はじめに
華やかな印象がある企画職に魅力を感じている学生の方も多いのではないでしょうか。
しかし、企画職という言葉は知っていても意外と細かな仕事内容はわからないものですよね。
そこでこの記事では、企画職の仕事内容ややりがい、向いている人の特徴などを紹介していきます。
「企画職の職種研究を進めたい」「自分に向いているかどうか知りたい」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
なお、職種研究のやり方については以下の記事で紹介しています。
「正直やり方がよくわかっていない」「なんとなく我流でやっている」という人は以下の記事を先に読むのがおすすめです。
企画職の仕事内容
企画職の仕事は職種によって異なりますが、大きく以下3つに分けられます。
さまざまな企画職の仕事に共通する仕事内容として捉えてくださいね。
- 市場調査
- 商品やサービスの企画
- 広告戦略
①市場調査
市場調査では、商品やサービスの企画を考えるために世の中のニーズを調査します。
どういった商品やサービスが求められているのか、自社が求められていることはなにかなどを調べて企画の方向性を探るのです。
マーケティング分析の手法も活用するため、市場調査を行う企画職は企業によってはマーケティング職として扱われることもあります。
②商品やサービスの企画
売れ筋となる商品やサービスを生み出す仕事です。
多くの学生がイメージする企画職の仕事は商品やサービスの企画でしょう。
大ヒットを生み出すと会社の売上に貢献できるだけでなく、世の中に大きなインパクトを与えられるのが魅力です。
③広告戦略
自社が抱えている商品やサービスがより売れるようにするために、広告の立案や運用を行います。
場合によっては販売促進と呼ばれることがあるので覚えておきましょう。
企画職の種類
大まかな企画職の仕事がわかったところで、企画職の種類を見ていきましょう。
さまざまな企画職がありますが、代表的な職種としては以下が挙げられます。
- 市場調査:よい企画を立てるために世の中のニーズを調査する
- 商品企画・開発:市場のデータをもとに商品やサービスを企画・開発する
- 広報・PR:商品やサービスを宣伝して販売を促進する
- 営業企画:商品やサービスの販売戦略を考えて営業職をサポートする
- 経営企画:経営者の方針に沿って目標や達成方法を企画する
市場調査や商品企画は前章で紹介したように、マーケティング的な側面が強い職種です。
データ分析が得意な人や考えることが好きな人に向いています。
広報・PRではさまざまなメディアを使うため、情報発信に興味がある人に人気がある職種です。
興味がある方は以下の記事も参考にしてみてください。
営業企画は広報・PRと同じように商品やサービスの販売を促進する仕事です。
ただ、広告は扱わずに営業職がうまく商品やサービスを販売できるようにサポートしていきます。
営業の仕事に興味がある人や将来的に経営に携わりたい人におすすめの職種です。
営業企画については以下の記事も参考にしてくださいね。
経営企画は経営者が示した方針を実践していくための目標や達成方法などを企画し、実行していく仕事です。
大きな仕事をしたい人や会社経営に興味がある人に向いています。
ただし、経営に携わる仕事なので新卒ですぐに就けるわけではなく、営業企画から昇格を目指していくのが一般的です。
経営企画の詳しい仕事内容などについては以下の記事を参考にしてみてください。
すぐに目指せる仕事ではありませんが、理解を深めておくとキャリア形成について勉強になりますよ。
企画職の1日の流れ
企画職は情報収集が大切なので、1日の始めにメールチェックとともにニュースなどを確認します。
世の中のトレンドの変化を知ることで企画に活かしていくのです。
企画の作成には他社が関わることも多くあり、午前中に営業の対応をすることもあります。
たとえば、食品メーカーであれば食材を扱う会社から「この食材を使ってみませんか?」といった提案を受けるのです。
午後には企画を社内で検討したり、集めたデータをもとに企画を練り直したりします。
日によっては企画を完成させ、翌日の発表に備えるなど仕事内容が変化することもあるでしょう。
今回紹介したのは商品企画・開発を主に行う企画職の1日です。
市場調査や営業企画などの異なる職種の場合には1日の流れも違いますので、注意してください。
企画職のやりがい
企画職の仕事内容がわかっても「なにがやりがいなんだろう?」「自分は楽しめるかな?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。
人によって見出すやりがいは少しずつ違いますが、企画職の主なやりがいとしては以下3つが挙げられます。
