ業務を行います。
家庭用営業の際には販売促進や新規機器の提案などを行い、業務用営業の際には効率的な利用の提案やアドバイスをすることになります。
技術
技術職では基本的に生産から供給まで一貫しで業務を行うことが多いです。
例えば、ガス会社であれば生産の部署はガスの製造や企画、施設や設備の設計や管理を行います。
供給の部署は製造したガスを安全に顧客に送るパイプラインとしての業務を担っています。
整備
鉄道業界では車両の保守・点検・管理・車両整備計画の提案から信号通信設備の監視、指令業務などの整備職があります。
未然に危険がないかを察知し、安全な輸送やサービスの提供を行います。
調達
必要な資材をなるべく低コストで仕入れる業務になります。慎重に仕入れ先を選び、金額交渉なども行います。
対象品は日常的な消耗品から特殊な部品まで幅広く扱うことになります。
管理
駅・線路・空港・道路などの施設管理や電車や飛行機の運行管理などが業務になります。
気象状況や車両・機体の状況を把握し、適切にプランを作成する必要があります。
インフラ業界に向いている学生
インフラ業界の仕事内容や特徴からどのような学生が向いていると言えるのでしょうか。
インフラ業界に興味が少しでもあるという方はここで確認しておきましょう。
専門知識で社会貢献したい
インフラは設計・施工・管理など幅広く扱っており、専門の知識やスキルを身につけることができます。
普段使うインフラに関する仕事なので、自分の磨いた知識やスキルを使い社会に貢献できていることを実感したいという方におすすめです。
ワークライフバランスを重視している
業界の経営状況が安定しているので、基本的にバリバリ仕事をして業績を上げるというよりかは現状を維持していくよう努めている業界なので、定時で帰れることが多いです。
プライベートの時間を重要視しているという人には特に向いている業界と言えます。
インフラ関係に興味がある
インフラ業界は基本、研究・開発・設計などの専門知識が必要な業務が多いですが、品質管理・接客・販売などの業務は文系出身者も多くいます。
しかしインフラ業界は幅広く採用していることもあり、少人数採用の企業に大人数の希望者がいることもざらにあります。
特に関東地方ではこの傾向が顕著にあらわれているので、インフラに対する強い気持ちを持つことで企業から採用されやすくなります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事ではインフラ業界の概要や基礎知識、仕事内容、現状、今後の動向などを解説しました。
インフラ業界といっても生活系と交通系にわかれて、その中でもさらに様々な職種に分かれていることがわかりました。
電気・ガスや鉄道など幅広い業界であるため、それぞれの業界を調べてみると想像と違うという可能性もあるので注意しましょう。
しかし、インフラ業界に共通する社会の基盤を作るという部分に興味や関心がある人は深掘りすると自分のやりたい仕事が見つかるかもしれません。
本当に自分は興味があるのか、自分に向いているのか、この記事を参考に慎重に考えてみましょう。
ちなみに本サイトでは建設業界以外にも様々な業界について解説しています。
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