はじめに

就職活動は自分のステータスによって全然動き方が変わりますよね。

中でも大きく差があるのが文系か理系かの違いです。

この記事では文系の方の就職活動についてより詳細なポイントを説明していきます。

文系の方もしくは理系の方で文系就職を考えている方は読んでみてください。

理系の就職活動については以下の記事を参考にするといいでしょう。

理系,就職

文系就職の特徴とは

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まず初めに文系学生の就職活動の特徴を把握しておきましょう。

幅広い選択肢がある

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文系の学生は理系の学生に比べると幅広い選択肢があります。

理系の場合はメーカーやインフラ系に就職先が偏りがちでしょう。

しかし、文系はサービス業に多く就職先があるため選択の幅が広いのですね。

だからこそどう選択肢を狭めていくか、自分のやりたいことを見つけるかが重要になるのが文系の就職活動です。

ポテンシャルでしか評価されない

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文系の就職活動で大切になるのは「活躍してくれそう」という期待を抱かせることです。

理系の院生などであれば研究をしている内容をそのまま活かすべく就職先もわかりやすく決まります。

一方で文系の場合は、あまり企業側が参考になるような実績を学生が持っていません。

基本的には「活躍してくれる見込みがあるか」というポテンシャルでしか判断がされないという特徴があります。

ミスマッチが多くなりがち

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ポテンシャルで判断されるのと同じく、学生側も企業で実際に働くことがよくわからないままに就職します。

よくわからない同士でマッチングするので必然的に合う合わないが出やすい状況になってしまいますよね。

ミスマッチが多くなりがちなのは就職活動の仕組みによるものなのです。

だからこそ文系学生はインターンシップに参加することが重要ですね。

文系が就く職種

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文系学生が主に就くこととなる職種について見ておきましょう。

職種について詳しく知りたい方は以下のリンクより職種研究のページを参考にしてください。

職種研究一覧はこちら

総合職

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主に大企業においては採用が総合職と一般職で分かれています。

総合職はその意味の通り「何でもやる可能性のある職種」です。

入社時にどの部署に配属するかは企業側が決めるため、希望を言うことはできますが自分に決定権はありません。

日本の文系学部では大学でそこまで専門性を高めないため、企業が適材適所を考えどのように育成するかを決めるというスタイルです。

将来の会社の屋台骨を支える活躍を期待される職種ですね。

やりたいことが明確に決まっていない、色々な職種にチャレンジしたいという方にはおすすめの職種でしょう。

一般職

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一般的に存在する仕事をするので一般職ですね。

総合職が将来の会社の基幹を担うのに対して、一般職は総合職をサポートする仕事が中心となります。

事務のような仕事をすることが多く、AIによって代替される仕事とされ採用数が減少し続けているのが特徴です。

将来的にスキルを付けて自分の腕で食べていけるようになるというのは難しい職種でしょう。

一方で転居を伴う異動がない、残業が少ないなどライフワークバランスを取りやすい仕事として人気があります。

一部の企業では総合職以上に就職が難しいとも言われるようです。

ジョブ型

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インターンシップが増え、学生が大学のうちに自分のやりたいことを決められる機会が増えました。