- 企画を考えるのが楽しい
- 多くの人に影響を与えられる
- いろんな人と関われる
①企画を考えるのが楽しい
企画を考える際には情報取集やデータ分析など地道な作業も必要ですが、新しいアイデアを思いつく瞬間は楽しいものです。
既存の商品や市場ニーズを参考にしつつも、自分なりの新しい要素を見つけて組み込めると「自分だからできる仕事だ」と感じられます。
地道な作業をする忍耐力やひらめく創造性も必要なので大変な部分があるのも事実です。
しかし、大変な仕事は誰にでもできることではないため、ひらめきが生まれた瞬間は自分がやった仕事の大きさや価値を実感できます。
「自分にしかできない仕事をしたい」「裁量をもって仕事をしたい」という方にとっては大きなやりがいを感じられるでしょう。
②多くの人に影響を与えられる
自分が関わった企画がヒットすると、多くの人に影響を与えられます。
街を歩いているときに自分が関わった商品などを使っている人を見かけた際などは、「頑張ってよかった」などと苦労が報われる感覚になるでしょう。
企画職自体は大きく目立つわけではありませんが、自分の商品やサービスが注目されることは十分にあります。
「影から世の中を支えたい」と考えている方は企画職の仕事を楽しめるかもしれません。
③いろんな人と関われる
企画をする場合には社内・社外を問わず、さまざまな人と関わることになります。
社内の人材やもっている設備で企画した商品の開発は可能なのかなどを確認する必要があるからです。
他社とコラボしたり、素材の提供を受けたりすることもあるため、社外の人との関わりも多くなります。
人と話すのが好きな人やいろんな価値観に触れたい人にとっては、刺激が多く楽しい仕事でしょう。
企画職の平均年収
企画職の平均年収は423万円です。
国税庁の調査によると日本人の平均年収は461万円なので、企画職は日本人の平均よりも少し低めの水準です。
ただ、ヒットを次々と生み出す売れっ子の企画職になったり、経営に大きく関わる経営企画になったりすると年収はさらに高くなります。
平均年収の数字は低いですが、全体を見ると年収1,000万円ほどを得ている人もいるため、あまり悲観する必要はないでしょう。
スキルや役職に応じて年収が大きく変わるので、高年収を狙いたい方はスキルアップや昇格を目指してみてください。
企画職に向いている人
企画職の仕事内容ややりがいに魅力を感じて、目指してみたくなった方もいるでしょう。
しかし「自分に向いているんだろうか?」と不安な気持ちもあるかもしれません。
企画職に向いている人の特徴としては以下5つが挙げられます。
仕事に慣れていく中で身につく能力もありますので、現時点では当てはまっていなくても大丈夫です。
当てはまっていないものがあったら「これからこれを身につければいいんだな」とモチベーションの糧にしてみてくださいね。
- 計画に従って確実に物事を進める人
- じっくり検討してリスクのない決断ができる人
- 話し合いによる意思決定が上手い人
- 最先端の知識を学ぶ人
- 多様性を大事にする人
①計画に従って確実に物事を進める人
計画に従って仕事を進めていける人は企画職に向いています。
企画の仕事はチームで動くことが多く、他社の人とも関わりがあるからです。
大勢でうまく仕事を進めていく上では計画が必要になります。
商品やサービスの販売開始までに順を追って確実に仕事を進めていくことが重要なのです。
計画的に物事を進めていくのが得意な人や、決まりに従うことに抵抗感がない人は無理なく企画職の仕事をこなせるでしょう。
②じっくり検討してリスクのない決断ができる人
1つのことをあらゆる角度から検討して、リスクを避ける道を見つけられる人も企画職に向いています。
商品やサービス、それらに関わる広告などは世の中の人に対して大きな影響力があるからです。
これらに不適切な表現が含まれている場合などは、バッシング(非難)を受けるリスクがあります。
バッシングを受ける事態になれば、商品や会社に対するイメージが悪くなってしまうでしょう。
イメージが悪くなると商品などが売れづらくなり、業績が悪化する可能性さえあります。
大きなヒットを出す企画職の仕事にはリスクが伴うため、慎重に検討できる人が重宝されるのです。
③話し合いによる意思決定が上手い人
話し合いによる意思決定が上手い人は企画職で活躍しやすいでしょう。
チームで動く企画職ではみんなが納得した上で進めるようにすることが大事だからです。
単に遠慮して譲るわけでもなく、自分の主張を押し通すわけでもなく、互いの意見を聞いた上で適切な判断をする能力が求められます。
