はじめに

大学で学ぶ内容が仕事に直結するものではないため、文学部は就職活動に不利といわれがちです。

実際に就職活動を控える文学部の学生の中には、自分が大学で学んできたことをどのように仕事に結び付ければ良いのか悩む方もいるでしょう。

今回の記事では「文学部が就職活動で不利といわれるのは本当なのか?」を解説します。

文学部におすすめの業界・職種や有利に就職活動を進めるための資格についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

文学部の就職率

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出所:大学通信オンラインを元にシューブン編集部作成

一般的に文学部の就職率は低いという認識を持たれています。

こちらの表を見ると、確かに文学部は全学部の平均と比較して就職に弱い学部といえるでしょう。

特に文系の学部の中でもビジネスの視点に直結する学問を選考している経済学部や商・経営学部系と比較すると就職率に差があります。

しかし、このような統計情報を見て悲観するのは早計です。

就職率の高い学部系統は「管理栄養士」「看護師」「税理士」などの就職に直結する資格を取得できる学部が中心といえます。

大手を含む各企業には、これらの資格がなくとも活躍できる職種が用意されているので文学部でも内定を得ることは十分に可能です。

大学生活の中でしっかりと自分の価値を高めながら就職活動に取り組むことで志望する業界の内定を目指しましょう。

文学部は就活で不利?

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文学部で学習する内容は文学・哲学・歴史学など教養としての側面が強い学問が多く、実務に結びつくものではありません

また、面接で「なぜ文学部に入ったのですか?」と質問された際に「本や歴史に興味があったから」という興味ベースの回答をしたくなるでしょう。

しかし、企業側が「文学や歴史への興味」を就活生に求めるケースは稀です。

そのため、就職活動時には「ビジネス的な視点に欠けている」という印象を持たれやすく文学部の就職活動はやや不利になる傾向があるといえます。

とはいえ、文学部であることが不利になり得る理由を事前に押さえておくことで就職活動を乗り切ることができるでしょう。

自己分析や業界・職種研究を効率的に進めることで、志望先の企業に刺さるスキルを身につける努力をすることが肝要です。

文学部卒の就職先人気ランキング

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上の表は文学部がある主要な国公立と私立大学が公表している進路状況をリサーチして編集部でランキングにしたものです。

文学部卒の人気就職先第1位は情報通信業でした。

大手だとNTTドコモや楽天のような通信サービス業が特に人気です。

情報通信業というとIT企業のイメージがあるかもしれませんがマスコミや出版社も含まれています。

また、メーカーや商社・金融業界の事務職や営業職も文学部の有力な就職先候補です。

金融業界は経済の仕組みを学んでいる経済学部生が就職に強いイメージがありますが、文学部でも十分に就職できる可能性があります。

学部によって不利になることが少ない公務員も文学部に人気の業界です。

ランキング外になりますが、教員や図書館司書及び学芸員のような教育・学習支援業や各種サービス業も文学部に人気の業界となっています。

文学部におすすめの業界

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文学部は専門家になることに特化した学部ではないため、進路として選ばれる業界は様々です。

ここでは、文学部に人気な業界の中でも特におすすめの業界を紹介します。

何が自分の興味や適性にマッチするのかを踏まえて志望する業界を絞り込んでみましょう。

出版

文学部におすすめの業界として、最初に紹介するのは出版業界です。

出版業界とは漫画・雑誌・書籍などの読み物コンテンツを企画・制作・販売している業界を指し、出版社や書店などが該当します。

「本が好きだから文学部に入った」という方にとっては、好きなものと関われる仕事なので人気の業界です。

出版業界での業務内容は職種によって求められる能力が異なります。

例えば、漫画・雑誌・書籍の出版社では取材記事を執筆するにあたってインタビューを行うこともあるでしょう。

この場合、文章力だけでなく読者の知りたい情報を引き出すためのコミュニケーション能力やリサーチ能力が必要になります。

また、営業や販売の仕事を担当すればプレゼン能力も求められるでしょう。

おすすめの商品を選定するためには流行を押さえることも大切です。

近年ではインターネットメディアの発達により紙媒体メディアの市場規模は縮小傾向にあります。

インターネットメディア運営や電子書籍の販売を中心に行っている企業も増えているのです。

そういった企業も候補に入れてアプローチすると良いでしょう。

金融・保険

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金融業界とはお金の流通に関わる仕事を生業とする業界です。