それに伴い増加しているのがこのジョブ型就職というものです。

総合職が企業に入ってからやることが決まるのに対し、ジョブ型は採用の時点で何の仕事をやるかを明確に決めておきます。

主には外資系企業がこの採用スタイルでしたが、日本企業でも取り入れるところが増えていますね。

どのようなジョブ型雇用があるかを見ていきましょう。

マーケティング

ジョブ型雇用として多いのは、まずマーケティングの仕事です。

ウェブマーケティングやSEOなど学生のインターンとして人気のある職種であり、学生も就職活動時点で実績を積んでいる場合が多くあります。

企業側も求める能力が明確ですし、学生にも実績があるのでジョブ型で採用がしやすい職種です。

コンサルタント

コンサルティング企業に就職するとほぼコンサルタントになるのですが、どのような種類のコンサルタントになるかを事前に決めておくものです。

経営戦略に関するコンサルタントなのかシステムコンサルタントなのかなど種類によって求められるスキルが変わります。

それに伴い人材の質も変わるのですね。

FP&A

FP&A(Financial Planning & Analysis)は外資系特有の職種で、あまり日本企業にはありません。

経営企画に近いポジションであり、予算策定や予実管理・投資採算の有効性の検証などを行うものです。

コントローラーという名称で募集をしている企業もありますね。

経済学部や商学部系の学生の採用が多いのが特徴です。

経理

経理は会計士や税理士資格を持っていたり簿記1級を持っていたりする学生を対象に、専門職として募集がされています。

資格を持っている人でないと応募できないので選考を有利に進めることができるでしょう。

経理には正しく会社の活動を記録するほかにもTax Managementなど様々な仕事があります。

そのため専門性を高めたい人にはおすすめです。

財務

財務は資金調達や資金管理に特化した職種となります。

コーポレートファイナンスを勉強しているような学生を対象に募集をすることがありますが、まだジョブ型採用としては少ないですね。

会社の生命線であるお金周りを扱うため、慎重さと正確性を求められる仕事となります。

時に金融機関とタフな折衝をする必要があるなど交渉力や関係構築力が求められるのも特徴です。

営業

営業に特化した職種は非常に多く存在しますね。

不動産販売系や金融系の会社では特に営業に特化した職種が多くあります。

大学生もアルバイトで営業の仕事をやっていると実績をアピールできるので、ジョブ型採用としては比較的多く採用しやすい職種と言えるでしょう。

営業でスキルを磨きたいという人はジョブ型が多くあるのでチャレンジしてみてください。

人事

人事のジョブ型採用があるのはほぼ外資系です。

日本では人事が専門職であるという意識がまだ低いので総合職の方が担うケースが多いですね。

組織設計や制度構築・採用など人事関連の業務に関心の高い学生は是非外資系企業も企業研究してみるといいでしょう。

良い組織を作ることがいいパフォーマンスを出すという科学的な研究は欧米の方が進んでいます。

システムエンジニア

システムエンジニアを募集しているIT関連企業は非常に多くあります。

文系の方でも未経験でも応募できることがあるでしょう。

将来的にシステム関連の仕事をしたい人はジョブ型でシステムエンジニアを目指すのは有用ですね。

IT人材が何十万人も不足するというのはよく言われる話ですので、将来的に需要の高いスキルを身につけることができるでしょう。

文系学部生の希望企業ランキング

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出所:マイナビ 2021年卒版就職企業人気ランキングを基にシューブン編集部作成

ここで文系の方々に人気のある企業がどのようなところか見ていきましょう。

1位がJTB、2位がANA(全日本空輸)、3位が東京海上日動火災となっています。

3位の東京海上は聞いたことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それ以外はTOP10には聞いたことのある企業ばかりが並んでいますね。

ランキングを見る際の注意点をお伝えしておきます。

「どのような人が回答しているか」と「どのような形式で回答しているか」です。

まず回答者の属性によってランキングが大きく異なりますね。

またウェブ投票なのか、イベントでしか投票できないのかによっても大きく順位は変わります。

調査方法によって大きく変動するランキングだと判断根拠としては非常に弱いです。

あくまで参考としてみる程度にしておいた方が良いでしょう。

ランキングの高い企業に就職するのがいいことではないので、注意してください。

文系採用数の多い業界

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文系の学生がどのような業界に就職することが多いのかを見ておきましょう。

金融業界

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まず文系学生が多く就職する業界としては金融業界が挙げられます。

金融は基本的には営業として働く人数が非常に多いため、多くの文系学生が金融の営業として活躍しているのですね。

企業向けの法人営業やファイナンシャルプランナーなどの個人向けの金融商品営業に今後も多くの文系学生が携わっていくでしょう。

人材業界

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文系学生に人気の業界としては人材業界も挙げられます。

人材業界も営業やエージェント業務が多く、人手を必要とする業界と言えるでしょう。

リクルートやパーソル、マイナビ、エン・ジャパンなど人材業界大手の企業は毎年数百人単位で採用をしていますね。

公務員

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文系学生の就職先として多いのは公務員です。

やはり安定して人気があるのが国家公務員、地方公務員でしょう。

安定性を重視する学生には抜群の人気があります。

公務員試験の準備が必要にはなりますが多くの学生が毎年挑戦していますね。

文系は理系に比べて不利なのか

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よく文系は理系に比べて就職活動が不利になると言われますね。