人の話を引き出すのが上手い人や中立的な考え方ができる人は、企画職の仕事でチームを牽引できるかもしれませんよ。
④最先端の知識を学ぶ人
新しいことを学ぶのが好きな人は企画職に向いています。
ヒットする企画を考える際には世の中のトレンドを知っておくことが重要だからです。
現代ではSNSやオンラインコミュニティ、ブロックチェーン技術などITに関わる分野の進展が早い傾向があります。
そのため、IT分野に興味関心がある人も企画職においては重宝されるでしょう。
⑤多様性を大事にする人
多様性を大事にする人は企画職としてよい企画を作れる可能性が高いです。
新しいアイデアはさまざまな人の意見を取り入れることで生まれます。
先入観をもたずにさまざまな意見と向き合うことで、他の人には思いつけない革新的なアイデアが見つかるのです。
また、チームで動くにあたっても周囲の人を受け入れられるため、仕事をスムーズに進められるでしょう。
企画職に必要なスキル・資格
企画職に向いている特徴をもっていても、実際のスキルや資格が足りないと就職するのは難しいです。
この章では企画職に求められるスキルと資格を紹介していきます。
今もっていなくてもこれから身につけることで、就活のアピールポイントを作っていきましょう。
ちなみに、資格については就活時に勉強中であってもアピールできますよ。
スキル
企画職には以下のようなスキルが求められます。
- リサーチスキル:市場調査をスムーズに行うために必要
- 企画力:ヒットを生み出すために必要
- パソコンスキル:企画のプレゼン資料を作るために必要
- コミュニケーションスキル:チームとして仕事を進めるために必要
- プレゼンスキル:企画の良さを伝えるために必要
日頃から少し意識するだけでも、学校のレポート課題などを通して以上のスキルを磨いていけます。
「自分には足りていないかもな…」と感じるものがあれば、日常生活で身につける機会がないか探してみましょう。
資格
企画職になるために必須の資格はありません。
無資格でも狙っていける職種なので安心してくださいね。
しかし、その分だけライバルが多いのも事実です。
以下の資格を取得しておくと就活に有利になりやすいので、差をつけたい方は勉強してみてくださいね。
- 商品プランナー:商品企画の流れを学べる
- 商品開発士:商品プランナーの上位資格。販売促進についても学べる。
- 商品開発コーディネーター:商品開発士の上位資格。商品開発のマネジメントについて学べる。
- 販路コーディネータ:商品販売をうまく進めるための方法を学べる。
- ビジネス・キャリア検定:マーケティングや企画の基礎について学べる。
- プレゼンテーション検定:効果的なプレゼン方法について学べる。
取得がしやすく就活が有利になりやすいので、まずは商品プランナーの資格取得がおすすめです。
年2回の試験があり試験の60%以上の得点で合格できます。合格率は75〜90%と高いので挑戦しやすいでしょう。
商品開発士や商品開発コーディネーターは、商品プランナーの資格がないと受けられないので注意してください。
販売促進の仕事に就きたい場合には販路コーディネータがおすすめで、合格率は75〜80%ほどです。
その他マーケティング寄りの仕事をしたい場合には、ビジネス・キャリア検定がよいでしょう。
他職種の仕事にも活かせる知識が学べますし、難易度が低いBASIC級なら合格率80%です。
また、自分の企画を魅力的に伝えたい場合にはプレゼンテーション検定の取得も検討してみましょう。
こちらも合格率80%前後なので狙いやすい資格です。
ただし、プレゼン資料の作成は学べますがプレゼンスキルを磨ける実技試験はないので注意してください。
まとめ
企画職の仕事内容ややりがいなどについて紹介しました。
華やかなイメージのある企画職ですが目立つのはヒットを生み出した際などであり、通常業務は地道な作業が多いです。
基本的に裏方の仕事ではあるものの人との関わりが多く、コミュニケーション能力も求められます。
「人と関わるのは好きだけど目立つのは好きじゃない」「縁の下の力持ちになりたい」といった人に向いているでしょう。
資格については合格率80%と狙いやすいものも多いです。就活を有利に進めたい場合には積極的に狙ってみてください。
勉強することで企画職の仕事内容への理解も深まるでしょう。
また、企画職と関連が深い業界としては広告業界が挙げられます。
広告業界の研究もしておくと企画職の仕事についての理解も深まり、自分が目指したいのかどうかも見えてくるものです。
広告業界については以下の記事で紹介していますので、あわせて読んでみてくださいね。
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