「お金が無くて困っている人」に「お金が余っている人」からお金が流れる仕組みを作ることが根幹のビジネスといえるでしょう。

金融業界に属する企業は、以下のように分野が分かれています。

  • 銀行
  • 証券
  • 保険
  • クレジットカード
  • リース
  • アセットマネジメント
  • 消費者金融

経済の仕組みに関する基礎知識に加え、企業が属する分野ごとの知識を身につける必要があるため事前の業界研究が大切です。

就職活動においては、自分が志望する企業を分野ごとに研究をして対策を講じると良いでしょう。

広告

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自身のクリエイティビティを活かしたい文学部の学生におすすめなのが広告業界です。

広告業界では、広告の企画・制作・出稿が仕事の中心になります。

文学部に限らず多くの就活生から人気を集めるのが広告業界でしょう。

求められる能力は多岐に渡りますが、クリエイティブな領域の仕事も多いのが特徴です。

多くの人の琴線に触れる文学作品に触れてきた文学部生であれば、その能力を活かせる業界といえるでしょう。

広告業界の中でも大手の広告代理店などの人気企業を志望する場合、ライバルの学生は早い段階から就職活動を進めています。

また、企業によっては「クリエイティブテスト」を選考で課すところもあるでしょう。

就職活動に際しては日頃のインプットも重要です。

教育・学習支援

学校教育機関や図書館・博物館などの社会教育機関が含まれる教育・学習支援業も文学部におすすめの業界です。

文学部ではこれらの教育機関に就職するための資格を取得できるカリキュラムが組まれています。

教員や図書館司書・学芸員は「文学部で学んだことを活かせる仕事」といえるでしょう。

「本が好き」「歴史が好き」という方にとっては有力な就職先候補です。

公務

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官公庁や地方自治体で働く公務は各学部から一定の人気がある業界です。

採用の可否は公務員試験の結果に左右され、学部による有利不利がないという点で文学部におすすめといえます。

しっかりと試験対策を行うことが内定に直結するので、早い時期からコツコツと対策を進めると良いでしょう。

いずれの業界を目指すにしろ、就職活動においては事前の業界研究が重要です。

志望する業界の研究を進めることで自分に必要な能力を把握し、効率的に就職活動を進められるでしょう。

当サイトでは、業界研究に関する記事を多数公開しているのでぜひ参考にしてみてください。

業界研究記事一覧

文学部におすすめの職種

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同じ業界に就職しても職種によって担当する業務や求められる能力は様々です。

特に文学部から就職する場合はゼネラリストとしての能力が要求される傾向にあり、適性の幅が求められます。

ここでは文学部卒におすすめの職種を紹介するので就職先選びの参考にしてみてください。

事務・管理

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総務や経理・人事に関する部署に所属し、事務処理全般や社内整備のサポートといった仕事を行う職種です。

IT企業や食品メーカーのような一見文学とは関係のない企業も社内整備のために事務系の職種に人員を割いています

大手のIT企業やメーカーの事務系総合職は、文学部をはじめとする多くの就活生から人気の職種です。

業務の中では文書の作成・管理を行う機会が多く、几帳面な気質も求められます。

また、総合職採用であれば人事や進行管理のような仕事も任されるでしょう。

その場合、周囲とのコミュニケーション能力や臨機応変な対応力を求められる場面も想定されます。

就職活動ではそれらを踏まえて自己PRできるように準備を進めましょう。

営業

営業職は顧客に対して自社の商品やサービスを紹介して販売する仕事です。

どんなに良い商品・サービスを開発しても、それらを知ってもらわなければ顧客を得られないため営業は欠かせません。

営業のノウハウは顧客や取り扱う商品によっても異なりますが、いずれも目的を達成する意識が重要になります。

企業によっては基本給に加えて営業成績に応じた成果報酬がプラスされるので、とてもやりがいを感じられるでしょう。

コミュニケーション能力や目的意識に自信のある人、成果報酬型の仕事をしたい人には向いている職種です。

司書

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司書とは図書館法に定められる資格を有し、公共図書館などで図書館資料の選択・発注から分類・目録作成・貸出業務などを行う職種です。

