はじめに
大学生の就職活動は大学卒業後の自分の人生において大変重要になります。
就職活動を行うにあたって自己分析、企業研究、そして職種研究はとても大切です。
面接ラッシュがスタートする前に自分の特徴を把握した上で自分に向いている職種を定めましょう。
新卒で入社した企業はキャリアの第一歩です。
入社した企業でなにをし、どのような実績を残したかは転職でも重要になります。
日本には星の数ほどの職種がありますので職種研究をコツコツ頑張れば、ピッタリの職業が必ず見つかるはずです。
そこで、今回はWebディレクターを取り上げWebディレクターの仕事内容、なり方、給与、キャリアなどを解説します。
ちなみに職種研究のやり方については以下の記事を参考にしてみてください。
目次
Webディレクターとは
Webディレクターとはウェブサイトの制作を進めるにあたり、制作チームにおける管理職的立場である職業です。
クライアントとの交渉や報酬の管理・スケジュール管理・チームメンバーのサポートを行います。
他にも、完成したウェブコンテンツの確認などWebディレクターの仕事は多岐に渡るでしょう。
Webディレクターは何をする?
Webディレクターとはウェブサイトを中心としたWebコンテンツの制作責任者です。
Webディレクターの仕事は制作チームのメンバーが円滑に仕事を進めていけるよう気を配り、業務プロセスを管理することが基本となります。
Webディレクターの仕事として具体的に以下のものがありますので確認していきましょう。
コンテンツの品質管理
制作チームで出来上がったウェブページなどの品質を確認します。
納品前の問題チェック、アフターフォローも重要な仕事です。
スケジュール管理
制作スケジュールを立てたり、関係各所とのスケジュールを合わせたりします。
プロジェクトメンバーの選定
ウェブサイトなどを制作するにあたって必要なスタッフを集めたり、役割分担を行ったりします。
クライアントとの打ち合わせ
クライアントとの打ち合わせ、交渉をWebディレクターが行うことも少なくありません。
トラブル対応
制作メンバーが起こしたトラブルやクライアントからの苦情をWebディレクターが対応する場面も多いです。
制作メンバーの代表としてトラブルに迅速に対応したり場合によっては謝罪を求められたりします。
Webディレクターのやりがい
Webディレクターはウェブサイト・ウェブコンテンツの制作プロセスに深く携わります。
自分を中心に作成されたウェブサイトが世に出た時には多くのやりがいや達成感を感じられるでしょう。
またWebディレクターは制作チームの統括者としてのポジションにあたるので、多くの人と関わる場面も少なくありません。
仕事を通していろいろな人と関わることもやりがいと感じているディレクターは多いようです。
Webディレクターの苦労
Webディレクターはチーム内の管理職的立場であるため、管理職ゆえの苦労があるかもしれません。
クライアントの対応に追われたり部下のフォローにまわったりと、誰かと連絡を取り合っている状態が続きます。
またウェブトレンドや社会のトレンドは急速に変わるのでWebディレクターはアンテナを常にはる必要があるでしょう。
Webディレクターの平均年収
Webディレクターの平均年収は340万円~470万円と言われています。
2021年における日本人の平均年収は436万円となっているため、平均的な年収と言えるでしょう。
また業種ごとによって年収が異なるのも特徴です。
- Webサイト制作会社:400万円~
- Web系デザイン会社:380万円~
- 広告代理店:440万円~
- ゲーム開発会社:450万円~
- フリーランス:400万円~
Webディレクターとして高収入をねらいたい方は広告代理店やゲーム開発会社への就職を検討しましょう。
給与は比較的少なくてもマイペースに働きたいという方にはフリーランスがおすすめです。
Webディレクターの一日の流れ
Webディレクターとして働く場合、大半の時間が案件対応になります。
案件対応において納品前のウェブコンテンツの確認は重要な仕事です。
チームメンバーからコンテンツの制作について質問への回答やフォローを求められたりすることもあるでしょう。
その他にもウェブサイトの制作を行ったり、場合によってはクライアントの元へ打ち合わせに出向いたりします。
勤め先の企業によって異なりますがミーティングが毎日、もしくは週に複数回開かれます。
ミーティングでは進捗状況の報告を行ったり、情報を共有し合います。
退社後は友人や恋人と食事をしたり、ゆっくりと過ごすWebディレクターが多いです。
また、多くのWebディレクターはスキマ時間に仕事に関連する勉強を行っています。
どんな人が向いてる?
Webディレクターに向いている人は以下の特徴を持ちます。
- 人と関わることが好き
- 面倒見が良い
- リーダーシップがある
- 事務・経理が苦でない
- 社会のトレンドやWebトレンドに敏感
- WebやITに興味がある
- ものづくりが好き
Webディレクターはウェブサイトの制作に携わる仕事ですので、ものづくりが好きな人は楽しく働けるでしょう。
またWebディレクターは制作メンバーのリーダー的ポジションにあたり、人と交渉する機会や人をサポートする場面も多いです。
そのため、人と接することが苦手で自分の作業だけに没頭したいという方には不向きかもしれません。
Webディレクターに求められるスキル・資格・マインド
Webディレクターになるとどのようなスキル・資格・マインドが求められるのでしょうか。
Webディレクターは資格がなくてもできる仕事ですが資格があると就職や転職に有利になる可能性があります。
ここではこの職種になると得られるスキルや資格、活躍するためのマインドをお伝えしていきます。
スキル
Webディレクターにはコミュニケーション力や人間力が求められます。
業務をすすめるにあたってウェブ制作の方法、管理、サイト全体の情報構造設計能力が必要です。
資格
Webディレクターとして仕事を進める上でおすすめの資格は以下の通りです。
- Webディレクション検定
- Webリテラシー検定
Webディレクション検定
この検定では、ウェブ制作の工程管理、要件を導き出すための能力が問われます。
たとえば、現状分析、プロジェクト企画、サイト全体の情報構造設計などです。
Webリテラシー検定
社団法人全日本能率連盟登録資格Web検定が主催する検定です。
Webデザイナー、Webディレクター、Webプロデューサーという3職種の最重要知識だけを集めた試験内容です。
仕事を行う上で標準知識を備えているかが問われています。
マインド
Webディレクターとして働くにあたって「良いものを作りたい」というマインドを持つことは大前提です。
「自分が携わったウェブサイトを多くの人たちに利用してもらいたい」と気持ちで仕事ができる人が向いています。
このようなマインドがあれば、仕事に対する責任感にあわせて顧客への思いやりがおのずと出てくるはずです。
Webディレクターのキャリア
Webディレクターになるにはどうしたらよいのでしょうか?