ただの都市伝説なのか実際にそうなのか検証してみましょう。

不利とは言い切れないが有利にはならない

結論としては決して理系が有利と言い切れることはありません。

しかし同等もしくは場合によっては文系は不利になるケースもあります。

理系の方が大学時代に専門性がついているので、その専門性を活かした就職活動ができるのは間違いありません。

逆に言うと、その専門の領域で就職ができないと困ってしまいます。

それに対して文系は幅広く選択肢を持っているので、むしろチャンスは文系の方が多くあるでしょう。

ただし競合が激しく内定を取得するまで大変ということですね。

需要と供給の観点

全体として理系学生は文系学生よりも内定率が高い傾向があります。

昨今は特にIT関連の活用における人材不足が顕著であり、IT関連企業やコンサルティング業界の採用意欲が旺盛です。

このような企業が学生に求める素養は論理的思考力や論文レベルで考察をまとめるレポート力があります。

このような場合は理系の学生の方が優位性を発揮しやすいでしょう。

世の中に求められる人材として理系学生の需要が旺盛です。

理系学生は文系に比べると人数が少ないため、需要に対して供給が少ない希少価値がある状態となっています。

教授推薦のメリット・デメリット

理系院生には独特の就活スタイルである「教授推薦」というものがあります。

大学と企業が共同研究をすると教授と企業の繋がりが強くなりますね。

その教授の教え子を採用したいと企業側が考え、教授に学生の紹介をお願いするというものです。

企業側のニーズがあること、教授の推薦があることから通常の採用に比べると内定がぐっと近くなるのがメリットでしょう。

一方で教授の顔を立てるためにも内定は取り消せないというデメリットもあります。

専門性があり、入りたい会社が明確な場合には使いやすいのですが、文系学生にはあまり取り入れづらい採用スタイルです。

文系の就活生が重視するべき就活の行動

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文系の学生が就職活動をするにあたり何にフォーカスをするべきかを考えましょう。

選択肢を広げすぎないこと

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文系は就職先を選ぶにあたって選択肢が非常に多い傾向にあります。

ただ、あれもこれも手を出していては業界研究・企業研究が薄く広くなってしまうでしょう。

結果十分な知識がないままに企業を受けてなかなか選考に通らないとなりがちです。

自分がどこにフォーカスをするべきか、こだわるポイントはどこなのかを明確にすることが大切ですね。

自己PRを磨き上げること

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ポテンシャルで採用されるのが文系の特徴と言いましたが、言い換えるとPR上手は内定を取りやすいということです。

自己分析・自己PRを練り上げ、いかに自分を魅力的な人間に見せるかが大切でしょう。

そもそも自分のどこが企業にとって魅力的なのか、それを伝えるためにはどうするのか、自分自身を営業するのが就職活動となりますね。

インターンシップに参加すること

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文系は理系以上にインターンシップを活用しなければなりません。

お互いによくわからない状態で就職をする、採用をするというのは将来のミスマッチに繋がりやすくなります。

もちろん企業側にも採用した人間が自社で活躍できるようにする努力は必要です。

学生側でもしっかりと仕事の大変さやつらさ、やりがいを理解したうえで就職をすることでお互いに理解を深めることができます。

お互いのためにもインターンシップが重要な役割を果たすでしょう。

文系大学院生が就活で苦戦する理由

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文系の大学院生は就職活動で苦戦をするとよく言われます。

その理由をここで見ておきましょう。

文系大学院生は専門性勝負

文系の大学院生は一般的に就職活動で苦労すると言われます。

苦労しない大学院生はビジネスに直結するような研究であり、マーケティングとファイナンスくらいです。

それ以外の文系大学院生は就職活動では苦戦するということを覚悟しましょう。

入社3年目社員と比較される

文系大学院生が苦労する理由は日本の伝統的な年功序列の人事制度によるものです。

日本企業は2年間大学院で勉強したことを評価し、学部生よりも高い処遇で採用しようとします。

そうすると自社で2年間活躍してきた人材と同等の活躍を期待するのですね。

それであれば学部生で採用し、2年自分たちで人を育てる方が自社の理解も深いでしょう。

また、活躍度合いもわかるので効率的であると考えるようになります。

能力の有無ではなく、制度の問題で内定がとりづらいのですね。

外資系の方が内定を取りやすい

外資系の方がジョブ型の採用をしているので、そのジョブにはまるものを見つけられると採用の確率は高まると考えられます。

欧米の方が修士に対する評価が高いため文系でも評価が高くされる傾向があるのです。

文系院生は外資を基本に見ていった方が、選択肢は狭まりますが内定獲得の可能性は高いでしょう。

まとめ

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文系の就職活動について見てきました。

文系独特の就職活動における特徴を踏まえ、自分がどのように就職活動をしていくべきかの参考にしてください。

理系と比べても不利ということはないのですが、チャンスが多い分競争も激しくなり内定を取るのが大変であることは事実です。

しっかりと自己分析からステップを踏み、着実にゴールを目指して頑張りましょう。

自己分析について改めて考えたいという方はこちらの記事を参考にしてください。

自己分析に関する記事はこちら

それでは、就職活動頑張ってくださいね。

この記事を書いた人mike