図書館司書の資格は大学で所定の科目を履修することで取得できますが、実際に司書の職に就くには自治体の採用試験に合格する必要があります。

本に関する知識だけでなく、書籍を分類するルールを決める情報処理能力なども必要となる職種です。

自治体にもよりますが採用枠が少ないので、他の職種も視野に入れながら目指すと良いでしょう。

学芸員

学芸員とは博物館などにおかれる資料の収集・保管・展示及び調査研究、その他関連する事業を行う職種です。

大学で所定の科目を履修し、博物館などの採用試験に合格する必要があります。

学芸員がおかれる社会教育機関には様々なジャンルがあり、美術館や歴史博物館・科学博物館・植物園が代表例です。

それぞれについて専門的な知識が必要になりますが、自分の興味を仕事に活かすことができるのが魅力といえるでしょう。

また、業務の中では広報や企画を担うこともあります。

クリエイティビティに富んでコミュニケーション能力が高いことも望まれる職種です。

教員

小中学校・高等学校の教諭も文学部生にとってポピュラーな職種です。

「文学を通して人間について学ぶ中で人の成長に関わりたい」という方は就職先の候補にしても良いでしょう。

ただし、文学部で教員免許を取得する際は必修科目以外の科目を履修しなくてはならない場合が多いです。

就職活動の準備についてもしっかりと対策を行って試験に臨む必要があるので中途半端にならないように注意が必要です。

当サイトではその他の職種についての解説記事も充実しているので興味のある記事を読んで、自分の可能性を探ってみましょう。

職種研究記事一覧

文学部が取得したい資格

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文学部で所定の科目を履修することで取得できる資格がいくつかあります。

これらの資格が採用の条件となっている職種があるので、自分の可能性を広げたいという方は取っておきましょう。

ここでは文学部で取得できる資格について紹介します。

教育職員免許状

文学部でも所定の科目を履修することで教育職員免許状(いわゆる教員免許)を取得することが可能です。

教員を目指している方はもちろん、学校教育の現場に就く職種以外への就職活動にも有利になる可能性があります。

例えば、教育関連の出版社や教材アプリの開発企業など教育に関連する業界へのアプローチとしても活用できる資格です。

教員免許を取得するための履修科目の中には必修科目となっていないものも含まれます。

計画的に就職活動を進めながら取得を目指しましょう。

司書

司書は図書館法に定める図書館に置かれる専門的職員となる資格を指します。

図書館司書を志望している場合には必要な資格です。

司書となる資格は、文学部で履修できる科目の中でも図書館学に関する科目を履修選択することで取得できます。

公共図書館の司書として働きたい場合には取得しておきましょう。

学芸員

学芸員は博物館法に定める博物館に置かれる専門的職員となる資格のことです。

博物館などへの就職を希望する場合には必要な資格になります。

博物館といっても扱っている資料のジャンルは様々です。

いつか自分の好きなことを仕事にしたいという方も資格を取得しておくと役に立つでしょう。

文学部において、文部科学省が定める所定の単位を取ることで資格を取得できます。

文学部生が学生生活でしておきたいこと

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就職活動において文学部で学ぶ内容は教養に関することが多く、実際の仕事に結びつかないというイメージを持たれてしまうことがあります。

そのため、課外活動も積極的に行うことで人事にアピールできるポイントを増やすことも重要です。

サークル・部活動

サークル・部活動を通して組織の運営やコミュニケーション能力・協調性をアピールできるエピソードを得ることが期待できます。

人が集まって同じ目標で活動をするという経験は大学の講義だけでは得られません。

目標に向けて周囲と協力し合った経験は就職活動において大きな武器になるでしょう。

また、サークル・部活動内で役職に就けば組織の運営に関わることになります。

活動が円滑になるように創意工夫した点をアピールすることで、人事から好印象を得られる可能性はグッと上がるでしょう。

アルバイト

アルバイトでの経験は実務経験と同様に扱われる場合があり、就職活動でのアピールポイントになります。

特に志望先の業界と親和性の高いアルバイトを経験していれば、より高評価を得られるでしょう。

また、業務を効率化するために創意工夫した点などを上手く伝えられるようにしてみてください。

ビジネスの視点で思考する能力を効果的にアピールすることができるはずです。

まとめ

文学部,就職

一般的に就職活動に不利とされる文学部ですが、事前の準備や志望業界・職種に対する十分な対策を行えば人気の就職先に就くことも可能です。

在学中に自分の価値を高めて志望先への効果的な対策を練ってみてください。

以下の記事も参考にしながら就職活動の準備を進めていきましょう。

なりたい自分
この記事を書いた人ハセガワ