また、Webディレクターになった後はどのようなキャリアパスがあるのかを紹介していきます。
Webディレクターになるには?
Webディレクターになるには「Web制作会社に勤務して業務を積む」という方法が挙げられます。
Webディレクターになる一般的な方法はWeb制作会社に勤務することです。
まずはWebデザイナーやコーダーなどの仕事に従事し、制作業務の流れや業界についての知識が深めていきます。
その後にWebディレクターに転身することが多いでしょう。
未経験からの場合は制作現場で1~3年働いた後、Webディレクターになることが一般的です。
Webディレクターとは制作チームの管理職的ポジションとなります。
新卒で入社し4月からWebディレクターとして働くというケースはほとんどありません。
Webディレクターに興味のある大学生は関連資格を取得したり、求められる技術を大学生のうちから鍛えたりするのが良いでしょう。
Webディレクターのキャリアパス
次にWebディレクターのキャリアパスにはどのようなものがあるかをみていきましょう。
- 新人(見習い)、もしくはウェブ制作会社でコーダーやウェブデザイナーなどの仕事に従事
- Webディレクターの見習い
- Webディレクターとして独立
- Webプロデューサー・Webマーケター・Webアナリストなど
新卒でWeb制作会社に入社した場合、ウェブ制作における様々な業務にまずは従事することが一般的です。
専門学校生などが専門技術をもって入社した場合はそのスキルを活かせる仕事に割り振られることもあるでしょう。
自社や業界についての大枠を知った後、Webディレクターの先輩の元でWebディレクターとしての仕事を学びます。
先輩の元で業務について理解し、覚えることができたらWebディレクターとして一人前です。
この時から、チーム全体への目配り気配りなども重要になります。
Webディレクターとして経験を積んだら関連した職種への転身も可能です。
以下、その主な職種を紹介します。
Webディレクターからのキャリアアップとして、Webプロデューサーへの転身が最もメジャーです。
Webプロデューサー
Webディレクターはウェブ制作プロジェクトの遂行に責任を持ちます。
一方、Webプロデューサーはウェブ制作事業そのものについて責任を持つのです。
Webマーケター
Webマーケターとはウェブを用いたマーケティングによって事業拡大に貢献する仕事です。
ウェブサイトの効果を分析し、事業を拡大させるための提案を行います。
Webアナリスト
アクセス解析などからWebサイトの働きを分析し、課題を浮き彫りにします。
問題が発生した場合、問題を見つけて課題を解決する力が求められるでしょう。
Webディレクターの最新動向
「ウェブ社会」と言われる今日において、ウェブサイトはどんどん増えており、その重要性も増しています。
社会のこうした傾向からもWeb制作に携わる人材のニーズは高く、人手不足のWeb制作会社も少なくありません。
Webディレクターも例外ではなくWebディレクターの受け皿はまだまだある状況です。
今後も社会でウェブが重要であると予想されるので、現代社会においてWebディレクターは求められています。
Webディレクターにおすすめの本
本章ではWebディレクターになる上で読んでおくと良い本について紹介していきます。
第一線のプロがホンネで教える 超実践的 Webディレクターの教科書
著者の中村健太さんは日本ディレクション協会の会長です。
この本を読むことで、業界のことや生身の声が手に取るように分かります。
また、「Webディレクターはどのような仕事をするのか」ということを学ぶこともできます。
とても分かりやすく書かれているので読みやすく、初心者にもおすすめです。
Webディレクションの新・標準ルール 改訂第2版 現場の効率をアップする最新ワーク
この本の著者はウェブ関連の会社で高い実績を持つ方たちばかりです。
Webディレクターとしてこれから学びたい方に第一歩としておすすめできる本になります。
また、ウェブ制作会社に就職が決まった大学生はこれを読むことで周囲よりも一歩進むことができるでしょう。
内容はテーマごとにまとまっているので自分の好きな所から読むこともできますし、辞書的な利用もできます。
まとめ
Webディレクターについてみてきました。
ウェブサイトに日々ふれる私たちにとってWebディレクターが身近な仕事であることに間違いありません。
Webディレクターは自分が携わったウェブサイトが多くの人の目にふれるという喜びを感じられる仕事です。
制作チームのリーダーとして多くの人たちとうまく関係を築くことが求められます。
Webディレクターは人間としても大きく成長できる仕事です。
ネット社会と言われる今日においてウェブ制作関係の仕事のニーズは高まっているでしょう。
Webディレクターという仕事はご自身の向上心やスキルによってはさまざまなチャンスに出会えると考えられます。
Webディレクターに関連がある業界として以下の記事も紹介していますので、興味のある方は目を通してみてください。
それでは職種研究がんばってくださいね。
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